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ぐだぐだ



更新したいなーと思って昔書いて載せるのを諦めたものupしてみます。
鬱だし面白くはないです

※黒子くんが不登校になってしまっていたことを知る前に書いたお蔵入り作品なので色々原作に沿わない部分があります。



とてもとても暑い夏が終わろうとしていた。夏と一緒に、自分の胸の熱も萎れるように冷えていくような、そんな日々が始まっていた。太陽の光は冷たくて、光の射し込まない場所はもっと冷たい。昼間の窓ガラスには自分の姿は映らない。そんなようなことがいちいち、難癖をつけて僕の心臓を冷やしていく。それは自分の大部分を占めていた事物が壊れてしまっていたからに他ならなかった。僕はそれを守るために他人との関わりをなるたけ避けていて、それ以上に他人を求めていた。



夕暮れ、窓もカーテンも閉め切って部屋に光は刺さない。僕はベッドに寝転がり、死体のふりをしていた。静かすぎて、エアコンが冷気を吐き出す音すらうるさい。かといって、音楽で耳を紛らわせるような気分ではない。

そのまま夕方から夜へと変わった頃だろうか。延々と続けていた意味のない死体ごっこにも飽いてきて、僕はなんとはなしに枕元に転がしていた携帯電話に手を伸ばした。考えてみれば、その行動は僕が人に飢えているということの顕著なあらわれであった。無機質な表面に触れた瞬間自分には繋がれる相手がいないことに気付く。友人はいる、でも、自分からはどうにも繋げない。指先がずしりと重くなった。寂寞とした感情に飲まれそうになる。認めたくなかった。

携帯へと伸ばした手に異なる理由をつけるために、ネットに繋いだ。自分に、言い訳をした。友人に誘われ加入していたとある携帯ゲームサイトを弄っていると掲示板のようなものがあることを知った。いろんな趣味を持った人が、コミュニティを形成し賑やかに話し合っている。それはゲームの攻略の話だったり、主婦の世間話だったりと多岐に渡っていた。その中で、ほんの少し毛色の変わったコミュニティが存在していることを知った。

心に闇を抱えている人たちがいるコミュニティで、自分の中の毒を撒き散らすだけの掲示板。裏日記とかいうものらしい。疲れ切った僕にはどうしてか魅力的に見えた。僕も、自分の肚の中に抱えた毒を垂れ流したかったのだ。紛れてしまえば、何を言ったって平気かな、と思った。

ハンドルネームは"幽霊"にした。芸もない。

必読とされているコミュニティならではのルールは難しくて、飲み込みにくい。取り敢えず禁止事項だけは遵守する。

『よろしくお願いします』

自分のスレッドを作り終えて、まずはそう書き込む。僕はぽつぽつと弱音と毒を吐き出し始めた。

『僕はなんで小さいんだろう』

『どうして声すら届かないんだろう』

『凡人でも報われると信じていたかった』

『馬鹿だ
 僕の手はどうしたってリングに届かない』

おんなじような内容を繰り返し繰り返し、自分が前に進めていないことに気付き消沈する。負の感情の無限ループはそう簡単には断ち切れず、僕は結局毎日弱音と毒を吐き出し続ける。

僕の情けない姿は、当然見も知らぬ他人に晒されている。でも、誰かが見てくれているかもしれないという可能性が、ほんの少しだけ心地よかった。要は自分の弱さを隠しきれるほど僕は強くなかったのだ。誰かが僕の弱さを知っている。知ってて、どうもしないでくれている。それは世界が自分に寛容でいてくれるのと同じだった。



死んだふりをしてこっそり呼吸を続けていれば、季節は瞬く間に秋へと変わった。少し早いがマフラーを巻く。頬を打つ風は温度を奪っていく。学校への道すがら、スレッドに自分の日常と、自分の耐えきれない日常を綴る。スレッドは何個目だっけ、たしか、みっつめ。どうやら癖になってしまったらしい。いけないな、と思う。ネット依存は洒落にならない。

のろのろ歩いていると、青峰くんに追い越された。もうとっくに気付いています、僕がミスディレクションなんてしなくても、彼に僕は見えないってこと。

ああ、また、肺の中いっぱいまで毒が溜まる。

『何かをどうにかしたくて、胸の中で何かが暴れ回っているのですが、僕はそれを現実にする手段を持っていないみたいで、絶望というやつを軽々しくしてみたりします』

『なんてお前はだめなんだ、何度も何度も思います』

『自分を凡人であると認めようとしないから、こんなにもくるしいのだとおもいます
 自分を何か出来る人だと思うから、こんなにもかなしくなるのだとおもいます』

『かなしいです、かなしいのです
 無力感と虚無感は交互にやってきます』

『僕が何か出来ないのはきっと相応の努力をなしていないからだとわかっていますが、これ以上何をどう努力すべきなのかわかりません
 どう、生きていけば良いのかわかりません
 僕はわりと、世界に対して諦念を抱いています』

『僕の為の世界じゃない事は百も千も万も承知しました
 でも、せめて一つくらい誇れるものを持っていたかったんです』

『…もう、頑張れません』



その日の夕方、僕の使っているスレッドに変化が訪れた。

『ねー、話さない?』

飛び込んできたのは自分ではない人間の打ち込んだ文字。公開されているスレッド、つまり誰でも書き込めるし、そもそもチャット本来の目的は会話だ。どうして僕のところに来たんだろうと少し戸惑って、迷ったが、素直に誘いを受けた。

『はい、大丈夫です』

答えると、一分後には次の書き込みが来ていた。

『じゃあお邪魔します』
『ええ、どうぞ』
『名前!なんて呼べばいい?』
『はぁ、僕は"幽霊"なのでどうとでも…』
『ちょ、その言い方だとモノホンぽいなw』
『そうですね。でも、なんでも良いですよ』
『ふーん じゃあまんま、幽霊くんな』
『わかりました、貴方は』

打ち込む途中で困る。"k2nrtz"、というハンドルネームはどうすればいいのだろう。

『なんて呼べば良いですか』
『じゃあ、藁って呼んで』
『わかりました』
『よろしくね、幽霊くん』

よろしく、と僕も返事をする。

藁くんはどうしてこんな、鬱々としたスレッドに来たのかと不思議になるほど明るい人だった。僕は自分から話をふるのが不得手であったから、彼から次から次へと話題を振ってくれるのには助かった。本当にどうでも良い事をだらだら話した。それから、毎日藁くんは僕のスレッドに顔を出すようになった。どうして来てくれるのかよくわからなかった。また、藁くんがいないときは、いつも通り自分の愚痴をだらだらと垂れ流した。

最初の書き込みを貰ってから2週間程が経った頃だった。

『幽霊ってさ、バスケするの?』

僕は返事をするのに10分以上かかってしまった。しかも、何度も何度も書き直した癖に返事はそっけないものだ。

『していました』

あまり、褒められた返し方じゃないかなと思う。ニュアンスで、わかってくれろと訴えかけるのは女々しいと自分でもわかっているのだ。藁くんは珍しく、僕に対して空気を読まなかった。

『俺もやってる バスケ部なんだよね』
『そうなんですか』
『結構有能よ俺。PGなんだけど』
『そうですか』

そうですか、以外に言葉が思いつかなかった。僕がやっとそうですか以外の言葉を吐き出したのは、藁くんのこの問いかけに対してだった。

『もうやらないの?バスケ』
『辛くて』

咄嗟に応えてしまう。携帯電話を持つ手が、震える。

『大好きだから、どうしようもなく辛いんです』

藁くんは相槌だけ返してきた。甘えて、まだまだ話す。

『才能に恵まれた人たちに囲まれていて、引っ張られるように僕も自信を持てるようになって、でも、その人たちの目に僕はどんどん映らなくなって』

まだ名無しの幽霊だった頃のように。僕の感覚としては、一度甘さを知ってしまったからこの現状はもっと酷いものに感じた。

『最後には自分は依存しか出来ないと気付いてしまったんです
 それが何より、辛かった』

幻の六人目と言われていた。誰にも気付かれなくても誇らしかった。"幻"の意味を知って、最後には絶望した。

僕はどこにもいない。

僕の好きなバスケはどこにもない。

『どうやったら、楽しくなれたんでしょう』

そして心の中の絶望の一部を、どうにか吐き出そうと僕は文章にしたのだ。勝つために戦う、しかし勝てども勝てども心は空のままだったのだと。

藁くんは、ひたすら僕の話を聞いていた。茶々をいれるでも同情するでもなく、ただ聞いているだけだった。おそらく、その反応は僕が一番求めているものだった。それもそうだ、そもそもこのスレッドに僕が毒を撒き散らしているのは、藁くんのような第三者の目求めて、だったのだ。

全て吐き出し終えて謝ると、藁くんはこんな書き込みをしてきた。

『ん、よしよし』

どうやらネットなのに僕をあやしてくれているようだった。

『幽霊くんなでなでー』
『……調子にのらないでください』
『ひでーwww でもさ』

僕は続く藁くんの言葉に目を見張った。

『俺、お前とバスケしてみたいよ』

続けろ、なんて直接には言わない彼の優しい言葉は心が割れるくらい痛くて、そして、僕は。





まだ歩ける、まだ大丈夫、沢山の言葉と一緒に手が伸ばされた。あの五色には届かないけれど、びっくりするほど強く優しい、淡い色味の手のひらが沢山僕に伸びたのだ。それらに背中を押されて、僕は誠凛高校のバスケ部にいた。僕は僕のバスケを踏みにじった彼等に一矢報いてやろうと立ち上がれた。僕のバスケが通用しない、認めることが出来ない天才ならではの孤独にいる彼等に何か伝えようと、また動き出せた。

ねぇ、僕は幽霊じゃなく、ちゃんといます、ここにいます。君たちは間違っていないかもしれない、でも君たちには足りないものがあるんです。今からそれを伝えに行きます。

叫びたくなる気持ちをスレッドに書き込んでから、僕は今まで使ってきたスレッド全てを消した。痕跡を残すことを嫌った訳ではないが、けじめというやつだ。

また、相棒と呼べる人が再び出来た。火神くんに出会えたのは奇跡だと思う。彼の存在が大きくて、僕は黄瀬くんに少しだけ報いることが出来た。きっと少しくらいは、僕を伝えられた。次は、緑間くん。いつだって全力な彼は、だからこそプライドが高くて僕の伝えたい事をぶつけるには難しいかもしれない。でも、頑張れば、信じていれば、きっと。



緑間くんとの対戦を控えて体育館の建物の中をふらふら歩く。心を落ち着かせるためだ。建物の中にも蝉の声が僅かにしている。気が早いなと思う。そういえば僕の絶望はそろそろ蝉が死んでいく頃だったわけで、うまくいけばその季節に僕は本懐を遂げられている、筈。大丈夫、僕はいるんだ。伝えなきゃ、僕を。水滴の落ちている廊下、外は雨が降り始めているらしい。人の流れが変わったのに気が付いて、はっとした。随分歩き回ってしまった、そろそろ時間だろう。皆のもとに戻らなければ。大丈夫、大丈夫だ、僕は



「"幽霊くん"」



背後からかけられた言葉に、あり得ない呼び名に僕は一瞬身体を固くしてしまった。きっと他の人へかけた声だろう、そう思っておそるおそる振り返り、声を発した人物の目が真っ直ぐに自分を捉えていることにまた驚いた。

声をかけてきたのは、秀徳の高尾という人だった。

どうして。でも、高尾くんがにっこり笑って、あたり!なんて言うから、なんだかストンと納得してしまった。そっか、藁というのはこの人だったのか。醜態を晒してしまっていた人との対面はそれはそれは気まずいものだったのだけれど、高尾くんは少しも気にしていないようで、ただずんずんと近付いてきた。なんだろう、とぼうっと見ていると、ぽん、と高尾くんの手のひらが僕の頭の上に乗っていた。そしてそのままぐしゃぐしゃっと髪をかき混ぜられる。僕は驚き肩を跳ねさせた。

「ッやめてくださ」
「ずっとさ、ちゃんと頭撫でてやりたかった」

僕の制止なんて聞かないで、高尾くんは話し始めた。高尾くんが一体どんな表情をしているのかは、見せてもらえなかった。まるでスレッドの時と同じみたいに、言葉だけが伝えられる。

「お前頑張ったんだぞ。頑張ってたんだぞ。頑張ってるんだぞって教えてやりたくて」

いや、言葉だけじゃない、感触も。高尾くんは僕を撫でる手を止めようとしないから。こんな扱い嫌なのに、苛つくはずなのに、どうしてだろう、どんどん目頭が熱くなって、頭がガンガン痛くなる。まだまだ、これからなのに、まだ努力は幾らも足りていないのに。どうしてだよ。

"藁くん"が問う。

「ねー幽霊くん、今、バスケ、楽しい?」

…たのしいです。

死体になっていたあの頃が、もう薄っすら蜃気楼くらいにしか残っていない程に、日々が眩しいです。幽霊になり下がった僕が、もう一度自分の足で立ち上がれました。少しだけ自分を好きになりました。以前よりもっとバスケが好きになりました。言いたいことが溢れてきたけれど、言葉を出したら他のものまで出て来てしまう。だから僕は僅かに頷いた。その頷きを感じ取ったのか高尾くんの手がやっと僕の頭から離れて、僕は顔を上げた。

「バスケ、続けて良かったっしょ」

高尾くんはつり目をきゅうと細めて僕に微笑んでいた。

「な、『黒子』!」

我慢の限界は遂にやってきた。僕はただぼたぼたと涙を流した。こんな風に泣くのは、いつ以来だろう。今までずっと泣かなかった分が一気に全部涙腺から出てきているのかもしれない。濡れたところがしょっぱくなってヒリヒリとした。こんなところで――人が行き来する廊下で泣きじゃくるなんて。零れた涙は濡れた床へと吸い込まれて混じっていく。勿論高尾くんはものすごく慌てて、僕のびしょ濡れの頬に手の平を押し当てた。目玉が溶けちゃいそうだな、なんて高尾くんは仕方なさそうに笑った。

「ほら、黒子、バスケすんだろ?泣き止めって」

僕より遥かに余裕のある高尾くんが悔しくて、僕は虚勢を張った。

「…、負けません、からね」
「ぎゃは、そんな顔してよく言うよ」

どんな顔になっているのだか。高尾くんはそう、僕をからかった。


心壊サミット


題名はDECO*27さんの曲名から拝借しました 


2014/03/01 19:43 (0)


十面相の赤司くん…いいな…( 

2014/02/25 17:29 (0)


3人目の赤司くんの話をどなたか書いてください
十面相みたいになりますね 


2014/02/25 17:29 (0)


バレンタイン


黒子テツヤは立腹していた。それはもう、怒髪天を突くと…までは言い過ぎであるが、それでも怒っていた。その怒りは別に甘い香りの漂う教室内でオーバーフローすることはなかったが、明らかな苛立ちや批難や、侮蔑にも近い感情を込めて彼は火神に迫っていた。

「火神くん謝ってください」
「は?」

自分の席にいた火神は、いつもとは違い自分を見下ろしてくる黒子にきょとん、と不思議そうな顔をした。謝ってください。日本語はわかっている。ただその真意がわからず火神は黒子に思わず聞き返していた。しかしそれが更に黒子の感情を逆撫でしたらしく、黒子ははあ、と息を吐いて繰り返した。

「謝 っ て く だ さ い」
「…なんでだよ。何もしてねーのに謝る気ねーぞ」

火神も火神で、言われっぱなしでいられるようなタマではない。黒子のあまり快くない感情に気がつき、同じようにむっとして黒子に理由を問いた。黒子は何故謝らなければならないのかわかっていない火神をじっと眺めた後、視線を外して深々とため息を吐いた。

「ッだー、何だよ!!言われねえとわっかんね、」
「キミは…気付いてないんですか?!このクラス及びキミが関わった女子たちの絶望の表情に!」
「えよ、………は?」

言われた意味が理解出来ず、火神は再びきょとんと不思議そうな顔をした。その表情に焦れた黒子は、彼にしては珍しく顔を少し紅潮させて、バカガミにもわかるように――告げた。

「今日はバレンタインデーですね。だからこんなにも甘ったるい香りが学校中に充満しています。ちょっと胸焼けがしてしまいそうなほど濃厚にです。繰り返します。今日はバレンタインデーです。そしてここは日本です。日本は宗教に対する考え方が浅いので、喩えキリスト教徒でなくともバレンタインデー商戦もあって盛大にバレンタインを祝います。リア充の聖日ですね。ええ、そうなんです、リア充の聖日なんです、ここは日本なので。キミにもわかるように何回も何回も繰り返し言いますが、今日はバレンタインデーで、ここは日本なんです。――アメリカと違って、女性が好きな男性にチョコレートを渡す日なんですよ。
 今日、うちのクラスメイトの恋する女子たちは、それぞれ気合いを入れてバレンタインのチョコレートを用意して学校にやってきました。どうしよう受け取ってもらえるかなまたはよろこんでもらえるかなという不安と希望を胸にです。朝下駄箱や机に放り込んでおく、という古典的な方法をとった方もいらっしゃるかもしれませんね。彼女たちは気付いてなかったんです――うちのクラスに、ダークホースが存在することを。ちょっと、火神くんそんな顔しないでくださいよまだ本題に入ってません。
 ダークホースはもう言ってしまいましょう。キミです。火神くんです。このオカン系男子はアメリカナイズドされてしまっているため、バレンタインを『日頃の感謝を伝える日』という認識でいました。脳みそがいまだにアメリカにいらっしゃるんですね同情します。だからやっちゃったんですやってしまったんです。
 火神くん、キミは今日、調子こいて作ったトリュフとアマンドショコラとチョコブラウニーをクラス内で男女問わずばらまきましたね?
 しかもオカン系男子の火神くんの作ったものは完成度が群を抜いています。勿論魔法じゃありませんから人を魅了しまくるわけではありません。ただ…チョコを溶かして固めるだけのものしか作れない女性の気持ちはぼっきり折りました。クラスの男子に想い人がいる人は、火神くん作のお菓子を食べた後の想い人にチョコを渡すことになりハードルが一気にあがりました。
 また、中には火神くんに想いを寄せてる女性もいましたね。彼女たちは一生懸命火神くんにチョコを渡しましたが…火神くんはその場でお返ししちゃいましたね、クオリティーの高すぎる代物を。彼女たちの心もぼっきり折られた訳ですよ、気持ちもなんだか伝わってないし女子力で負けてるしと散々です。キミは悪魔ですか…」

説明を終えた黒子を、火神はにやにやしながら見ていた。散々嫌味を言った筈なのにそんな表情をされた黒子は戸惑い、内心気まずく思った。

「なんですか」
「いや?皆には逆に悪いことしちゃったかなって思ったけどよ…お前一個嘘吐いたなって」
「…僕は嘘なんか、」

黒子は口ごもりながらも否定するが、それを火神は否定した。

「吐いたよ。俺にチョコ渡しにくる女子たちが落ち込むのを見て、内心ざまーみろって思ったんだろ」
「…」

にやにやにや。火神は若干下品な、嫌な笑い方を続けている。黒子はそんな火神の言葉を、もう一度否定することはできなかった。若干の悔しさもあって、黒子は少し顔を背けた。

「醜いです」
「俺は嬉しいけど?」
「…」

火神はクラスメイトに見えないように、こっそりと黒子の真っ白い手をとった。ひんやりとしていて、自分の手で暖めてやりたいな、と彼は思う。火神は少しだけ緊張しつつ、でも何でもないことのように黒子に話しかけた。

「なー、俺さ、今日家に帰ったらフォンダンショコラも作ろうと思ってるんだよな」
「…」
「バニラアイスでも添えて食べようかなって思って」
「…」

むっとした表情のままの黒子に、火神は穏やかな調子で付け加える。

「今日放課後俺んち来いよ」

黒子はやはり、火神の方を見ない。しかし、彼は何も言わずに小さく頷いた。火神は内心、勝った、と思った。拗ねても妬いても可愛い可愛い恋人だなと火神は微笑んだ。 


2014/02/14 18:34 (0)


あけおめ

黒「キセキで初詣行った時は散々でした」
火「何があった」
黒「挙げればキリがないですが、一番は……甘酒に酔った赤司くんが、神社のでかい鈴相手にズカタカ宣言して、綱を上り始めたことですね」
火「Oh…」 


2014/01/01 10:01 (0)


赤司くんのオヤコロって実はすごく可哀想だよな
父親の強い圧力に耐えかねて二重人格になったとしたら、二人目の「僕」の赤司くんはそこから逃げるための、もしくは耐えるためのツール
だから、親でも殺す、殺したい
それって自分が凌駕したい最高の事物が父親だってことじゃないかな
親に敵意と殺意を持ってることにならないかな 


2013/12/30 10:34 (0)


赤司様生誕おめでとうございます
でかめのはTwitterにいます鉛筆書きですが興味ございましたらどーぞ



 


2013/12/20 00:58 (0)


らくがき



 


2013/12/19 20:20 (0)


A「…おい、なんだよ」
B「え?寒くない?だからこう」ぎゅー
A「あー、俺はいいから、あったまってるから。ほらCが寒そうだぞ」
B「そうなの?」ふらふらー

B「ねーC、寒いー?」
C「へ?」

ていうやり取りしてる男子集団がいたんですよね、私は萌えた 


2013/12/18 13:08 (0)


仲のいい緑間と荻原くんの話くだちい
絶対可愛い

絶 対 可 愛 い に 決 ま っ て る 


2013/12/12 12:38 (0)


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