飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


私とフェイタンは更地にいた。

「もと、感じるね」

「、、、ぅっ」

何そのエロそうなセリフはっと思いながら、オーラでガードするもあまりにも強い打撃にバランスを崩して倒れる。フェイタンとの約束を果たすために私はフェイタンと戦っていた。
残り3日で私は未だにフェイタンに傷すらつけられていない。その理由は簡単だ。相手への明確な殺意を誓約にしてしまったせいである。フェイタンに対して殺意が湧く訳もなく、誓約のない状態の能力分しか威力が発揮できないのだ。

「カハッ」

フェイタンは瞬時に私の傍に立ち、倒れた私に容赦なくお腹を蹴ってくる。蹴られた勢いに胃酸が上がってきて思わず吐いてしまった。

「全然話にならないね」

その通りだ。私は悔しくて仕方なかった。足元にも及ばないどころか。これでは赤子同然だ。

「使い物にならないならいらないね」

―今なんて言った?

いらない。いらないと言われた。そう思った瞬間私の心はどす黒い闇に包まれるように瞬間的にいろんなことが巡っていく。

いらないってことは私から離れていくってこと?愛してるとか言っておいて結局気まぐれだったの?だったらなんで希望なんて持たせるような事をしたの?と傍にいれるだけで良いと望んだ私はそれすらも許されないのか、もう一緒にいられないくらいならっと思った瞬間。

「くっ、、悪くはないよ。もう少し威力があれば問題ないね」

そう言ったフェイタンを見ると肩に刺さりかけている私の血で作った刃を手で握っていた。フェイタンの肩と手からは少量であるが血が出ていて、私はその瞬間なんてことをしてしまったんだろうと後悔の念に苛まれる。

「約束は約束ね、ただし、メインの仕事は連れていけないね。団員じゃないやつを参加させるわけにいかないね」

「え?」

フェイタンが残るならそれでもいいと言ってきたのを聞いて我に返る。

「行く!ついてく!」

私は地べたに這いずったまま勢いよくそう言ったら、フェイタンが私を抱きかかえて帰るねと言った。ふふふっと笑いながら幸せな気分になった。ギュッとフェイタンの服に顔を摺り寄せて気付いた。

「ごめんなさい。」

フェイタンに摺りついた私の頬にはフェイタンの血が付着した。あの時は何がなんだかわからなくなって、フェイタンが私から離れてしまうくらいなら殺してしまおうと思ってしまったのだ。だけど、冷静に考えると酷い話だ。

「何気にしてるか、傷一つつけれないのは戦闘できるとは言えない言たね」

そうだった。もとよりフェイタンに傷をつけられることが連れて行ってもらえる最低条件だったのだから、傷をつけて当たり前なのだし、普段はこれ以上の事をフェイタンにされているのだから、フェイタンが気にしなくても良いといった。だけど、やっぱり気になってしまう。

―人を回復できる能力も欲しいな

「フェイタン、私強くなるから、だから捨てないでね」

「さきの気にしてるか、冗談ね」

その冗談ホントに笑えないからやめてねっと言ったら、その時は殺せるくらい強くなってワタシを殺せばいいねとフェイタンは笑った。



あぁ、私達は似ている。








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