飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


苦手な人種だっと思う。こう言う人に限って言葉が通じないやつが多いんだよなっと思いながらどうにか逃げる方法を考えるが、男はかなりのパワーを持ちながらも早い。
たまにこちらからも硬で蹴りを入れたりするが当たった感触は硬い鉄板に素手でパンチしたような感じで、相手にダメージを与えるどころかむしろこっちがダメージを食らっているようなもんだ。少しの間攻防をくりかえすが、ほぼかわすだけで精一杯で、このまま避けていれば体力の消耗が激しすぎてこの男によって血を流す頃には私の体力が残っていなくなるだろうと判断して、

−バキッ

「つっー」

なるべく致命傷にならない程度に相手の攻撃を受けたが思った以上の威力に腕が折れる。しかし、相手の頬に傷を負わす事には成功した。

「面白くなってきたな」

−こっちは全然面白くないわ!

叫びたい気持ちを抑えつつ、冷静に考える。これである程度相手に攻撃をとうせるはず、タイミングを見計らって逃げよう。まともに戦って敵う相手ではない。

「ハハハハハ、いいねぇーハァ」

−なんだよコイツ、ホント化け物

一度当たった血の攻撃は相手を絶状態にするはずなのに攻撃が当たってもまるで手応えがない。多少の血は滲んでいるが、血で出来た刃は貫通せず当たった瞬間少し横にずれて刺さらない。これだと、普通の刃物だったら絶状態でも刺さるどころか刃物の方が折れてしまうだろう。

「ハッハッ、、、最悪」

本当に最悪だ。フェイタンとの約束を破ってしまった自分を責める。少しの興味に負けてしまい、こんなところに来てしまったせいで、、
っと思った瞬間、男が腕を振りかぶったのが見えて避けようと飛んだが、少し遅かったのか脚が痛む、フェイタンの拷問には負けるが少し痛む。きっと普通の時ならかなりの痛みだろうが、アドレナリンが出ているのかジクジクと痛むがまだ何とか立ってられる。
だが、この男から逃げられる程早くは走れないだろう。

−ダメか、どうせ死ぬならフェイタンに本当に殺されたかったな

そう思うと同時に最後の足掻きだと彼に攻撃された部分の纏っていたオーラを弱め、血をドクドクと流してしく。

「ハァハァ何だもう諦めたのかよっ」

そう言う男の息もだいぶん荒れている。これなら相打ちも夢じゃないかなっと思いながら私は賭けに出る。
自分から出て行く血にありったけのオーラを込めて、運が良ければ、生きて帰ってフェイタンに殺してもらおうと思いながら、殴ろうとしてくる男から逃げずにまっすぐに攻撃する。

「カハッ、、」

男のくぐもった声と同時に自分の体が後ろに飛び、意識が遠のいて行く。何時もの拷問の後のようにゆっくりとゆっくりと自分の体の感覚がなくなるような感覚は、飛んでいる間の一瞬の間だった。

「ハァハッ、、ター、、疲れたぁ」

ウボーギンはそう言うと後ろに倒れた。もう立てないと言う訳ではないが、心地よい疲労感が染み渡るのを感じて思わずっと言ったところか。

「やべぇ、時間に遅れちまうわけにいかねーからな」

っと立ち上がって、出口にいた女を見たらまだ息があった。

「マジかよ」

ウボーギンは手応えもあり、確実に仕留めたと思っていたが、女の身体を見たら、腕や脚はかなり破損しているが胴体から上はそこまでの破損は見当たらない。
恐らく攻撃を放った瞬間脚や腕を捨てて頭や胴体のみにオーラを集中する事によって致命傷を免れたのだろう。

「こらぁ、団長も気にいるぜ」

ウボーギンはそう言って女を担ぎ上げた。


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