飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


結局昨日、シャルはこのホテルに泊まった。流石に同じ部屋は絶対に嫌だと言うと仕方ないから隣の部屋で泊まると言っていた。

朝起きるとシャルが部屋にいて、この人は毎回毎回鍵がかかっている部屋にドアも窓も壊さずどうやって入ってきているんだろうと疑問になる。

「ねぇ、ご飯食べに行かない?」

「出て行っちゃダメって言われてるから行かない」

シャルが此処にいるのは仕方ない不可抗力だ。私のせいじゃないで何とか言い訳できるけど、外に出るのはダメだ。しかも、出掛けるのを禁止されているにもかかわらず、自分で出掛けたとなればっと考えてブルブルと身体が震えた。

「リノンって変わってるよね。怖いなら逃げればいいのに」

「逃げたって捕まえられるでしょ、それに離れたいわけじゃないもん」

そう、怖いけど怒られるのが嫌でも逃げたいとは思わない事はなけどでも、それでもフェイタンから離れたいとは思わない。だって、何されてもいいと思えるくらい好きなんだから仕方ない。

「ふーん、よっし」

「ちょっと!何してるの?」

シャルが私をベッドに押し倒して来た。この前、男に少し触れられただけでかなりフェイタンは怒っていた。もしこんな所を見られたらと焦る私とは正反対にシャルは平然とそんな怖い顔しなくてもっと笑う。

「早くどいて、冗談でも笑えないから!」

「リノンって可愛いよね」

そう言ったシャルは私の方を向いてはいなくて、何言ってるんだこいつ!っと思いながらシャルの視線の先を見たらそこには無表情のフェイタンがいた。
ヤバイ非常にヤバイっと危機感を覚えた私は固まってしまった。フェイタンもシャルも何も言わないので必然的に無言になるこの雰囲気が凄く居心地が悪い。

「何やてるか」

「ん?抱こうかなっと」

フェイタンから聞かれて答えたシャルの言葉には?っと思わず声が出て、ふとフィンクスという男と会った時の事を思い出して、これは非常にマズイとシャルの腹を蹴ってフェイタンの後ろに隠れる。チラッとフェイタンを見るとフェイタンも此方を見ていた。

「危機感なさすぎね」

きっとシャルは面白がってるだけで本当に抱こうとは思ってなかっただろうし、だって直ぐにフェイタンが帰ってくるなんてタイミングが良すぎる。それに、シャルはまぁまぁ、イケメンだから美人な女の人なんてほいほい釣れそうだから私なんて興味ないだろうしっと思いながらも口には出さず、ごめんなさいとだけ言っておく。見た目的にはこの前よりかはあまり怒ってなさそうに見えるが、たまに怒っていてもわからない時があるから怖い。

「別にいいじゃん。ちょっとくらい」

「ちょとてなんね?」

「一回抱くぐら良いでしょ」

サイテーっと思いながらフェイタンに服を握ってくっ付きながらシャルを睨んだ。一回抱くってそんな軽々しく言うなんて!チャラ男だったのかこいつっと思っていると

「もう一度でもリノンに触れたら殺すね」

「団員同士のマジ切れ禁止だよ」

っと、シャルが言った後続けてハーッとため息をつき、まぁ、ちょっと遊びすぎたし、帰るよって言って立ち上がり扉の方に歩いてく。

「楽しかったよリノン、また遊ぼうね」

っと言い残して帰って行った。
何がまた遊ぼうだよ!それまで楽しかったのが最後の最後で台無しだよ!っと思いながらなんだか凄く疲れきって、フェイタンの服を離してベッドに座り込んだ。

「二人で何してたね」

「隠の修行してた」

本当のことを言ったがフェイタンは納得していない様だ。恐らくフェイタンの何をしていたと言う質問はさっき押し倒されていた光景について聞いているのだろうと察した。

「押し倒されたらフェイタンが帰ってきたから、」

「シャルは何故部屋に入ってたね」

「どうせ、会わないからと思って寝てて起きたら部屋に、、」

フェイタンの問いに事実を言うが、どれも言い訳にしか聞こえない事は自分でもわかっている。フェイタンは前ほど怒ってはいなさそうだけど機嫌が悪いのはわかる。

「危機感がなさすぎるね、フィンクスの時といい今回もね」

フェイタンはそう言いながら私の唇を奪ってくる。フェイが嫉妬しているのが嬉しい反面申し訳なくて、精一杯フェイタンに応えられる様に自分がフェイタンだけを愛していることが伝わる様に口づけに応える。

「それとも仕置きされるのが好きか?」

唇を離したフェイタンは何時もと同じ意地悪な笑顔で言った。


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