気付いて下さいよ。



 俺は自分で言うんも難やけどさ、ツンデレってやつやねん。それに付属して口下手っちゅーか、どうしても思った通りに言えへん。せやから生意気な口ばっか叩いてまうだけやねん。ユウジ先輩、あんた物真似の為によぉ人の事観察してんねんから、それ位気付いて下さいよ。俺のいっつも言うてるキモいとかウザいとか、あれ、照れ隠しなんすわ。小春先輩の居る時のあんたらに言うんも、嫉妬。それ位気付け阿呆。

 そんな言葉の羅列を脳内で思い浮かべながらも、当たり前やけどポーカーフェイスを貫き通す。
 やって俺は浪速のポーカーフェイスファイターやし、ってんな訳無いけどな。あ、これ口に出したらユウジ先輩突っ込み入れてくれるかな。あの人、突っ込みん時ごっつうっさくてそれだけは嫌やねんけど。せやけど自分から普通にユウジ先輩に絡めへんから、話し掛けて欲しい。

 そう思ってもその気持ちはやっぱ口にも顔にも出せへん。せやからユウジ先輩は俺の視線なんかに気付く筈も無く小春先輩のケツ追っかけてる。

 ユウジ先輩何で小春先輩なんかの事好きなんやろ。いや、別に嫌いちゃうけど。あの人は何だかんだ言うて常識人やし。あの作ってるオカマキャラで絡んで来んのとユウジ先輩とイチャイチャすんの以外の点やったら嫌いちゃうねん。
 小春先輩はノーマルやし、報われんて分かっとらんのかな、あの人。それとも気付きたないから気付かん振りしてんのかも、ってそうなんかも。振られても俺が小春先輩の事忘れる位愛したんのになぁ、ユウジ先輩早よ気付けや。俺ユウジ先輩の彼氏になる為に毎日牛乳飲んでんねんで、あと髪立ててパッと見ぃ俺のが背ぇ高なる様気ぃつけとるし。

 あ、ユウジ先輩小春先輩に振られた。暑苦しいて言われてるやん。まぁ初夏言うてもこない暑い日に引っ付かれたら暑苦しいわな、しゃーないっすわぁ。ユウジ先輩のこはるぅーて言い方に萌える。そんな感じでひかるぅーて涙目でおねだりなんかされたら…うわ、それ反則やわ。やばい、可愛過ぎる。言うてくれへんかなー、ユウジ先輩。っちゅーか首筋の汗が垂れてんのがむっちゃそそんねんけど。暑いからか顔も赤いし、つか暑いんやったら小春先輩にくっつかんかったらええのに。寧ろ俺に抱きついたらええのに。俺平熱低いからくっついても大丈夫っすよ、ユウジ先輩。俺に抱きつきませんか。

 ぱちり。ずっと見つめてたらユウジ先輩がこっち向いた。ほんで目つき悪めの目ぇで睨んで来はる。あ、上目遣いなってるやん、ごっつ可愛え。

「さっきから何見とんねん、光。」

「別に。ユウジ先輩暑苦しいなぁて思っただけっすわー。」

「何やとー!」

 俺の言葉にムキーッと地団駄を踏みながら怒る先輩。いや、せやからさっきから言うてますやん、テレパシーで。俺、ツンデレで口下手やねんて。せやから早よ、



気付いて下さいよ。
(まぁそんな鈍感な先輩も好きですけどね。)



(12/9)



 ユウジ先輩が好き過ぎて頭おかしい財前が好きです。(…)
 書きたい通りに書けない…あばば。






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