売り言葉に買い言葉




「ひーかーるー」

 そう言いながらユウジ先輩が俺の首に抱き付いて来た。
 これはユウジ先輩の構って欲しいの合図。そうは分かっとるけど、俺は今作っとった音楽がもぉちょいで完成しそぉでそれどころやない。
 恋人来とる時に音楽作るてどないやねん、て思われそうやけど、しゃあないやん。ええアイデア浮かんだんやし、いつも結構部屋ではお互いバラバラの事しとるんも多いし。

「何すか。」

 せやかったから抱きついて来たユウジ先輩に会話だけで対応する。
 そしたら顔も上げんかったんが不満なんか、ユウジ先輩は抱きつく力を強めた。

「ヤりたい。えっちしよー?」

「最近毎日ヤってるやないですか。」

「やってシたいねんもん。」

「ほなヤりますから、ちょっと待って下さい。今ええとこなんで。」

「…………。」

 そうあしらって、パソコンに意識を集中させる。
 ユウジ先輩は無言なって抱きついとった手を外したけど、俺はそれを気にかけはせんかった。

 ら。


「ッ!? ちょ、ユウジ先輩いきなり何するんすか。」

「光は気にせんとパソコンやっといてええでー。」

 そないな事言われても、いきなりズボン越しにチンコを揉まれてパソコンに集中出来る訳ないやんか。

 ユウジ先輩はやわやわと絶妙な手付きで俺の股間を揉みくだしながら、手ぇの止まった俺の耳元でエロい事する時みたいな蠱惑的な声でどないしたん?なんて聞いて来た。

「光、手ぇ止まってんで?パソコン早よやりぃや。」

「ッ、それやったら、手ぇ離して下さいよ。」

「いーや。」

 光が構ってくれへんのが悪い、なんちゅうてからユウジ先輩は俺の首筋に唇を落とす。
 それに思わずビクリと肩を揺らしもうて、その拍子に間違えてデリートのボタンを押してしもた。


「あ…。」

「あーあ。データ消えてしもた。」

 楽しそうにそう言うたユウジ先輩に、若干イラッとして無意識に低なった声で問う。

「…誰の所為や思とるんですか。」

「そら、構ってくれへん光やろ。」


 確かに恋人が居んのにパソコンやっとったんも、デリート押してしもたんも自分や。
 せやけど楽しそうなユウジ先輩にムカついて、俺は自分なりの満面の笑みでユウジ先輩の方を向いた。

「……分かりました。
 せやったら、ユウジ先輩が嫌なる位構ったりますわ。」

「はは、やれるもんならやってみぃ。」

 そう答えたユウジ先輩を、立ち上がって激しいキスをしてから傍にあったベッドに押し倒したんやった。



売り言葉に買い言葉



「なーあー、光ぅー。あともっかいやろぉやぁー。」

「ホンマ勘弁して下さい…もう体力限界ッスわ…。」

「嫌なる位構ってくれる言うた癖にー。」


 そうユウジ先輩に不満を言われながら、俺は内心で決意したんやった。


………もうちょっと、体力増やそ…。




(10/02/27)
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 ビッチユウジと体力無い財前くんが書いてみたかったんすが、何か失敗した!/(^O^)\
 財前がヘタレ気味だ(笑







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