やってきた小さな朱




仲間も増え、それに比例して依頼も少しずつ増えてきたギルド、アドリビトム。



「アドリビトムというのは、ここで間違いないか?」



そこに、紅色の髪をした少年が仲間と共にアドリビトムにやってきた。



「はい。
アドリビトムで間違いありませんが、依頼ですか?」
「いや、俺とコイツらをギルドのメンバーに加えてくれ。」



アンジュが紅色の髪をした少年に話しかければ、少年はアドリビトムのメンバーに加わりたいと言った。



「アッシュ、少し礼儀が足りないぞ。
失礼。
彼はライマ国、第一継承者のアッシュ・フォン・ファブレ。
私はヴァン・グランツと申す。」
「私はライマ国国軍大佐のジェイド・カーティスです。」
「今、ライマ国は動乱の最中で出来れば、ここで匿ってもらいたい。
だが、ただいるだけというのも失礼だろう。
ギルドの仕事を手伝う代わりにここに身を寄せたいのだが。」
「人手がほしいと思っていたので、こちらとしてもありがたいわ。
私はアドリビトムのリーダー、アンジュと言います。
でも、どうしてアドリビトムを?
他にもギルドはありますよね?」
「それは…。」



ギルドなら他にもたくさんある。
そんな中、アドリビトムを選んだ理由を問いかけたアンジュに、アッシュとヴァンは入ってきた扉の方に視線を向けた。



「アシュにぃ!せんせー!
ここが、せーぎのために、たたかうアジト?
スゴいスゴい!」



アッシュとヴァンが視線を向けた扉から現れたのは、2人の女性と小さな子供。
バンエルティア号を見て、瞳をキラキラさせながら興奮気味の小さな子供にアンジュは目を瞬かせた。



「…弟のルーク・フォン・ファブレだ。
それと、左にいるのが、ジェイドの部下のティア。
右にいるのが、ライマ国王女、ナタリアだ。
ここを選んだのも…ここがどの国にも属さない自由のギルドであることと、弟がアドリビトムの大ファンだからだ。」
「ファン…?」
「…何を勘違いしてるかは知らないが、アドリビトムは正義のために戦うギルドだと思っているらしい。」
「え?正義のため?」
「おねえちゃんは、しれーかんのひと?」
「しれーかん?
あ、ああ。
司令官ね?
私はアドリビトムのリーダーのアンジュよ。」
「アンねぇだねっ!!」
「…あんねぇ??」
「アンジュ、だからアン姉と呼んでいるつもりなんだろう。」
「あ…、そうだったの…。
でも、私をキラキラした瞳で見つめるのは何故かしら?」
「アドリビトムのリーダーだからだろう。」
「そ、そう…。
とにかく、話は分かりました。
では、あなたたちをメンバー登録しておきます。」

「おっ?
なになに〜?
新しい仲間?」
「そうみたいだな。」
「では、私たちも挨拶に行きましょうか?」
「そうですね。」



ギルドのメンバーとして加わったアッシュたちに気づいたのは、ちょうど依頼を終え、帰ってきたノーマ、ユーリ、ミント、エステル。
挨拶に行こうと、アッシュたちの元に向かった。



「なんだ、貴様ら。」
「アッシュ!失礼ですわ!
彼らは私たちの仲間になる方たちです。
そのような物言いでは敵を作っているようなものですわ。」
「……チッ…。」



自分の前に立つノーマたちを眉間にシワを寄せながら睨むアッシュを怒るナタリア。
怒られたアッシュは舌打ちして、ふいっと視線をそらした。



「…あ、あの…。」
「申し遅れましたわ。
私はナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルティアです。」
「ティア・グランツよ。」
「ジェイド・カーティスです。」
「ヴァン・グランツだ。」
「…アッシュだ。」
「ルーク・フォン・ファブレですっ!
にいちゃんたち、せーぎのししゃ?」
「せーぎのししゃかどうかは分からないけど、あたしはノーマ!
ノーマ・ビアッティ!!
よろしくね、ルーくん♪」
「ルーくん?」
「やっだなー!!
ルーくんのことに決まってんじゃん!
ルーク、だからルーくん!」
「おれ、ルーくん?」
「そうそう!」
「貴様…!
ふざけるな!俺の弟をふざけた呼び方なんかするんじゃ…、」
「待ちなさい、アッシュ。
呼ばれている本人は満足そうですよ?」



ルークのことをルーくんと呼んだノーマに苛立つアッシュ。
それを手で制したジェイドはルークへ視線を向けながらそう言った。



「はじめましてっ!
ルーくんですっ!」
「おいおい…。
初対面でそれを言ったら、名前がルークンだと思うんじゃないか?」
「そうですね…。
誤解が生まれそうな気はします…。」
「そうです?」
「にいちゃんたち、だあれ?」
「そういえば、自己紹介がまだでしたね。
私はミントと言います。
よろしくお願いしますね、ルークさん。」
「エステリーゼです。
エステルって呼んでくださいね。」
「ユーリだ。」
「ミーねえ、エシュねえ、ゆーりっ!!」
「なんで、俺だけ呼び捨てなんだよ…。」



ミントをミー姉、エステルをエシュ姉、と呼ぶ中、ユーリだけは何故か呼び捨てで、ユーリは苦笑した。



「ま、とにかくよろしくな。」
「うんっ!ユーリっ!」



くしゃ、と頭を撫でればルークはにっぱーと笑った。

こうして、アドリビトムにライマ国の王族や軍人が仲間に加わったのだった。



※※※


マイソロ3から、ルークはちびっこでアッシュがお兄ちゃんな設定。

個人的に萌えるネタです
(^^)/


アッシュ兄ちゃんはちょこまかする弟に振り回されてますが、ルークを溺愛しております。

そして、ルークはアドリビトムに憧れてます
(`∀´)


マイソロシリーズは私の気が向いた時に更新します。

基本的に私が飽きるまで続きますので、飽きたら更新ストップするつもりです。
なので、更新しても更新履歴には載せません。

マイソロはテイルズキャラと簡単に絡ませることができるのがいいですね♪


ひっそりと隠れるように存在しているのに、見つけていただいた上に閲覧していただき、ありがとうございます!

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