▼2/2
【沖斎】酔っ払っているのは見ていてわかる。でも、一升瓶を片手に皆に注いで回る一君に、少しイラついた。飲め、と勧めて回り、満足気に口元を緩ませる。一揆に煽ったお酒が喉を熱くする。「一君の席はここ」腕を引いて座らせたのは、膝の上。「飲め」「お酒は、充分飲んだ」そうして腰を引き寄せた。


▼1/29
【沖斎】布団の中で擦り寄ってきた総司のせいで目が覚めた。「どうした…」「寒い」寝ぼけているのか、その瞼は閉じたまま。頭まで布団を被せると、満足気に「一君あったかい」と笑った。こうして二人、朝を迎えるのは何度目だろう。いい加減にと布団を出れば、久しぶりの真っ白な景色が広がっていた。

【続沖斎】「どおりで寒いわけだ」「否、雨より暖かい」「そう?どっちにしても寒いのは嫌だ。ねぇ、布団に戻ってくっついていよう?」そうして後ろから、隙間のないくらいに強く抱き締めてきた総司の体温に、安堵している。「今日は共に非番…何故笑う」「ほら、早く」まだもう少しだけ、温め合おう。


▼1/24
【沖斎】肩に落とされた口付けに、声が出なかった。怖いわけでも、嫌なわけでも無い。ただ、いつもの総司と違い過ぎて驚いたという方が正しいかもしれない。きつく吸われた箇所に肩を震わせた。「んっ…」「ごめんね、痛かった?」「否、…」安堵したように優しく笑った。


▼1/23
**Link→ユウナギ様の沖斎イラストから妄想**
【沖斎】助っ人のバスケの試合が終わり、控え室で着替えていた。「何だ…?」普段きっちりと制服を着ている一君の鎖骨とか、肩とか、腕とか、もっと言うとうなじとか。見慣れないユニフォームから覗く肌。「色っぽいなって思って」「なっ…」「ねえ、もう絶対引き受けないでね。僕以外に見せたくない」


▼1/14
うるさいなあ。携帯の着信を遮るように布団に潜り込んだ。朝から誰…あ。『起こせと言ったのはあんただろう』「おはよ、一君」朝一番に大好きな君の声。『起きたのなら…』「やだ、待って。しばらく切らないで」そう言うとため息が電話越しに聞こえた。何も話さなくたって良いから、唯繋がって居たい。


▼1/13
空から降る小さな白い結晶に「一君は雪に似てる」と空を見上げた。空へと舌を伸ばしてみると、一君の視線が刺さる。「何、雪に嫉妬した?」笑って見下ろせば、少し背伸びをした君の唇が僕に触れた。「ずるい、不意打ちなんて」「総司もいつもやっているだろう」雪の代わりに、君への想いが舞い上がる。


▼1/11
「一君に僕の何が分かるって言うのさ」静かに叫んだ総司が咳込んだ背中をさすってやろうと伸ばした手は、触れることが出来なかった。暗がりに浮かんだ色白の肌。「…総っ」急に噛み付かれた首筋から血が伝うのが分かった。「それでも、あんたは温かい」擦り寄せられた頭を撫でれば鼻をすする音がした。


▼1/10
「あんたは、猫みたいだな」ふと、そう思った。気紛れで、掴みどころがなく、自分の気が向いたときだけこうしてやってくる。「…それなら、飼ってみる?」鼻先を首筋に擦り付けながら、にゃあとじゃれてくる総司に一つ溜息を零した。「…飼いならす自信は無い」と言えば、また悪戯な笑顔が返ってきた。


▼1/10
「バイバイ」この、別れる瞬間がいつも嫌いだ。玄関の扉の前で、寂しそうな瞳をする一君を置いて帰るのが。その手を取って、指を絡めて。少しだけ見つめ合えば、どちらからともなくキスをする。ゆっくりと近づいた距離と、それから、重なった柔らかい唇に、ただ一瞬の幸せを噛みしめる。「また、ね…」


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