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「記憶喪失…?」
「はい。
ルークさんもアッシュさんも記憶を失っています。
ただ、日常生活に必要な知識は記憶に残っているので、生活には支障はないでしょう。」
「あの…、記憶が戻る可能性はあるんでしょうか?」
「…難しい問題ですね。
すぐに記憶が戻った例もあれば、一生記憶が戻らなかった例もあります。
私から言えるのは、焦らず2人を見守ってあげてほしいということです。」
医師から聞かされた話をガイたちはなかなか受け入れることができなかった。
今、アッシュもルークも世界のために奔走していて、時間も限られている。
そんな中、2人そろって記憶喪失になっていると聞かされて簡単に納得できるはずもない。
「アッシュって、カッコいいよな。」
「いや、ルーク。
お前だって整った顔立ちをしている。」
「お、お世辞でも嬉しいよ。」
「お世辞なんかじゃない!
本心で言っているんだ!」
「あ、ありがとう…。」
しかし、目の前で互いに褒め合い、時間が経てば経つほど仲良くなる2人を見れば、嫌でもその現実を認めなければならない。
「あ、話は終わったんですか?」
「どんなカンジですか?」
ガイたちの存在に気付いたアッシュとルークはそんな言葉を発した。
「うわぁあぁあー!
ルークはともかく、アッシュがきょとんとした顔で敬語で話しかけてくるなんておかしい!気持ち悪い!鳥肌が立つ!!
旦那!!何とかしてくれ!」
「無理です♪」
「清々しい笑顔を浮かべて簡単に諦めるな!!
安心しろ、ルーク!
お前の記憶は俺が必ず…、」
「ルークに触れないでください!」
違和感が拭えない2人の姿にガイは記憶を取り戻す決意を固め、ルークに触れようとした。
しかし、アッシュに手を払いのけられてしまった。
ぽかんとするガイには目もくれず、アッシュはルークの手をそっと握り、優しく微笑んだ。
そんなアッシュにルークは幸せそうな笑顔を浮かべた。
「…確かに…、ガイの言う通り、気持ち悪い光景だよね…。」
「…そうね…。
これは本当に何とかして記憶を取り戻してもらわないと…、ストレスが溜まる一方だわ。」
「問題はどうやって記憶を戻すか、ですわね。」
「アッシュ…。」
「ルーク…。」
真剣に頭を悩ませるガイたちの気も知らず、時間が経てば経つほど仲が良くなるアッシュとルーク。
「ちょっとー!
アッシュもルークもどうしたら記憶を取り戻せるか考えてよ!!」
アッシュとルークが何も考えず、カップルのようにいちゃいちゃしていることに苛立ったアニスは少しは協力しろと言った。
「俺たちは別にこのままでも問題はない。
そうだろう、ルーク?」
「うん。
俺もこのままでも全然困ってないから大丈夫!」
「ルーク、ずっと一緒にいよう。」
「アッシュ…。
うん!ずっと一緒にいよう!」
ひしっと抱き合う2人は完全に2人の世界に入り込んでいる。
その姿を見たアニスはブチッとブチキレた。
「テメェらのことでこっちは悩んでるんだよ!!
少しは協力しろって言ってんだよ、ゴラァアァア!!
十六夜天舞!!」
「「ぎゃああぁあ…!」」
ブチキレたアニスはトクナガを巨大化させ、いちゃいちゃするアッシュとルークに容赦ない攻撃をした。
容赦のない攻撃をマトモに受けたアッシュとルークはそのあと、3日間目を覚ますことはなかった。
だが、アニスの攻撃で飛ばされた2人は3日後に意識を取り戻した時、記憶が戻っていた。
そして…、ルークはしばらくの間、ガイの女性恐怖症と同じように、アニス恐怖症となってしまい、アニスが近くにくるだけで物凄い勢いで距離を取るようになるのだった。
余談だが、ルークほど態度には出さないものの、アッシュもアニスには強い警戒心を抱くようになった。
END
※※※
なんじゃこりゃ。
久々のテイルズ短編がこれですか…。
私は短編は突発的に書いてしまうタイプのようです。
キャラ崩壊ですいません…。
閲覧、ありがとうございました♪
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