腐男子くんの妄想
どもども。
僕は有宅、と申します。
男子校に通う高校2年生でございます!
女がいなくて可愛そうだって?
いやいやそんなことはありませんよ!
何てたって僕は
“腐男子”なんだから!
僕はA組の教室に入る。
このクラスはかなりのイケメン率!ハアハア
「あ、有宅おーす」
「おはよ〜」
しかもかなり優しい&仲が良いクラス!
平凡な俺にも挨拶をしてくれる。
素晴らしすぎるA組…!
そして僕が一番好きな時間がやってきた。
それは昼休み。
僕は1人で妄想に浸りがたいために本を読む。
読むふりなだけで、読んではいないが。
(きたきたきたー!)
心の中ではガッツポ――ズ!!
教室の隅にイケメンズ(僕が命名)が集まってご飯を食べている。
食べ終わったら何かをしゃべっているみたいだが、
5人いるうちの2人だけに視線を集める。
1人が座り1人がその人の膝の上に座っているのだ―――!
(もえ〜〜〜っ!!!)
叫びたいが叫べない。
ここで俺はあの2人に台詞を当てはめる。
ちょうどじゃれあっている(ふざけている)ようだ。
『好きだよ…』
『ちょ、っ!こんな耳元で…』
『ごめんごめん、お前がかわいすぎて』
『な、なんだよ…はずいから…』
(やべー!やべやべ!、…おっ、あっちも良い感じ…)
イケメンズと、少し離れた所にまた別のイケメンさんが2人いた。
1人が机に伏せて寝ているのをもう1人が髪を弄っているようだ。
『なあ…お前は俺の気持ち分かってくれる?お前に一生を尽くすから…』
(胸キュ―――ン!でも切なすぎぃ…)
キーン、コーン…
チャイムが鳴って、妄想タイムは終了だ。
「じゃあな、有宅!」
「またな〜」
イケメンの笑顔はイケメンだ――っ!!
僕は満面の笑みで手を振る。
「ばいばいっ」
だがいつも皆は少し苦笑いで帰るんだ。
何でかは分からないけど、挨拶されるしパシられたりとか無いし特に気にしていない。
さあ、僕も帰ろっと。
[ 5/27 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
[
top]