飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「ちゃんと部屋に帰たか?」

「うん、ご飯買いに出掛けたくらい」

言われた時間に電話をかけるとフェイタンは直ぐにでて開口一番に聞いてきた。今朝に出掛けて行ったばかりなのにもう何日か会っていない気分になる。
この前だって2日程会っていなかったのに、、、あの時はシャルが一緒に居たから、なのか、外に出て自由がある程度あるからなのか、、、

「フェイタン今は仕事中じゃないの?大丈夫?」

そう言えば毎日連絡しろと言われているから連絡したが、フェイタンの仕事は盗賊で盗賊に勤務時間なんてものがあるのかわからないから、長電話しない方が良いかと聞いてみた。

「大丈夫ね、仕事中でも電話くらい出来るね」

とんだホワイトなお仕事だなっとも思いながら盗賊だからホワイトでは無いかっと自分に突っ込む。

「リノン、もし、帰れるとしたら帰りたいと思うか」

「えっ?フェイタンと帰るからホテルでも平気だよ」

何を急に言いだすんだろうと疑問に思いながらも、元より私が付いてきたいと付いてきたのだから先に帰りたいなど思うはずがない。何か起こったのだろうかと少し心配になった。

「違うね、リノンが居た世界の事よ」

あぁ、フェイタンはやっぱりわかっていたのか。
この世界に来てから此処は違う世界なのだと理解したが、フェイタンにそれを言った覚えはない。言わなくても私はもうフェイタンから離れる気は無かったし、特に元の世界に何か未練があったわけでもない。たまに寂しい気分になる事はあるけど、フェイタンと離れてまで戻りたいとは思わなかった。
だから、言わなくても良いと思っていたんだけど、、、

「思わないよ、フェイタンが戻れって言うなら話は別だけど」

「なら良いね、もし帰りたい言たら、足切り落として逃げられない様にするつもりだたね」

そんな風に怖い事を言うが、それだけ私を愛してくれているのだなと思うと可愛いものだ。

−フェイタン、そろそろ出るよ

電話越しにシャルの声が聞こえた。
やっぱりシャルもフェイタンの仕事仲間だったのかと思いながら、ちょっと名残惜しいがまた明日も電話できるしっと思い。

「また、明日同じ時間に電話するね」

「あぁ、17時には帰えるね」

また、門限を言うフェイタンが面白くて笑いながらわかったって言うとフェイタンは夜の挨拶をして電話を切った。

切れた瞬間、さっきまで話していたのが嘘の様に静まり返った部屋に寂しさを覚える。初めて留守番をした時5日間も一人でいたのに寂しくなんてなかったし、元の世界いた頃も一人暮らしだった。元々は人とずっといるのも好きじゃなかったはずなのに、こんなに一人が寂しいと思う日がやってくるなんて思ってもみなかった。

「好きって複雑だな」

ドキドキしたり、悲しくなったり、寂しくなったり、憎くなったり、独り占めしたくなったり。なんてドロドロした感情なんだろうかと思いながら、疲れるけどでも、絶対誰にも渡したくない。

−私がフェイタンの物であるようにフェイタンもいつか私の物に

私が今一番欲しいもの


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