剣城side




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男達の説明はこうだった。

「はい、ルールは簡単。さっきも言ったけど、皆で殺し合いをしてもらいます。今は23時、スタートは0時にします。時間制限は無し、一人生き残るまでです。今からの一時間は、この教室内で自由にしてて貰って良いから」

「5分前になったらまた来る」

それだけ言うと男達は出て行った。

「…」

流れる沈黙。

松風が、震えていた。

「おい、大丈夫か」

「ぅ、うん…」

声を掛けてやると、震えながらも返事を返してくれた。

「俺、怖いんだ…」

キャプテンが今にも泣き出しそうな声で呟いた。

「大丈夫だ、神童。俺が居る」

霧野先輩が落ち着いた声で励ました。

何の根拠があるのか?

否、根拠なんて無い筈だ。

何故そんなに落ち着いているのか?

否、誰も落ち着いてなどいない。

キャプテンは勿論の事、松風、西園、狩屋、浜野先輩、速水先輩…

皆震えていた。

キャプテンを励ましていた霧野先輩だって震えていた。

俺だって不安や恐怖でいっぱいだった。

しかし俺は、フィフスセクターで過酷な訓練をしていたお陰なのか、まだ今は落ち着いていられた。

そう、今は…

本当の恐怖は、此処からだった。



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