「ん、ぁ……っ」

「は………、きもちい……」

ゆすゆすと軽く揺さぶられながら腰を押し付けられ、敏感な場所を前後に摩擦されるたびにぞわりと快感が走り抜ける。やがて遥のものも等しく擦れ合い、滑りをまとってぬちぬちとくぐもった音を奏でる。確かな質量を嫌と言うほど感じ、隠された後孔が徐々にひくついていく。

「はる、か……、はぁ、遥も気持ちいい? 」

帰省でお預けをくっていた体が、中心からトロトロと溶けてしまいそうな感覚。きつく閉じた腿と中心をたっぷりとなぶられ、湊側に腰を突き出した体勢で遥は口を覆う。

「声、出していいのに。ほら、ここももっかい、ね」

「んっ、んぅう……」

抱き寄せていた手がインナーに潜り込み、じんじんと腫れていた乳首をまさぐる。ぷくりと固くなった凝りをほぐすように指先で捏ねられ、切羽詰まった声が漏れてしまう。こりこりと弄ばれながら腰を幾度も叩きつけられて、遥は涙目で懇願を口にした。

「も……っ、やめろ……!」

「ん…? もしかしてイきそう?」

糸を引くほど蜜にまみれた遥のものが、ぶるぶると絶え間なく震えている。湊は小さく微笑み、今にも弾けてしまいそうな芯をひと撫でしてから、汗ばむ体を愛おしげに抱き締めた。

「かわいい。俺もあんまり待てないから、ほぐしていいよね?」

うつ伏せの遥にやや乗り上げるような形で、なめらかな尻をさわさわと撫でる。こたつの幕板にがつがつと背骨が当たり、この狭さがいいんだよなぁともはや感慨すら覚えつつ、濡れた指を優しく沿わせた。

「んっ……」

先程の触れ合いで全体的に濡れており、くるくると縁にも滑りを塗り込め、ゆっくり押し込んでいく。うまく力が抜けているのか、思ったよりも内部は柔らかい。万一にも傷つくことのないよう、中指で粘膜を掻き分け、奥まで含ませる。誘うように真っ赤なうなじに吸い付けば、敷いた体がビクッと身じろぐ。

「ここ、ずっとほっといたから寂しかった?」

「そ、なわけない……っん、ぅあっ」

勝手知ったる指がぐりりと弱点を押し上げる。本数を増やされ、隘路をばらばらに拡張されて跳ねる体躯。刺激に応じて艶かしく捩られる肌にかじりついてしまいたい。

「ここも熱いな。すごい、物欲しそうに絡み付いてくる」

「! や、め……っ、んむっ、ふ………っ」

口付けられない代わりにと、遥の口腔をくちゅくちゅと指が掻き回す。同じく指を咥えた別の場所がきゅんとうねり、執拗な愛撫に下肢が潤んでしまう。滴るほど濡れそぼったものは熱をいっぱいに溜め込み、解放を待ちわびていた。

「舌絡めてごらん。俺の舐めるみたいに、ね?」

「っ………、ん、…」

唾液に濡れた指を突き出してねだれば、遥は眉間に皺を寄せながらも指を食んでくれる。はむはむと唇で可愛らしく咥えた後、舌先でつーっと爪までなぞって。手慰みの道具としておしゃぶりのようにぺろぺろと舐める様はえらく腰に響く。
若干急いた様子でひくつく後孔から指を引き抜けば、すっかり綻びたそこがきゅうと収縮した。遥の片足を持ち上げて先端を宛がうと、質量を期待して吸い付いてくる。

「ゆっくりのほうがいい? 早くしたほうがいい?」

ぐりぐりと入口に押し付けて尋ねる。僅かにこちらを振り返った遥は不快そうに眉をひそめた。瞳は熱に浮かされたように溶けているのに。

「勝手に、しろ」

どこまでも生意気な返事が一周回ってかわいらしい。湊は苦笑をこぼす。

「じゃあ早くする」

「っ、あ、待っ………」

狭い場所を抉じ開けるべく、少しの勢いをつけて、張りつめたものを密着させた。びくりと跳ねる腰を己の体重で押さえ込み、水音をかき鳴らして奥を目指す。あ、あ、と漏れるひときわ高い嬌声にすら興奮を覚えた。擦れる粘膜のひとつひとつが震え、やっと与えられた熱にぎちぎちと食いついてくる。

「は………、やば、ちょっと緩めて…」

「う、るさぃ……っ」

「遥がぎゅうぎゅうしてくるんだってば。あーもーいいよ、入れちゃうもん」

「ふざ、けっ……ぁっ、んぁっ……!」

嵩張る先端が抜けたのをいいことに、腰を進めて残りをずぶずぶと押し込める。摩擦に弱い粘膜を幾度も擦られ、内部がきゅうきゅうと痙攣し始めた。指で解している時から既に我慢の限界に達していたのだろう。湊のものを揉みくちゃにすべく蠕動が激しくなる。

「う……、いいよ、イっても。また気持ちよくしてあげるから」

「や、うごく、なっ、ぁ、あぁっ」

熱と分泌液でトロトロの内壁を優しく突いてやれば、締め付けがいっそう強まっていく。

「いいこ。ここね、ここ」

「ぃや、だっ、それ……っ、あ、あぁぁっ」

渾然一体となった体内で、ぬぷぬぷと自身を扱くように湊は前後する。特に弱い箇所を狙って押し上げられ、遥は呆気なく絶頂を迎えた。精を搾り取らんばかりに狭まる内壁。湊は苦悶の表情で耐え抜く。

「ぅ、く………、あつ……」

額に浮かぶ汗を拭い、いったん自身を抜いて息を吐き出す。遥の体を脇に寄せてこたつを這い出れば、程々の室温に体がクールダウンしていく。荒く呼吸を繰り返す遥の手を引いて、全身真っ赤になった恋人も何とか引き上げる。

「さすがに暑かったな。うわ、遥のが熱いかも。茹だったみたいにほこほこしてる」

座椅子に腰掛けた湊は腿の上に遥を乗せ、正面から抱き締めるなり目を瞠った。どこもかしこも赤く火照った肌は、普段の白さと比べると痛々しいほどだ。
天板にあったミネラルウォーターのボトルはこたつ掛けに沿って滑落していた。あれだけガタガタやっていれば当然か。キャップを外し、ごくごくと喉を潤して、水を含んだまま口づける。

「んぅ……」

一度達したせいか、程よく理性が飛んでいるらしい。腕を回して抱きつき、甘えるように唇を擦り合わせてくる。ごくんと喉が上下するのを指で触れながら、湊は少しずつ水を流し込んだ。ちゅう、とかわいらしいリップノイズが再び鼓動を高める。

「涼しくなったけど、もっかい暑くしていい?」

いきり立ったままの中心で桃色の尻を撫でれば、むぅ、と遥は恥じらいの表情を残しつつも腰を浮かせてくれた。未だひくひくと震える蕾に先端を押し付け、ウエストを支えながらゆっくりと沈み込ませる。

「んぁ、あ……っ」

質量に慣れた粘膜は引きつれることなく、潤沢な滑りをそのままに柔らかく受け止める。自重があるため先程よりも深く埋まり、遥の尻がトンと腿に着地した。すがるように頭部を抱き寄せられ、浅い息遣いが耳元で欲を煽り立てる。

「ぁっ、ばか………」

体内でむくりと大きさを増したものに苦言を呈されるも、湊は既に遥の腰を掴んでいた。

「ん、あぁ! あっ、すこしは、ゆっくり……っ」

余韻に浸ることなくゆるゆると律動を送り込まれ、遥はきつくしがみついて堪える他ない。


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