飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「座るよ、どちにしろそのままじゃ不便ね」

フェイタンはそう言って後ろにある私が座っていた椅子を指差した。完全にキレているフェイタンは怖いが此処で歯向かえば私は樽に入っている男と同じ末路だろうしと諦めてフェイタンに言われた通りに椅子に座った。

「この前してもらってるし、サクッと殺してもらえ、、、ないですよね」

そう、男を捕まえに来る前に念の為能力が使えるようにと私は一度殺されていた。だから、二週間内に生き返りの能力は使っていたのだが、フェイタンはそれ言おうとした私を見て睨みつけながら、私に近づいて綺麗に縄で拘束する。

「治すためだけじゃないね。躾よ」

何で何だろうか、これからされる事は近くの樽に入っている男がされた事と対して変わりないと言うのにフェイタンの言葉にさっきまで見ていた時の様な恐怖の様なものはないとまでは言わないが薄い。それよりも、高揚感の方が高まるのは何故なんだろうか。

「それ、止めてやるね。発やめるよ」

何をされるか大体見当はつくが最早歯向かう気など無いので言われた通りに血にオーラを止めた。

−パシュッ

「ぅぐっ、、ぁあっ」

焼かれるかと思ったらオーラを纏って止まっていた血が床に落ちると同時に男に切られた手の方の腕を切り落とされた。

「ワタシは腹が立てるね」

「ごめんなさい」

見ればわかるよっと思いながらも怖すぎてそんな事は言えない。拷問される事が怖いと言うより怒らせて離れていかれる方が恐怖なのだけど、それでも怒っているフェイタンが怖い事には変わりない。

「何が悪いと思て謝てるか」

フェイタンはそう言って、男に使った鉄の棒とは違うものを木炭に入れてガシャガシャと動かしながら聞いてきた。これからされる事を想像しながら心臓が高鳴ってくる。

「攻撃を避けきれなくて怪我したぁあ゛ぁんっぁあ」

案の定フェイタンは私の腕にそれを押し付けてくる。喋っていた途中の私は声も抑えられず、身体は押し付けられているそれから逃れようと反対側に仰け反るが身体は固定されていてこれ以上逃げられない。何度経験しても痛みに耳鳴りと一歩意識が後ろに下がり冷や汗が出てくるのは変わらない。

「もう一度聞くね、何が悪いと思うか」

「ぅっ、、ハッハァ、無断で殺しかけあ゛ぁっぐっふっ」

フェイタンは私の答えを最後まで聞かず、反対側の腕を切り落として、首を締めてきた。そのままの状態でまた焼くものだから声も押し出された僅かな音しか出ない。

「正解するまで続けるね」

フェイタンは、薄ら笑いそう言った。楽しく拷問しているであろう時と違ってこういう時のフェイタンは怖い。腕が切り落とされるのは痛いが爪を剥がされる時のような意識が遠くなるようなギンギンとした感覚はない。それと同じ様に痛みにも種類がある。こういう時のフェイタンは本当に感じられる痛みの限界ギリギリを攻めて意識を飛ばすことも許してはくれない。

「早く言うね、10秒黙てるのは不正解よ」

私はとにかく思い当たる事は、言ったのにと思いながらも痛みに悶える頭をフル回転して、言葉を変えて怪我をしてしまった事と相手を攻撃してしまった事を謝罪する。
その度にフェイタンから違うと言われて少しずつ切り刻まれてしまう。
フェイタンの機嫌は徐々に降下していってるのが分かる。

「ご、めん、なさぃ」

「なにに対して謝てるか、ただやめて欲しいから謝てるか」

フェイタンは私の髪を掴み上げてそう言ってくる。私が何に対して怒られているのかどうしても分からなくて謝ってる。と言うとフェイタンは髪を掴んでいた手を離して、私を抱きしめて耳元で囁いた。

「リノンは私の物ね、私以外に触れる事も許した覚えは無いね」

フェイタンはそう言いながら私の胸の下に手を突き刺して、私の身体の中に侵入してくる。上手く傷つけられていないのか血は殆ど出ずに切り裂かれた皮膚と肉が痛むが中に入ってきたにも関わらず、内部は痛みではなく圧迫感と異物感が凄い。

「わかたか」

私が答えようとした時には、私は息が出来なくなって、心臓がバクバクと動いた事しか分からず、意識を失った。


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