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「は…、はぁ…ッ!」




シェヘラ砂漠でバラバラになった仲間たちと合流を果たし、オアシスで休んでいたヒスイたちは休息を取るのをやめて先に進もうと準備をしていた。



シングは荒い呼吸をしながら、それをぼんやりと見つめていた。



「シング、どうした…?」
「なんでも…ない…。」
「そんなふらついてて何でもないはずねぇだろ!

…って……、お前…!
すごい熱じゃねぇか!」



シングの様子がおかしいことにいち早く気付いたヒスイは慌ててシングの元に向かった。
何でもないと言うシングの顔を見たヒスイは何かを感じ取り、シングの額に手を当て、驚愕した。

シングの体温が異常に高いことをヒスイの手を通して伝えてきたのだ。


ヒスイの言葉にコハクたちも荷物を整理していた手を止め、シングの方へ視線を向けた。




「だいじょうぶ…。

みんなに…めいわくかけたくな……い…。
さきに…。
……あ…れ……?」
「シング!!」





荒い呼吸をしながらも、笑みを浮かべ、先に進もうと立ち上がったシングは何かに意識を引っ張られるような感覚に襲われ、そのまま意識を手放した。


意識を失ったシングが倒れそうになったことに気付き、近くにいたヒスイが慌ててシングの体を支えた。




「お兄ちゃん…、シングは…大丈夫なの…?」
「シングのことだからまた無茶したんじゃないの?」
「どちらにせよ、こんな状態のシングと一緒に先に進むのは避けた方がいいわね。
シングが回復するまでオアシスで休みましょう。」
「だが、何故シングは倒れた…?」
「…やっぱりな…。」







倒れ、意識を失ったシングを看ていたヒスイはその理由を察していたのか、靴を脱がせ、シングの足首を見た瞬間…眉を寄せてぽつりと呟いた。



「シング…、ケガしてる…!」
「傷口が化膿しているようね…。」
「それに…すごい腫れてるよ…!」





シングの足首を見たコハクたちは息をのんだ。




シングの足首は腫れあがり、傷口は化膿していたのだ。


それが熱をもち、シングは意識を失ってしまった。




「私達と砂漠で再会した時…、ケガをしてたみたいだったよね…?」
「その時のケガが悪化したと考えて間違いはないだろう。」
「…無理矢理でも、ケガを看ておけばよかったわね…。」
「本当に…シングは無茶ばっかしすぎなんだよっ!」





悲しそうな表情を浮かべ、シングを心配する仲間たちは交代でシングを看ることにした。






誰もがシングを心配していた。

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