飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


私は展示会を楽しみながらも、さっき見た展示物が気になった。あれは、私がこの世界に来た時に見た石ではないだろうか。だが、そんなしょうもないただの石で異世界トリップって馬鹿らしい。っと考えを拭い、展示物を見る。薄暗い部屋なので携帯を見るわけにもいかず、そろそろ1時間経っただろうか。まだ、見れていない品があるが、そろそろ帰らないとっといくつかすっ飛ばして出口に方へ向かった瞬間

−パリンッ

大きなガラスが割れた音と共に電気が全て消えた。それと共に女性の短い悲鳴と人々の困惑する声が響く。
真っ暗闇で何も見えないが少し遠くに大きなオーラの塊、いや人の気配がする。それは隠そうともせず、あまりに圧倒的なオーラ量に体が少し震えるが、ボーっとしてたらやられると本能が告げている。

私は正気に戻ると同時に出口へ駆け出した。もしもこれで怪我でもしたら、怒られるどころの話ではない。
身の危険を感じながらもこの展示会で暴れている化け物にやられる心配よりフェイタンに怒られる心配をする。

「逃がさないよ」

女性の声が聞こえて後ろに飛び退いたが、足に何か当たった。それと同時に相手の舌打ちが聞こえる。

−しまった

相手の女性も私の能力で脇腹に怪我を負ったみたいだが、それば自分に傷がついてしまった事を意味している。
これは、確実に怒られる。と思いながらも今はそれどころじゃない。このままでは怒られる何処ろか生きて帰れないっとやっと今の状況を理解する。

「おうおう、手応えのあるやつがいたか!俺とやろうぜ」

目の前の女性から目を離さず、後ろの気配を伺うと先程まで何人もいた客の気配がほとんどない。

−なんて奴、さっきの一瞬で全員やられた?

これはかなりヤバイ、脚には自信があるが目の前には女性、後ろには化け物並の男がいる。女性の横をすり抜けようにもさっきの攻撃をかすり傷だけで済ますなんてシャル並に強いと思いながらも、まだ女性の方だけなら一撃食らわせているので何とかなるかと考えていると

「マチ、譲ってくれよ」

「あんたね、遊んでる暇なんてないんだよ」

「良いじゃねぇか、好きにしろって言われてんだしよ」

男がそう言うと女性はあんまり遅くなんなよっと言って出て行った。その隙に私も出て行こうとしたが後ろから攻撃が来るのがわかり横に飛ぶ。

「そう焦んなよ、遊ぼうぜ」

っと言ってニカッと笑った男は図体もでかく、出ている上半身はかなり鍛えられたものだ。笑顔は純粋に戦いを楽しみにしているのだろうか屈託のない無邪気なものだ。

−タチが悪い


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