飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


白いで意識が浮上した私はまた、徐々に痛みを感じて絶句する。ここで感じる痛みは現実に起こった痛みの2倍、最近はあっさり殺される事が多かったからそこまで辛くなかったが、今日はあまりの痛みに初めて生き返った日の事を思い出す。
きっと私の身体は散らばっているだろう事を悟りながら、耐えきれない痛みにただただ声の出ない白い世界で叫び続けた。

「ぁ、、痛いっ、ああああ」

急に視界が変わり薄暗い部屋で目が覚めたものの、意識的にずっと叫んでいたので止められなかった声はそのまま出ていく。想像した通り私は切り刻まれていた。ただ前と違うのは、私がいる場所が浴槽で切り刻まれた身体は全てそこに入っていると言う事だけだろうか。

「うっ」

相変わらず、内臓が飛び出たのが身体の中に戻る時の感覚は慣れない。思わず上半身を浴槽から出して外に血と胃酸が混ざったものを吐き出した。身体は次第に傷が塞がり歩ける様になる。とりあえず、そのままシャワーを浴びて出る事にした。

そういえば何時もなら床とかに転がったまま生き返るが今日は酷すぎたから浴槽に置いといたのかなとか思いながら身体を拭いて脱衣所から出た。ホテルは前と同じホテルに帰ってきていたみたいだ。だけどフェイタン居ない。

「どこ行ったんだろ」

置いていかれたんだろうかとも思ったが机の上に紙になにか書かれていたので多分出掛けたのかなっと思いベッドに横になった。

「そういえば携帯」

そう、初めて留守番した時にもらった携帯の事を思い出して、携帯を探した。携帯は脱衣所の私の着替えの上に置かれていた。私は仕事だったら連絡したら迷惑かなっと思いながらも、もし、何日も留守番な場合、ご飯どうしたら良いのだろうか、それに此処に食べ物はないから外に出ても良いのか聞かなきゃ、フェイタンは私が生き返ってるのも知らない筈だしと携帯を開いた。

「文字いい加減覚えないと…」

開いた携帯はもちろん私の知らない文字が並んでいる。ただ、元の世界のガラケーと同じように電話のマークやメールのマークが付いていて何となくわかる。
ただ、今まで電話した事が無かったので電話帳にたどり着くのに時間がかかった。

「一件しか入ってないからこれだよね」

私はおそらく電話帳だろう場所に1つだけ入っている連絡先であろう番号を見つけた。もし、違ったらどうしようと思いながらもそれを押した。

−プルプル−プル

「はいはーい」

−待って待って誰?間違えた?!

フェイタンとは違い明るい声にビックリして、何を話せばいか戸惑いこのまま切ろうかと思って耳から携帯を離そうとした時。

「何、人の物かてに触てるか!!」

あっ、フェイタンの声。怒ったフェイタンの声に続いてさっき電話に出た人がいいじゃん、フェイタンに女からの連絡なんて珍しいし、置きっ放しにしてる方が悪いんだよっと言っているのが聞こえた。
そんな風に強く言い返せるなんて仲良い人なんだろうなっと思いながら聞いていると、

「さき、何か話したか?」

「ううん、ビックリして何も話してないよ」

フェイタンはハァーっとため息をついて、なら良いねっと言った後にどうしたか?っと聞いてきた。

「どれくらいで帰ってくる?」

「2、3日で1度帰るね」

そうか、それまでは一人なのね。ちょっぴり寂しいが仕方ない。ただ、それまで何も食べなくても平気だけど出来れば何か食べないなぁっと思って

「ご飯どうしたらいい?」

「2、3日我慢するね」

うん、そうなんだけどね。んー、まぁ、仕方ないか、付いてきたいって付いてきたのは私だし、我慢するわ。っと思っていたら、

「何々?なんだったらフェイタンの代わりに行ってこようか?俺今回の仕事は後当日だけだからさ暇だし」

先程の明るい声が電話越しに聞こえて、それに続くようにダメねっと言うフェイタンの声が聞こえた瞬間電話が切れた。かけ直そうか考えたけど、フェイタンがダメだと言ってるんだから覆らないだろうと電話を置いて、修行をする事にした。

「フェイタンが帰って来るまでに少しは強くならないと!」


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