剣城side
+---+---+---+---+
男達の説明はこうだった。
「はい、ルールは簡単。さっきも言ったけど、皆で殺し合いをしてもらいます。今は23時、スタートは0時にします。時間制限は無し、一人生き残るまでです。今からの一時間は、この教室内で自由にしてて貰って良いから」
「5分前になったらまた来る」
それだけ言うと男達は出て行った。
「…」
流れる沈黙。
松風が、震えていた。
「おい、大丈夫か」
「ぅ、うん…」
声を掛けてやると、震えながらも返事を返してくれた。
「俺、怖いんだ…」
キャプテンが今にも泣き出しそうな声で呟いた。
「大丈夫だ、神童。俺が居る」
霧野先輩が落ち着いた声で励ました。
何の根拠があるのか?
否、根拠なんて無い筈だ。
何故そんなに落ち着いているのか?
否、誰も落ち着いてなどいない。
キャプテンは勿論の事、松風、西園、狩屋、浜野先輩、速水先輩…
皆震えていた。
キャプテンを励ましていた霧野先輩だって震えていた。
俺だって不安や恐怖でいっぱいだった。
しかし俺は、フィフスセクターで過酷な訓練をしていたお陰なのか、まだ今は落ち着いていられた。
そう、今は…
本当の恐怖は、此処からだった。
+---+---+---+---+
[ 4/5 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]