ファザー
「ん……にゅ…」
只今陽は裏庭のベンチでお昼寝中
時折風が強く吹き、陽の太ももを露にする
「…………はぁ」
それを見たキングは深い溜め息を一つ吐くと
陽の肩を揺すった
「おい起きろ、陽
風邪を引くぞ、中に戻れ。」
「んぁ…?…んふふぅ…」
一瞬起きたかと思われたが
分けの分からない笑みを浮かべ、再びすやすやと穏やかな寝息をたて始めた
「…まったく……」
眉間に深い皺を寄せると
キングは陽を抱き上げ、教室に向かった
「ぅー…と、ん」
陽の口から微かに言葉が洩れる
「…?」
キングが耳を澄ますと
「ん…お父さん…」
キングは立ち尽くした
お父さん…
お父さんだと?
俺はまだ17だ!!
自分の行動がお父さん臭いということと
周りで笑いを堪えてるクラスメイトには気付かないキングでした。
END
______________
「やぁ、おはようファザー」
「あ〜ファザーだぁ〜おはよ〜」
「おはようございますファザー」
「よぉファザー」
「…止めてくれ…」
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