カイルたちといっしょ!





「ルークにとって“英雄”ってなに?」



とある日のこと、食堂で会ったカイルはルークにそう問いかけた。
英雄になる、と旅をしていたカイルにとって、ルークがアドリビトムのメンバーを英雄と呼んでいることを知って、ルークにとっての英雄とはなにかを知りたかった、というのが問いかけた理由だった。



「えいゆー?」
「そう。
ルークはさ、アドリビトムのみんなのことを英雄だって言ってるけど…、ルークにとっての英雄って何なんだろうって思ったんだ。」
「カイル、ルークはまだ小さいわ。
英雄が何かを明確には言えないと思うわ。」
「戦隊モノのヒーローに憧れているくらいの感情しかもっていないだろうな。」



ロニもリアラとジューダスの言葉に賛同するように頷いた。
ルークはまだ小さな子供だ。
英雄の意味を問いかけたところでしっかりした答えを出せるとは思えなかった。



「えいゆーはね、よわいひとをたすけるの。
こまってるひとをたすけるの。
でもね、いちばんはね、だいすきなひとをまもるひとが、えいゆーなんだよっ!」
「大好きな人を守る…。」
「アシュにぃがね、いつもいってるよ。
だいすきなひとをまもるのは、だいすきなひとにわらっててほしいからだって。
だいすきなひとが、ないてたら、かなしいから、だからまもるんだって!
だからね、だいすきなひとをまもるひとが、いちばんのえいゆーなんだよっ!!」



ルークの話を聞いたカイルたちは言葉を失った。
アッシュがルークにそんな話をしていたのも驚いたが、まだ幼いルークがアッシュの言葉の意味をしっかり理解していることに驚かずにはいられなかった。


ルークにとっての、英雄とは弱い人を助けたり、困ってる人を助けたりは二の次で大好きな人を守ることができる人が一番なのだ。
そしてルークの言葉からは、アドリビトムのメンバーは大好きな人を守ることができているのだと示している。


確かにアドリビトムのメンバーは、仲間のために誰もが必死になる。
だから結束も固い。


ルークはそれを見ていたのだ。
小さい子供だから、なんて関係ない。



「ルークは…、俺たちのことも英雄だって思ってる?」
「うんっ!
カイルにぃは、かぞくをまもるえいゆー!!
リアねぇは、かぞくをまもるカイルにぃをまもるえいゆー!!
ジューにぃは、カイルにぃをささえるえいゆー!!
ローにぃは、おんなのこをまもるえいゆー!!」
「……俺は女の子限定なのか…。」
「ナンパしてまわっていればそう判断されても仕方ないだろう。」
「…ルークは俺たちのことをしっかり見てるんだな…。」
「子供だからなんて言い方はルークに失礼だったわね…。」
「ありがとう、ルーク。
俺、家族を守れるようにもっと強くなるよ。」
「うんっ!」
「もちろん、俺にとってルークも家族だって思ってるからね。」
「カイルにぃと、かぞくっ♪」



えへへ、と笑い合うカイルとルークを見ながら、リアラたちはルークの信頼を裏切ることのないよう、もっと強くなろうと思った。



※※※

アッシュ兄さん、ルークに必要なことはきちんと教えてます。
情けないばかりじゃないですよ(笑)
そしてルークもかしこいので、アッシュの言葉の意味をきちんと理解しております。

閲覧、ありがとうございました!

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