飽き反芻

飽き反芻_愛と嫉妬と束縛 | ナノ
愛と嫉妬と束縛


「脚少し開くね」

なんでフェイタンが言うと全然、そう言う事をこれからする訳ではないのにこんなにエロく聞こえるのだろうか。恥ずかしくなるからやめてほしい。っと思っていると首のチョーカーがギュッと閉まってきて息苦しくなるのを感じて、ゆっくりと脚を開いた。それを目を細めて満足そうに見てくるフェイタンが憎たらしい。どうせ、抵抗しても力ずくで出来るはずなのに。フェイタンは私の両足を手と同じように拘束して、つーっと撫でてくる。

「久しぶりね、時間はたぷりあるよ、何処からがいいか」

あぁ、もう、フェイタンのその表情だけで私はもう、軽く息が上がり、心臓が高鳴って自分の身体が自分の物じゃ無いような錯覚を覚えてしまう。
触れられた場所から熱を帯びて、恐怖なのか高揚なのかわからなくなってくる。

「そうね、良いことしてやるね」

そう言いながらフェイタンはベッドサイドのテーブルの引き出しから私が使っている裁縫箱を取り出した。普通に布を縫う時の様に針に糸を通した後、先端だけライターで炙ってニッと笑ってくる。針は爪を剥がれるよりか何倍も痛みは少ないし、っとフェイタンをじっと見てると、私のお腹にじかに触れた後服を上にあげてくる。

「んんっ!!」

「何言てるかわからないね、これも邪魔よ」

何の遠慮も情緒なく私の服を千切って一糸まとわぬ姿にさせてくる。抵抗しようにも手も足も縛られたままなので顔を背けると、フェイタンが私の顎を掴んでジッと見つめてくる。

「可愛いね」

どこらへんが可愛く見えるんだろう。口は閉じれないし、よだれは垂れそうになるし、顔だってきっと真っ赤になってるだろうし、悲惨だと思う。
フェイタンは私の顎から手を離すと、私の胸の間の皮膚を掴んで針を突き刺した。

「んっ」

やはり、今までの拷問と比べると思ったよりも痛みは少ない。何度か繰り返すと、次第に痛みに慣れてきたが、同じ付近を何度も刺すものだから少しその付近だけ熱く感じる。何時もだったらあまり反応しないと飽きてくるのか違う事をして私を苛めるのに、今日は飽きないのか私の身体をチクチクと縫っていく。フェイタンをチラッと見ると何時にも増して真剣な顔をしていた。
私の視線に気づいてか、フェイタンがこっちをチラッと見て、

「もう少し待つよ」

と言う。痛くないに越したことはないのでそのままでも良いんだよっとか、別に痛い事をしてほしいって言いたいわけじゃないんだよっと思いながらフェイタンが作業しているのを見てたら、一度糸を切った。


「ここはこれでいいね」

そう言ったフェイタンは乳房の付近に糸を通し始めた。さっきとは違いツンッとした痛みが走る。爪をはがされた時のような激しい痛みではないけれど針が皮膚に貫通し、糸が通っていき、自分の身体とは違うものが身体に通っている感覚が何とも言えない。声は我慢できるものの。身体が強張り、フェイタンが触れている部分の神経だけ研ぎ澄まされて、痛い感覚に少し気持ち良さが混じる。
少しフェイタンの手が止まったのを感じて、フェイタンをチラッと見ると、乳房の先端を掴んで刺そうとしている。

「ほふぁあぅう(そこはダメ!)」

枷のせいで喋れない事を良い事に私を無視してそのままフェイタンはチクチクとまた縫っていくが、さっきよりも敏感な場所なせいで、刺す時の刺さる痛みと刺さった後に力が抜けた場所を通っていく糸の刺激が気持ちよくて頭が混乱してくる。激痛でもない痛みが余計に感度を上げてくる。

「出来たよ」

満足げにニコニコと笑ってるフェイタンを見て、拷問が目的じゃなかったのかっとこの時やっとわかった。

「リノンの肌は白いから黒が映えるね」

そう言ってフェイタンは私の肌に縫った大きな蝶の刺繍を撫でた。


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