哀れな孔雀

彼はいつも一人
教室の片隅で外を見てる



綺麗な銀色の髪が風に揺れてキラキラと光る











美しさ故に
誰も近付けない



それはまるで
哀れで孤独な孔雀のようで













「クジャ君って綺麗な髪だね」


席が隣になって
初めて声を掛けてみた
そしたら彼は少しビックリしたように私の方を見て、しばらくするとニッコリと笑った


「あぁ…ま、僕の髪だから綺麗なのは当然だよ」


そう言ってクスクスと笑った


笑うとこんな感じなんだ…。
って言うかナルシストな人だったんだ。



「クジャ君って、変わってる」


「そうかい?僕に声を掛けた君も充分変わってると思うよ?」


「そうかな…」













あれ?あれれ?
顔が熱いぞ?
クジャ君と目を合わせられない?
何でだ?















「陽チャン?顔真っ赤だけど…熱でもあるの?」












うわぁぁぁぁ
名前覚えられてる!!

何か嬉しいかも!?





「なに一人で百面相してるの(笑)」


「べ、別に」


「そ?」


「クジャ君」


「なに?」




「私、クジャ君の事もっと知りたいかも」




















一羽の哀れな孔雀の傍に降り立ったのは
何の変哲もない一羽の雀


恐れを知らない雀は
美しい孔雀に無邪気に近付く




それが孤独だった孔雀にとって






どれ程嬉しかったか。




END

[ 3/25 ]

[series]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -