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 その日は天気のいい日だった。
 休日。学校は休みで、友人とも特に約束はしておらず、出かける用事もない。完全に暇を持て余しており、どうせなら部屋の掃除でもしようと思い立った。
 袖を捲り上げ、雑巾を用意し、自室の前に立つ。やるならば徹底的にやりたいので、まずは部屋にあるものを外に出すところから始めた。廊下にはモノが溢れかえったが、まあ角部屋なので許して欲しい。ちゃんと今日中に片付けます。
 あらかた出し終えてから、要るものと要らないものに分けていく。少々迷うものも多々あるが、迷った時点で要らないので捨てた方がいい、とテレビか何かでやっていた気がするので思い切ってゴミ袋に突っ込んでいった。まあ埃被っている時点で大分使っていないし。
 小物類を終えたら今度は本棚だ。小説も漫画も同じくらい読むので、本棚には本が乱雑に詰め込まれている。とりあえず買って読んだものは本棚に収納していくのだが、結構前に買ってもう全く読まなくなった本などもあるので、そういったものは古本屋にでも持っていこうと除外していく。小学生向けの連載雑誌を買っていた頃の本まであるのだ。どれほど片付けていないのかが丸分かりである。
 巻数順に揃えて置いていくが、巻数の影響でピッタリ入れるのにとても悩む。久しぶりに触れる漫画は開きたくなるが、読み始めるとハマってしまうので自重しなければいけない。
 そうして漫画や小説も片付け終え、次。

「あー……」

 つい、一冊の本を手に取った。漫画や小説よりも分厚く重い、卒業アルバムである。小学校、中学校、高校と三冊あるそのアルバムは、当然ながら上の部分が埃を被っていて、ふっと息を吐いてその埃を吹き飛ばした。

「懐かしい」

 捲っていくと今でも会っている友人たちの写真が映し出されていて、現在の風貌とまるで違う者も居れば全く変わっていない者も居て、ついつい笑みを零しながら捲くっていく。
 小学校のアルバムを見終え、中学校も終わり、高校のアルバムを開いた瞬間、はらりと何かが落ちた。見てみると、それは写真だった。自分と友人たちが、笑いながら映っている。

「高校、か……」

 思えば小学生よりも中学生よりも、高校生の時が一番楽しかった気がする。勉強に部活にバイトに――恋に。
 色々なことがあったけれど、そのどれもがいい思い出だ。
 掃除を一時中断し、拾い上げた写真と卒業アルバムを見ながら、楽しかった日々をそっと思い出してみた。
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