飽き反芻

飽き反芻_愛と嫉妬と束縛 | ナノ
愛と嫉妬と束縛


「気に入たか?」

「えっ、あっ、うん」

フェイタンは私の口枷と拘束を取りながら、私にそう言った。あまりに綺麗に縫われた刺繍に恥ずかしさも少し忘れて見ていて、慌てて布団で隠したが、確かに綺麗だった。フェイタン凄い器用だなっと思いながら、なんだか、拷問されるんだろうなと思っていた分、気が抜けた。

「なんね、期待してたか?」

「そ、そんなことないから!」

慌てて言う私にフェイタンはクツクツと笑って使った道具を綺麗に拭いて消毒し始めた。いつも思うけどフェイタンって凄いマメだな。
なんだか、普段ならあのまま拷問されるか。無理やり犯されるかだから。行き場のない何かにモヤモヤというか、埋まらない隙間に何か欲しい感覚を覚えながら、フェイタンの後姿を眺める。

ちょっと寂しくなって、フェイタンを後ろから抱きしめた。

「どうしたね」

「わかんないけど、くっ付きたくなって」

フェイタンは私が抱きついてるのを気に留めず、作業をして、もうすぐ終わるねっと優しい声で言ってくる。
なんだろう、ちょっと不安。何がとかわからないし、して欲しかったかと聞かれるとまぁ、そうなのかもしれないけど、だけど、そうじゃなくて、ただ、原因のわからない不安になんて言って良いか、何をフェイタンに求めているのかわからない。

「大丈夫ね、したくないわけじゃないよ。試験までは時間があるね。もう少し二人で居たいだけよ」

「うん」

フェイタンはそう言いながら私の手を解いて綺麗になった道具をしまった。離された手の行き場がなくなって、喪失感が押し寄せる。あぁ、私って何時からこんなにセンチメンタルな人間になったんだろう。
いや、初めからだったのかもしれないマゾヒストな人間はメンタルが弱い傾向にあるって聞いたことあるし。

―チュッ
「んっ」

考え事をしていた私はフェイタンが自分の前に立ってた事も気づかずにフェイタンにキスをされてベッドに押し倒される。キスは徐々に激しさをまして、少し苦しいくらいにフェイタンの舌が絡まってくる。
フェイタンに吐息がかからないか心配になって上手く息が出来なくて、顔を逸らそうとすると顔を抑えられて、口内を犯される。

「んふぁ、、、、、んっ、」

ボーっとしてきて、フェイタンの身体を押して離れようとすると、フェイタンの手が私の首に触れてゆっくりと力が入っていくのがわかった。元々酸欠になりかけている所に首を絞められて、うまく力が入らなくなってくる。気持ち良い。フェイタンの舌が私に絡みついてくる感覚、フェイタンの手のぬくもり、フェイタンの身体の重み全てが鮮明に感じられて。

「その顔好きね」

耳元で聞こえたフェイタンの声は少し遠く感じる。あっ

「まだよ」

一瞬、目の前が真っ暗になりかけて、フェイタンの手が離れた。耳鳴りがしてて、一気に吸い上げた空気で咽そうになるが、直ぐにまた、首に力がかかっていき苦しさと一緒にフワフワとする感覚にさっきよりも気持ちよく感じる。

「愛してるね、少し眠ると良いよ」

そう言ったフェイタンがさっきと同じようにキスをして、、、、、笑ったような、、気が、、


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