飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


フェイタンに啖呵を切って数週間、念能力の応用技である。凝、円、堅、硬をマスターし、後隠と流を習得すれば基本的な念能力で不足はないというところまで鍛えたところでそろそろ此処を出ようとフェイタンに言われ、私とフェイタンは飛行機で例の念能力者のもとへ向かっている。と言っても日本で乗る飛行機とは全然異なり、2段ベッドがあるビジネスホテルのような感じだ。

「ねぇフェイタンどれくらいで着くの?」

「丸一日ね」

私たちがいたヨルビアン大陸から遠く離れたハス共和国という場所に行くらしい、初めは戸籍もないであろう私は国境を超えるのにパスポートもなくて大丈夫なのかと心配になったが、フェイタンが私のパスポートも用意していた。盗賊ってなんでもできるんだね!ってフェイタンに言ったら仕事仲間に依頼したって言ってた。フェイタンの仕事仲間は凄い優秀というかパスポートを簡単に偽装できるなんて凄いなっと感心したものだ。

「ねぇ、見え辛くない?」

そう、折角2段ベッドなのにフェイタンは私を膝に乗せて本を読んでいる。身長もさほど変わらないのできっと見えずらいだろうけど、フェイタンは気にした様子もなくずっとそうしている。
重たくないかとかも考えたが、私の首を片手で持って身体を持ち上げてしまうような人だから、それは大丈夫だろうけど。
初め部屋に入って座るねと言われて隣に座った後違うと言われて膝に座らされた時は心臓が煩かったが、今は少し落ち着いて安心感のようなくすぐったさを感じる。

「黙てるね」

そう言われては仕方ないのでじっとしていることにした。ちょっともたれ掛った背中で感じるフェイタンは、服に隠れて普段はわからないけれど、やっぱり男性を思わせる少し硬い胸板をしている。少し意識してしまってドキドキとしながらもフェイタンに包まれている暖かさに眠気がくる。力が抜けてフェイタンに寄りかかると

「眠いか」

とフェイタンが耳元で言ったのがこそばゆくて少し身をよじる。聞こえてきた方を向くと近くにフェイタンの顔が見えて息のかかる距離で思わず息をのむ。

―チュッ

小さなライトキスをされた後恥ずかしくて目を閉じたら、もう一度フェイタンの唇が触れた。今度は口内に舌が侵入してきて、慣れないながらもフェイタンの舌に自分も答えるように絡めると、吸い付かれてフェイタンの口内に私の舌が侵入する。

「んふっ、、、ぁ」

前のような激しいキスではなくてゆっくりと全てを舐めとられるような感覚に気持ちよさに頭がボーっとする。ゆっくりと離れる唇に少しさみしさを感じた。

「なんて顔ね」

フェイタンはそう言って私の額にキスを落とした。
フェイタンはあのフェイタンの知り合いにあった日からたまにこうして優しくなる。何を考えてそんな風にしてくるのかはわからないが、凄く満たされた気分になる。きっと私は今、高揚した呆けた顔でもしているのだろうか。

「んんんっ」

フェイタンは私の首を絞めた。拷問の時のような痛みはないが酸素が取り入れにくいのか、さっきのキスの時のようにボーっとする。と同時にフェイタンの意地悪な笑みにトクトクと心臓が高鳴っていき、あぁ、なんて幸せなんだろうかと思う。

「気持ちいのか?」

「ハァ、、、、、ッァ」

フェイタンは私がそういう事を言うのが苦手だという事を恐らく知っていて聞いてくる。どうしても恥ずかしくてやっぱり答えられない。フェイタンは時折首に掛けている手を緩めたり絞めたりを繰り返して私が気絶しないようにしてくる。

「言えないか」

「あぁっ」

「大きい声出すと隣に聞こえるね」

フェイタンは首を絞めている反対の手で私の乳房の頂点を抓りながらそんなことを言ってくる。何時もはいくら声をだしても誰にも届かない密室でまわりもスラム街な為、気にしていなかったが今日は違うんだったと意識した瞬間、必死に声を耐えながら、恥ずかしさと他の人に聞かれてしまうのではないかとドキドキする。フェイタンは私が必死に声を抑えているのがわかったのか、乳房から手を離してワンピースの中に手を入れてきた。

「ぁっ。。。。そこはっ」

フェイタンは私の下着の中に手を入れてきてつけられているピアスを引っ張った。鈍い痛みがはしる。

「んんんっーーーー」

思わず声が出そうなのを必死に我慢した。フェイタンが楽しそうに私を見るのが見える。

「まだ、時間は沢山あるね」

と言ってフェイタンは私に口づけた。


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