ゆで卵パニック
※すごく変態ちっくでやおいなのでご注意下さい><「一氏ユウジくーん」
待合室で待っとったら、看護婦さんにそう呼ばれた。
それに反応して暗鬱な気分で重い腰を上げれば、こんな事になってしもた張本人は涼しい顔で「行ってらっしゃい」なんて一言。
「…着いて来んのか」
「何や、ユウジ先輩1人やと寂しくて行かれへんのですか?」
ちょっとだけ口角を上げてからかうようにそう言いよるから、思わず光を睨む。
……こいつ、反省する気ぃ無いんか。
元はと言えば俺の部屋で寛いどる時に光が盛って来たんが、更に言えばえらい変態なプレイをやって来たんが悪いっちゅうんに…!
そう苛ついてギロリと睨めば、光は涼しい顔で「ナースさん呼んではりますよ」なんちゅうて待合室に置いてあった少年漫画に視線を戻しよった。
「ッそれ位分かっとるわボケェ!!」
あーもうほんまムカつくっ!俺何でこんな奴と付き合っとんねんやろ…!
そう思いながらもケツん中にあるモンの所為で不自然な足取りで診察室に向かう俺を、光が横目で見とるんなんて知る訳もあらへんかった。
*****
「――で、今日はどないしたんかな?」
「…、えっと、」
……取り敢えず病院に行ったはええものの、いざどないしたんかなんて聞かれるとめっちゃ言い辛い…。
やって――ケツん中にゆで卵が入って抜けません、とか、言えへんに決まっとるやん…!
事の始まりはオカンが美味しい卵貰て来たーとか言うて俺の部屋にゆで卵を4個持って来た事。
普通友達(まぁほんまは恋人やねんけど)が来とる息子にゆで卵持って来るか!?とは思ったものの、実際食べたらほんまに美味しかったからそこは置いとく。
問題は食べてる時に光が盛って来よって、ご無沙汰やったから受け入れたら偶には変なプレイやりましょて言うて来た事。
まぁ自分にMっ気あるんは、流石にもう自覚しとるし?
口ではとやかく言いながらも膝を立てて光にケツを差し出す体勢になったら、まさかのゆで卵突っ込まれたんや!ほんま有り得へんし!
既に扱かれて反応しとった中心握り込まれたら手も足も出んくて、挙げ句の果てにはこの有り様や。
「えっと、一氏くん?どうしたんかな?」
現実逃避の如くそんな事を回想しても、実際はこの状況は現実で。
困ったように何度も尋ねてくるお医者さんに、遂に俺は口を開いたんやった。
「…ごが…れなく…りました…」
「え?ごめんやけどもう一回言うて貰ってもええかな?」
「…ゆで卵が、お尻の穴に入って取れんくなりました…」
そう言い切ると共に自然に俯いとった顔をちょっと上げてお医者さんを窺えば、お医者さんも看護婦さんもポカンとした表情を晒しとる。
それが恥ずかしなってまた俯いたら、我に返ったお医者さんがどもりながら聞いて来た。
「…ど、どないしてそんな事になったんかな?」
「…ぇっ、と……」
答えようとするけどどう答えれば良いか分からんくて、俺は開きかけた口を閉じる。
やって方便なんかこの混乱した思考で思いつかへんし、ほんまの事なんて言える訳あらへん。
……あかん…どないしょう、泣きそう…
「1人でそうやっちゃったん?」
更に言い募られて無言で返せば、それを肯定ととったんか嫌な空気が流れ始めるんを感じた。
多分俺、今お医者さんや看護婦さんに自分のケツにゆで卵突っ込む変態やと思われてる…。
本来ケツの穴なんかそんなデカくない(初めて光とヤる事になった時は死ぬかと思った)訳で、日頃から緩めん限りゆで卵なんて入る訳ない。
もうこの気まずい空気に泣きたくなるけど、泣きたなる原因はそれだけちゃう。
軽く涙が淵に溜まって見難い視界に入る自分の股間が、軽く反応しとる事に絶望してまいそうや…。
この変態やと、そう思われて送られとる蔑むような視線。
それが恥ずかしいけど、その視線とこの空気に背筋がゾクゾクするような、そないな気分になっとって、俺は自然と荒なっとる息を小さく吐いた。
そんな微妙な空気のままお医者さんらも気まずいんか言葉を発さんから流れとった静寂を破ったんは、小さく響いたドアをノックする音。
それに看護婦さんが助かったとばかりに「はい」と返せば、聞こえて来たんは光の声やった。
「一氏ユウジの付き添いなんですけど、入っても良いですか?」
「一氏くん、ええかな?」
「あ…はい……」
「どうぞ」
尋ねて来た看護婦さんにそう答えて、入室して来た光は相変わらずの無表情。…に見えるけど、長年付き合って来た俺には分かる。
こいつ、やっぱり楽しんどる…!
そうどこか冷静な自分が考えてはおるものの、実際の俺は興奮して顔も紅潮しとるし縋るように光を見上げとる自信がある。
光は俺の様子と診察室の気まずい雰囲気から察したんか、俺の側まで歩いて来て口を開いたんやった。
*****
あの後、実はこれ罰ゲームとかなんですとか言うて軽い注意を受けて返された俺ら。
…多分俺が言うとったん、本気やってバレとる。
せやからこそ軽い注意で終わったんやろなぁと思っとる間に、近くにあった公衆便所の個室に連れ込まれた。
「先輩、やっぱ変態やったんスね」
「……そ、な…ちゃうし…」
「どこがですか?
お医者さんの冷たい目線だけで興奮して、変態やんか」
「、ッ」
そう責められれば瞳からポロポロ涙が溢れて来て、さっき以上に股間が張り詰めるのが分かる。
そんな俺を見て小さく光は笑って、俺の頬を流れる涙を舐めてから言い放ったんやった。
「そんな先輩は、俺以外と付き合う事なんて無理ッスね」
……そんなん、前々から分かっとるわ。
ゆで卵パニック
……因みにゆで卵は、案外簡単に光の手によって取られた。(最初からそうせぇや!!)
(6/10)
何とか間にあったー!
りっちゃんに捧げます!お誕生日おめでとう!\(^O^)/
しかし…まさかほんとに書く事になるとか思わなかった…。りっちゃんがリクエストなんかして来るから…!←
美奈に変態ちっくなんは無理ですた/(^O^)\
こんなんですが、りっちゃんへの愛はいっぱい詰まってるよ!りっちゃん大好きなんだからね!!←
お誕生日ほんとおめでとう!!
私もう変態ちっくなの書かないよ多分…
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