飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「で、フェイタンの知り合いなのか?シャルも知ってるようだが」

団長が話を戻してそう聞いていた。フェイタンはなんと答えようか悩む。知り合いと言うには余りにも長く一緒に居て、一緒に住んでいる。ただ、恋人と言うには余りに歪な上に付き合うと言った覚えも言われた覚えもない。

「私の部屋に気が付いたらいたね」

「は?」

フェイタンの答えに団長ではなくフィンクスが反応する。余りにも抽象的すぎる答えに納得してないのであろうが、フェイタンが嘘をついているわけではない。

「で、面倒を見てたと?」

「あぁ、そうね」

聞いた団長を含め、フィンクスとシャル、記憶を覗いたパクノダ以外はフェイタンの答えに驚いた。否定せず、メンドくさそうに言ったフェイタンに嘘はなさそうだ。ならばフェイタンは家に急に落ちてきた女を甲斐甲斐しく世話をしてやったと言う事だろうかっと普段の彼からは想像もできないと言った顔だ。それを見たシャルは、そうなるよねっと思った。

「ゴホッ、まぁ、情報を提供してくれるなら、別にとやかく言う気は無いから」

と団長が言ったので他のメンバーもそれ以上は何も言わなかった。ただ、シャルだけは何か納得していなさそうにしている。

「ねフェイタン、リノンはそのまま生き返るの?」

「全て元どおりね」

フェイタンはそれ以上話したく無く、黙ったが、皆がどんな誓約にすればそんな事が可能なのかと聞いてくる。確かに気になるとことろだろう、自分だったら知りたいと思うが、まだ言う訳にはいかない。現状の旅団にとってリノンは取るに足らない人物だ。

「で、どれくらいで起きるんだ?」

団長はフェイタンがどうやっても答えないと諦めたのか、違う話題をふってきた。そういえば正確な日取りは分からなかった。3日で生き返る時もあれば4日かかる時もある。恐らくだが、怪我や具合で数時間ズレると言う事だろう。

「3、4日かかるね」

「なら、それまでは、フェイタンの部屋で良いかな」

聞かれるまでもない。フェイタンはリノンの身体も丁寧に持ち上げた。

「フェイタン!酷いことするなよ!」

シャルの言葉にお前に言われる筋合いは無いと思いながらアジトで割り当てられた部屋に向かう。
腕に抱えたリノンは、腕も脚もかなり痛んでいて、恐らくウボーギンにやられたのだろうっと思った瞬間、フツフツと怒りが湧いてくる。

−またく、何時もワタシを苛立たせる事ばかり

フェイタンは毎度自分の思い通りにならないリノンへの怒りが湧くが、前みたいな衝動的な感情にはならなかった。それはリノンが自分から逃げた訳じゃ無いことが、フェイタンにはわかっていたからかもしれない。

「起きたらお仕置きが必要ね」

フェイタンはそう言って、リノンをベッドに優しく置き、身体から離れた彼女の唇に口付けた。

−早く起きるね




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