大好きな温もり
ねえ、サトシ。
ボクがサトシの信頼に応えたくて仕方ないこと、知ってる?
大好きなサトシに
喜んでほしくて。
笑ってほしくて。
だからボクは頑張れるんだよ。
だけど、サトシはボクを信じてジム戦で選んでくれたのに、ボクは勝てないまま負けちゃった。
サトシの信頼に応えられなかったことが悲しくて悔しくて…。
前のマスターにいつも言われてた。
『お前は弱いから雑魚相手にしか使えないんだよ!』
って、ずっと言われてた。
ボクがマスターに捨てられたのもマスターが“雑魚”だと感じる相手だったのに勝てなかったから。
バトルが終わったあとにマスターはボクに言ったんだ。
『雑魚にも勝てないお前なんかいらない。』
って。
ごめんなさい。
ごめんなさい!
ボク、今までよりもっと強くなるから!
だからボクをおいていかないで!
ずっとそう叫んでたけど、マスターにボクの声は届かなかった。
負ける度にマスターに責められて、怒られて…。
ああ、ボクは本当に弱いんだ。
そう思ってきた。
だけど、サトシはボクを責めなかった。
怒らなかった。
自分に力がなかったからだって、逆にボクに謝ってきた。
だから、一緒にもっと特訓して強くなろう。
そう言ってくれたサトシの言葉が嬉しくて…。
ボクは胸がいっぱいになったんだ。
***
「ポカブ、一緒に頑張ろうぜ!!」
「カブー!」
ボクはサトシのあたたかい手が好き。
決して大きいわけじゃないけどサトシの手はとっても優しくてボクの不安を包んでくれる。
サトシの温もりはボクを安心させてくれる。
サトシの手から、一緒に強くなろうって強い気持ちが伝わってくる。
だから、ボクはもっと強くなる。
サトシと一緒なら頑張れる。
今も、ジム戦で再び戦うためにサトシはボクと一緒に走ってくれてる。
サトシはボクだけじゃなくて、ミジュマルとも一緒に頑張ってる。
疲れてるよね?
ボクだけじゃなくて、ミジュマルと一緒に特訓してるんだから。
だけど、サトシはボクたちにそれを見せないで笑ってくれる。
サトシ。
それがボクの大好きなマスターの名前。
サトシの信頼に応えられるように、強くなるよ。
だから、サトシ。
ボクが少しでも強くなったらボクを誉めてね?
ボクの大好きなその優しい手でボクの頭を撫でてね。
そして笑ってね?
ありがとう。
大好きだよ、サトシ。
これからも一緒に強くなろうね。
END
※※※
アロエさんとジム戦で負けた時にへこむポカブを見てパッと浮かんだ話です。
私の場合、短編はパッと浮かぶことが本当に多い気がする…。
落ち込むポカブをサトシは自分が悪いと謝っていて、ああ…。サトシって本当に素敵なトレーナーだなって思いました。
まだバトルクラブで特訓してるところはやってないけど、次回予告を見て勝手につけちゃいました。
閲覧、ありがとうございました♪
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