勘違い?



ペアプリ3巻ネタ入ってます。



「光!この親不幸モンがー!」

「は?」

 そう言うて引退した筈のユウジ先輩が部室に乗り込んで来た。(今日部活無いのに何で此処に居るって分かったんやろ)
 取り敢えず何なんすか、て聞いたら、開けて持ってここまで来たらしい月刊プロテニスのあるページを俺に見せて、ユウジ先輩は怒鳴る。(先輩声デカいねんから、もうちょい離れてや。五月蝿い。)(こない近いとドキドキしてまうやんか。)


「これや、これ!ジブン四天宝寺に入学したないに投票したやろ!」

 そう言うて見せて来はったんは、四天宝寺か氷帝、どっちに入学したいかっちゅうアンケートやった。
 ああ、そう言えば前にそんなん答えさせられたなぁ。

 どうやらユウジ先輩は勘違いしとるらしい。

 このユウジ先輩の勢いに反論すんのは正味めんどかったけど、勘違いされたままなんも嫌やから率直にユウジ先輩の勘違いを否定する言葉を吐いた。


「…俺、四天宝寺に投票しましたけど。」

「え、嘘っ!」

「わざわざ嘘吐く訳無いでしょ。ユウジ先輩勘違い鬱陶しいんでやめて下さい。」

「ぐっ、ほんまお前は可愛ないやっちゃな…!
 せやけど今回は俺が悪いわ、決め付けて堪忍な。」

 今まで信じて疑わんかった事項を否定されて申し訳無く思っとんのか、ユウジ先輩を眉を垂らして謝る。

「分かってくれたんならええっすわぁ。」

「せやけど意外やわぁ。ジブン、四天宝寺うちのノリ苦手やて思っとったさかい。
 光にも愛校心っちゅうモンがあってんなぁ!」

「…………。」

(……四天宝寺を、選ばん訳無いやんか。)


 やってもしこの中学入っとらんかったら、あんたに出会っとらんかった。

――あんたを好きに、なっとらんかった。


「いや、家から近いからこっち選んだだけなんすけどね。」

「そんな理由かいな!」

 アンケートに答えた時にも使った建て前の理由を述べれば、ユウジ先輩は吉本よろしくベタにこける真似をする。



「――それに、ユウジ先輩に出会えとりませんでしたらから。」

 そないなユウジ先輩を見とったら言うつもりの無かった本心を無意識に答えてしまっとって、気付いて後悔した時には既に目の前のユウジ先輩が吃驚して目ぇかっ開いとった。


「い、いきなり何やねん!」


(……失言したなぁ。)

 いきなりそないな事言うたら、ユウジ先輩ドン引きするに決まっとる。(逆に軽く流されても悲しいし、言うんやなかった…。)

 そう後悔したけど何でか目の前のユウジ先輩は顔を真っ赤に染めとって、少しどもりつつも叫んで、俺のリアクションを気にする事無く部室から出て行った。


――おっ、俺も!光と出会えて良かったと思てんでっ!


「…何で照れとんねん。」

 ユウジ先輩、顔真っ赤にし過ぎやろ。めっちゃ可愛いやんか。


「勘違いしてもええんかな…。」


 伝えるつもりのあらへんかった胸に抱えた2文字の言葉。
 それを口に出して言うてみよかな、なんて思った。



勘違い?
(あ"ーっ、言うてしもた言うてしもた言うてしもた!光に、キモいて思われたらどないしょ!バレてへんやんな!?)(…せやけどこんなんいきなり言われたら、ユウジ先輩めっちゃ吃驚しそう。)
(俺が光のこと)(俺がユウジ先輩のこと)
((好き、やなんて。))


(1/30)

 途中まで書いて放置してた会話文に肉付けしてみた。見事にぐだぐだ\(^O^)/
 財ユウは可愛いなぁ…






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -