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▼5/11
【土方】さよならをするのが怖くないと言ったら嘘になる。この日が来なければいいと何度願ったことか。「土方さん…、土方さん……っ!」……あれから、声が枯れるまで毎日泣いた。けれど涙は枯れはしなかった。いつか笑顔で、あなたの生き様を語れる日が来るだろうか。あなたを想って笑えるだろうか。


▼4/16
【土方】「やだっ……やだ、」わかってる、私のわがままで先生を困らせていること。それでも、1分でも1秒でも長く、その瞳に映っていたい。私のことを、見ていて欲しい。面倒臭いガキだって思われても良い。「ったく、そんな顔すんじゃねぇよ」そんなの無理だ。泣きながらただ、先生の右手を握った。


▼3/25
【平助】「なんで毎日ぴったり5分遅れるわけ?」「その5分命懸けなんだよ俺は!」信号待ちの横断歩道。あーあ、今日も遅刻決定だ、とため息をついた。「走るぞ、ほら!」私の手を引いて走り出す。「ぜってー間に合わせるからな!」「……じゃああと5分早く起きてよ」「だから、命懸けなんだって!」


▼3/19
【原田】「ちょっ、どこ行くんですか!」お財布を出そうとした時に、持っててやるよと私の荷物を軽々と持ち上げた原田さんが、さよならをするはずの改札をそのままくぐって行ってしまった。慌てる私を見て、ニヤリと笑う。「返して欲しけりゃ、取りに来るんだな」最初からそのつもり?「俺ん家、まで」


▼3/5
【平助】「くっそー!何だよ今日、花粉地獄!!」「大変そうだね。その鼻取って洗ってあげたいよ」「……棒読み」私の頬をむに、と摘んで、鼻を赤くした彼が楽しそうに笑った。「鼻水垂れてる彼氏でゴメンな」鼻をかんでる平助が可愛くてたまんない、とか言ったらまた不貞腐れそうだから黙っておこう。


▼3/5
【沖田】「ねえ、何で目を合わせないの?」俯いていた私の頬にそっと手を添えると、覗き込むようにした綺麗な瞳に捕えられた。……そういえばいつぶりだろう。こうして顔をきちんと見るのは。多分私のことなんて見透かされてる。「何でも…」また目を逸らせば「誤魔化せると思ってるの?」重なった唇。


▼2/18
【沖田】恋人と別れたとメールで一言送れば「慰めてあげてもいいよ」…だいたいいつもそうなんだ。上から目線で、私のことバカにしてる。でも、それももう慣れたし、受け流す術も覚えた。こんなに私に付き合ってくれる男友達は総司くらいだ。「最初から僕を選べば良かったのに」「え……はっ!?何っ」


▼2/14
【VD番外】原田先生にフラれた。私の方が先に好きになったのにとか、私の方がもっと先生を好きなのにとか、ただの汚い嫉妬が渦巻く。「ねえ斎藤くん、慰めてよ」少しだけ驚いた瞳。「…10分でいいなら、ここに居てやる」「うん」もっと優しくして、甘やかして。あなたみたいな人、好きになれたら。


▼2/13
【VD番外】放課後、平助くんの靴箱に入れておいた。メッセージカードなんて恥ずかしすぎて書けなかったから、メールだけ。“チョコレート、嫌いじゃなかったら食べてね”部活が終わったのだろう。平助くんから電話だ。『サンキューな!えっと…チョコレートも…その、お前のことも……大好きだし!』


▼1/31
【斎藤夢】「ごめんね、せっかく休み取れたのに」「疲れが溜まっていたのだろう。ゆっくり休むと良い」横になっている私の手を、きゅっと握った彼は不安な顔で。一眠りして目が覚めても、さっきと同じ、ずっとそこに座っていたみたい。「…お利口さん、だねぇ?」「何を…」「なんか、犬みたい。ふふ」


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