揺蕩う人魚 1
side:紫之創

「ごめん、今のところもう1回いいか?上手くステップ踏めなくて」
「大丈夫ですよ。新曲、アップテンポなリズムだからダンスが難しいですよね…」
「やっぱ事務所に所属するとレベル上がるな〜」
「今のところはえーと、体重を乗せるところ…重心?がぶれないようにするといいんだぜ」
一面鏡張りの部屋で新曲のレッスンをしていたRa*bits。高校2年に進級し、ローシュタイン・プロダクションに正式に所属した彼らは、放課後はいつも事務所に通いつめていた。オフィスは大きくはないが、いつも予約がいっぱいの学院と違って比較的自由にレッスンルームを貸してもらえるからだ。
今まではあくまで夢ノ咲学院のスクールアイドルでしか無かったRa*bitsだが、事務所に所属したことで正式にデビューする目処が立った。今はデビュー曲の練習中だ。

「は、創くんいますか!?」
突然扉が勢いよく開いて、顔を突き合わせてアドバイスし合う3人の元にマネージャーが飛び込んできた。息が上がって随分慌てているように見える。彼女は事務所に所属している新人マネージャーで、いつも一生懸命にRa*bitsの営業をしてくれるひとだ、
名指しされた紫之創は不安になって控えめに聞いた。
「ど、どうかしましたか…?」
「ああ、創くん!ああ!お、落ち着いて聞いて!」
誰よりも落ち着きのないマネージャーが頭を掻き毟ったりうろうろしたりしながら叫ぶ。
「大きなチャンスが来たんです!創くんに会いたいって指名があって…横峯監督から!快挙です!上手くいけばCMに出られるかも!」
「CM!?」
「凄いんだぜ、創ちゃん!」
「横峯監督……って、なんかで聞いたことある気がする」
「知らないんですか!?」
マネージャーが目を向いて捲し立てる。
「横峯監督は今最も勢いのあるCMディレクターの1人で、今放映されてるRe:valeのショコラのCMを手掛けた方です。それに名前様のMVも何本も撮られてるんですよ」
「ショコラ?甘く刺激的な愛ってやつの?その人のCMに創が?す、すごいじゃないですか!?」
「すごいんです!」

盛り上がる周囲に置いていかれた創が戸惑い気味に沈着させる。
「え、えっと、そんなすごい方の作品にどうして僕が…?それに指名って…?」
「そ、そうですよね。すみません、興奮して……」
少し赤くなってマネージャーは気を取り直して経緯を説明する。

「実は横峯監督が新しいCMを手掛けるそうなんです。クライアントは大手企業のクレインさんでかなり資金提供を受けてるとか。そ、それでモチーフが美しさや愛らしさらしくて、創くんは去年の夏に飲料水のCMをしてるでしょう?その時のスタイリストさんが創くんを推してくださったみたいで、写真とCMを見てぜひ会ってみたいと……!」
「スタイリストさんが…!」
去年の撮影は本当に楽しくて、桃李とも仲良くなれた思い出深い現場だった。ほぼ1年経つのに創のことを覚えていてくれて、しかも監督に推してくれたというのが嬉しくて、胸の中がぽかぽかする心地になる。
「まだお会いしたいってだけで何も決まってるわけじゃないけど、これは大きなチャンスです。創くんはどうしたいですか?」
「ぼくなんかじゃ不安ですけど、でもせっかくお声がけいただいたので、お、お会いしてみたいです」
もしCMに出れたら地上波に顔を売ることが出来るからデビュー前の宣伝として大きな効果を見込める。出れなくてもそれほど有名な監督と繋ぎができるのは大きなメリットだと思った。

横峯監督とお会いする日程は2日後になった。
ドキドキして創はそわそわした。会いたいというのはどういう意味なんだろうか。オーディションのような意味合いを持っているだろうから、緊張して落ち着かなくて、2日間横峯監督のCMや、株式会社クレインのことを調べてみたが、調べるほどに新人の創には釣り合わないように思えた。

2日後はすぐにやってきた。
アポイントの時間は10時だったが9時半前にはオフィス入り出来るようにかなり早くから事務所を出発する。運転するマネージャーの横顔が創と同じくらい固くて、少しだけ笑ってしまう。
強ばっていた肩が緩む。
創とおんなじ気持ちで望んでくれるマネージャーのためにも頑張りたい。

「ローシュタイン・プロダクションの紫之様ですね。第3会議室にご案内いたします」
近付く度に緊張して指先が震える。

「し、失礼します」
「よく来たね」
会議室では壮年の男性と数人の男性が座って創を迎え入れた。
壮年の男性は数瞬創のことを眺めて、片手を差し出した。頭が真っ白でなんの手か分からなくて、マネージャーにつつかれて慌てて彼の手を握る。
「ロープロの紫之創です!こ、今回はお会いできてうれしいです」
「僕はCMディレクターをしてる横峯です。君のCMを見たよ。フレッシュで可愛らしくて、今回のモチーフにピッタリだ」
好意的な言葉に顔を上げる。
期待に瞳を輝かせる創に横峯は頷いた。
「実際の君の持つ雰囲気で決めたよ。僕と一緒に良いCMを作り上げよう」
「ありがとうございます……!」
創は腰を直角に折り曲げて頭を下げた。後ろでマネージャーの悲鳴を押し殺したようなか細い息が聞こえる。

こんなにトントンと仕事が決まるのは初めてで戸惑いがあったが、心臓が口から出そうなくらい脈打って顔が熱かった。

「11時から打ち合わせがあるのでそれに参加してもらっていいかな?この階の奥には休憩室や自販機があるし、自由に寛いでもらってかまわないから」
「打ち合わせ!?」
横峯監督と男性たちが会議室を出ていく。創とマネージャーは顔を見合わせた。
「…………」

「「やっ……たあ……!」」
2人は小さな歓声を上げた。
創は嬉しくて自分の体を抱き締めて、マネージャーは飛び上がって喜びをあらわにした。
「早く2人にも教えてあげて!ああ、社長にも報告しなきゃ…!」
「は、はい」

友也に電話をかけると1コールですぐに声が聞こえた。
「創!?どうだった?」
「う、受かりました!ぼく、CMに出れることになったみたいです…夢みたいですけど」
「マジで!?おめでとう!光!創受かったって!」
「うわあっ、おめでとう創ちゃん!」
「ありがとうございます、2人とも……!」
「頑張れよ、創。横峯監督の作品俺も調べてみたけど、出演者はみんな売れてるんだ。創が有名になるすっごい大きなきっかけになる」
「TVで創ちゃんを見れるの楽しみにしてるんだぜ!ね、友ちゃん」
「当然!」
「えへへっ、緊張してたんですけどやる気が湧いてきちゃいました。僕、たっくさんがんばりますね」
どき、どき。心臓が高鳴っている。
今更実感が湧いてきて創はふう……と大きく息をついた。Ra*bitsのためにもぜったい成功させたい。そう強く思う。


*

10時半頃になると人がどんどん会議室に集まってきた。紫之創とマネージャーは壁の方で萎縮して佇む。
見たことがある人も何人いて挨拶に向かうとみんな祝福してくれて嬉しかった。
「あっ!美里さん!」
「あら、紫之ちゃん、久しぶりね!元気だった?」
「はい、あの、監督に僕を…」
「そうなの!可愛くて応援したくなる愛らしさを持つ子を探してるって聞いたからピッタリだと思ってね。ここにいるってことは……?」
「はい!横峯監督には一緒にCMを作ろうっておっしゃっていただきました」
「やったじゃない。また一緒に仕事できるのね」
「全部美里さんのおかげです!ありがとうございます、本当に」
「いいのよ、前の現場楽しかったしね」
美里さんは幻想的で可愛いスタイリングが得意なスタイリストで、女性アイドルをメインに活動している。彼女によると、姫宮桃李ももちろん推したらしいが、今回のモチーフに合う雰囲気を持つのは紫之創だったらしい。
幸運だったし、ありがたいことだ。

「おはようございます。本日はよろしくお願いします」
また新たに人が入ってきた。今までの人たちとは違い、圧倒的に華やかなオーラを纏っている。淡桃色の髪に甘いマスク、柔らかい笑みを浮かべているけれど、どこか凛々しさを感じさせる。
人がわらわらと集まって彼を取り囲んだ。
「うそ、九条天だわ…」
「なんでTRIGGERがここに……」
美里は呆然と呟き、マネージャーが泡を吹いた。ビッグネームの登場に頭が追いつかず目眩がするようだ。
「私彼のところにちょっと行ってくるわね。彼に会うのは初めてなの」
マネージャーも慌てて創に言った。
「私達も行きましょう。おそらく彼がメインでしょうから。トップアイドルと共演なんてこんなに光栄なことありません!」
「は、はい」

創が近付くと彼を取り囲んでいたスタッフさんたちは自然と場所をあけてくれた。映像の仕事では、矢面に立つ演者が何よりも優先される。
「初めまして、今回出演させていただくことになりました、Ra*bitsの紫之創です」
創が頭を下げる横で、マネージャーも九条天のマネージャーらしき人と名刺を交換しあっている。
「TRIGGERの九条天です。良いCMにしましょうね」
声音が柔らかい。トップアイドルにしては親しみやすく暖かくて紫之創はほっと肩を撫で下ろした。
控えめに2人が雑談していると、さらに扉が開く。

「おっ、おはようございます!天崎事務所のyoriと申します!し、CMに出演するのは初めてですが、精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願いします!ほら、あんたも!」
「よろしくお願いします…」
部屋中に響き渡る大声に視線が集結する。扉の前に完璧なお辞儀をする女性と、むりやり頭を下げさせられている真っ赤な髪の女性がいた。
赤い瞳のカラコンに濃いアイラインが映えるキツい顔立ちの美人だ。何となく気だるげな雰囲気が漂っている。先ほどの挨拶をした元気な女性はマネージャーのようだった。
yoriという女性を創は知らなかったが、マネージャーは知っていたようだ。メジャーデビュー3年目のロックバンドのメインボーカルらしい。
元気な女性に引っ張られて、yoriも九条天の元へ挨拶へやってくる。彼女も共演者だろうか。

人が落ち着いた頃、また人があらわれた。
その人が入ってきた瞬間誰もが声を出すのを辞めて息を飲んで、部屋に静寂が訪れた。
「おはようございます」
「……おはようございます」
一泊遅れた天の声を皮切りに口々に挨拶が飛び交う。
あっという間に彼女は取り囲まれたが、彼女は軽くあしらって椅子に腰かけた。

「えっ、名前様……!?」
マネージャーは目を見開き、紫之創も息を飲んでいた。

名前様。
ファンからそう呼ばれている伝説的なトップアイドル。活動は多岐に渡り、メディアで彼女を見ない日はない。アイドルというよりアーティストと言った方が相応しいかもしれない。
女性アイドル界に君臨するクイーン。それが名前だ。誰も彼もが彼女を愛し、崇拝し、夢中になる。
そんな雲の上の名前は、Ra*bitsと同じローシュタイン・プロダクションに所属していた。
しかし、言葉を交わしたことはほぼない。

「名前様に九条天…出演料が半端な額じゃない……それだけ今回は大きな仕事になる……」



打ち合わせが始まった。
今回のCMはカメラとパソコンがメインだ。クレインはIT関係に力を入れている企業で、今回の商品は撮った写真をデータ連動するカメラとパソコンをセットで売り出したいらしい。
普通だと高価なものだから年齢層は高くなってしまうが、今回はメインターゲットは若者らしい。カメラブーム、進むインターネット化にフィーチャリングしている。
CMは普通ならば約半年間の契約で流れるが、今回は特例だ。
4人をそれぞれソロで3ヶ月ずつメインにして1年を通して放映するらしい。春夏秋冬をテーマに、キャッチコピーは「一瞬を見逃さない」。
特例を重ね、タイアップ企画も予定されている巨大プロジェクトだ。

紫之創は死にそうだった。
あまりに、あまりに場違いである。
芸能界は2年目だし、そもそもRa*bitsはまだメジャーデビューを果たしていない。
クレインと言えば世界にまたをかけたグローバルな大手企業であり、そんな企業が力を入れたい商品の売り上げは紫之創の肩にかかってくる……。

CM放映は夏からを予定しているらしい。春に九条天、夏に紫之創、秋にyori、冬に名前。
つまりCMの1番手は紫之創であり、話題になるかどうかも紫之にかかってくる。

具合が悪くなって口元を手で抑える創の背中をマネージャーが必死にさすっているが、そのマネージャーも同じような顔色をしていた。
嫌な汗が全身から吹き出してくる。

「大丈夫ですか?」
会議の後、見かねたのか横峯監督と九条天が紫之創に声をかけた。
「だっ、大丈夫です…」
「申し訳ございません、必ず、必ずやり遂げてみせますから!」
マネージャーが顔面を蒼白にしてペコペコ頭を下げる。横峯監督が苦笑して肩を叩いた。
「そんなに萎縮しないで。僕は妥協しないし君にも難題を突きつけるけど、必ずいい作品を作り上げるし、そのために君が必要だと思ってる。君は責任とか難しいことなんか考えないで、ただ頑張ろうって気持ちだけあればいいよ。みんなで作るんだから責任も、利益も、みんなのものだ」
「は、はい…」
「相変わらずさわやかに厳しいひとですね」
呆れ気味に天が言った。
「紫之さん、CMは緊張も大きいけどやり甲斐がありますよ。僕もいますからあんまり気負わないでくださいね」
「ありがとうございます、九条さん……」
さすが1年目でブラホワを受賞したトップアイドルなだけあって、九条天の安心感と言ったらなかったが、創の心はなかなか浮上してくれない。
帰りの車では創もマネージャーも喋らなかった。


撮影は1週間後に始まった。
ソロで夏用の写真の撮影に入る前に、対外的な4人での集合写真を撮ることになっていた。制作会社のスタジオまで創は名前と一緒に向かうことになってしまった。
「……」
「……」
創は隣に座る名前をそっと盗み見た。口元に微笑みが浮かんでいる。芸術品のように繊細で、キメ細かな肌が美しい。
挨拶を交わした以外特に会話をすることも無く、かと言って重苦しくもない距離感に創はどのようにすれば正しいのか分からなくなって、無性に落ち着かなくなる。
光くんならきっと、名前様とだって物怖じせずにお話出来るんでしょうね。
創は眉を下げ、心の中でそっと呟いた。

スタジオは大きくて少し圧倒された。CMの出演は2回目で、以前は海でのロケだったし、あまり大きな映像の仕事はしたことがなかったのでいくつものスタジオを抱えるオフィスは少し、いやかなり、緊張する。
名前はスタスタと何も気にした様子もなく進み、すれ違うほぼ全ての人に挨拶をされているので、創は憧れの視線で見上げた。必然的に一緒にいる創も声をかけてもらえるので、マネージャーとふたりしてぺこぺこする。
新人は頭を下げてなんぼだ。

「おはようございます」
「おはようございます!きっ…今日はぜひよろしくお願いしますっ」
「ローネルの池田です、本日はよろしくお願いします」
制作会社の方に迎えられ、マネージャーが名刺を交わし合う。

「メインの名前さんと紫之創さんが到着です」
「おはようございます」
「おはようございます!」
スタジオ入りするともう既にかなりの人が現場に入っていた。スタッフさんたちが立ち止まって創たちに向かって拍手し、どぎまぎして俯きそうになるのを堪えてお辞儀をする。
映像制作をする時、メインはかなり丁寧な扱いをされることは炭酸飲料のCMの時体験したけれど、全く慣れなかった。創は経験も実力も全く足りないからだ。
「おはようございます〜!紫之さんのメイクは私が担当させていただきますね」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
元気でオシャレな女の人に連れられて控え室ヘ向かう。
扉を閉めていても人がばたばたと慌ただしく動き回る音が響いていた。
「す、すみません、ぼくいちばん新人なのに…みなさんすごく忙しそうで」
「ふふっ、気にしなくていいんですよ」
初々しさにヘアメイクの女性は笑いを零した。
「紫之さん、まだお顔が硬いですよ。いちばんのメイクは明るい気持ちや笑顔だと思うんです。撮影をめいっぱい楽しんで行きましょーよ!ね!」
紫之の髪の毛を緩やかに編み込みながらニッコリ笑う。釣られて紫之も僅かに笑った。
「あっ、そうそう!今の感じです」
ヘアメイクさんは淀みなく手を動かして、紫之の顔にクリームを塗りたくっていく。普段何もいじらない顔がどんどんハッキリして、血色が良くなって、目元がハッキリしていく。劇的に顔立ちが変わるわけじゃないのに、でもやっぱりとっても映える顔になる。メイクは魔法みたいだ。
紫之の気分が上昇してきた。
「紫之さんはアイドルなんですよね?」
「はい、Ra*bitsという名前で活動しています」
「へえ、曲さがしてみますね」
「あ、えっと…インターネットで販売はしていなくて…。夢ノ咲学院のホームページからなら視聴は出来るんですけど」
「えっそうなんですか?」
「はい、まだデビューしていなくて」
「えっ?」
女性は思わず手を止めた。マジマジと紫之を眺めてからまた化粧を施していく。
「それじゃほんとに今回は幸運でしたね。こんな規模のCMに関われるの、大手のプロダクションでも難しいですから」
「ほ、本当に幸運だったと思います…」

横峯監督はオーディションを開かないことで有名だ。自身のインスピレーションを殊更に大切にしているから。
普通のCMみたいに制作会社や広告代理店から芸能事務所に話を回されたんじゃ、弱小ユニットのRa*bitsなんて話に上がることも、チャンスをもらえることもない。芸能界は人脈というのが本当に大切だと言うのを今回のことでとても分かった。

「じゃ、次はスタイリングね」
メイクが終わったのを見計らってイキイキとした美里が乗り込んできた。
「今回はすごいわ、今ティーンに絶大な人気を誇るアパレルブランドが衣装提供してるの。繊細で華麗なレースとフリル…本当に素晴らしいのよ」
スタイリング中の彼女は饒舌だ。ずっと何かしら喋っている。
口を挟む暇がとてもないけれど、創はそれを見ることや聞くことは嫌いじゃなかった。好きだ!とか楽しい!とかそういう気持ちがストレートに伝わって来て創まで嬉しい気持ちを分けてもらえる。

白をベースに淡いグリーンやスカイブルー、パステルパープルのシフォンが揺れ、キラキラと7色に光るビジューが散りばめられた衣装に身を包んだ創は、さながら妖精のようだった。
たなびくレースが歩く度ふわふわゆらゆら揺れる。三つ編みも同じ生地のリボンが靡き、視線を奪う。愛らしさの頂点。
横峯監督は満足そうに頷いた。


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