飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


昨晩は結局寝れず、飛行機から降りた私はクタクタだった。しかも、隣に聞こえるって言っていたのに飛行機から降りたのは私たち二人だけだった。
そう言えば飛行機に乗るときほかの乗客を見なかった。てっきりギリギリに乗ったので先に部屋に乗っているのかと思っていた。
一睡も出来なかったにもかかわらずクタクタな私に反してフェイタンは何時もと変わらなさそうだ。

「寝てると良いね」

身長さもほぼないのにフェイタンは私を軽々と抱き上げて歩き始め、そう言った。鍛えられたフェイタンの腕の中は安心感で満ちていて、歩いた少しの揺れが私の眠気を誘う。今日は言葉に甘えて寝ることにしよう。トクトクと聞こえるフェイタンの鼓動に私は少し眠った。

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「もうすぐ着くね」

フェイタンの声と身体を揺さぶられる感覚で目が覚めた。いつの間にか車の助手席に座っていた私は変な体勢で寝ていたのか少しの首に違和感があった。

「おはよ、、」

「もう夕方ね、全然お早くないよ」

確かに外は少し日が落ちかけていた。外を見てみると低い建物がたまにポツポツと建っているだけで地面も舗装されておらずガタガタと揺れいる。

「あそこね」

フェイタンが指差したのは、一軒の古びた家だ。念能力者の力により自分の能力を知る事とそして、その後その念能力者を始末する事を考えると近づくにつれてドキドキと心臓が高鳴っていく。

「本当に出来るか?やめとくなら今ね」

「やるよ」

車を止めてフェイタンはそう言った。一緒に行くと言った時にもう心は決めていた。今更出来ないなんて言わない。それに一人じゃないフェイタンが一緒にいる。私はフェイタンの為なら何でも出来る。そう自分に言い聞かせる様に思い車を降りる。
フェイタンは車から降りると家の玄関に立ちノックした。

「はぁい」

中から聞こえた声は意外にも女性のものだった。少しして出てきたのはグラマーなお姉さんでトップスと長いスカートでヘソが出てる。女の自分でもドキッとするくらいの美人だ。

「あら、この前の」

「占って欲しい人がいるね、頼めるか?」

フェイタンがそういうと彼女は中に入れてくれた。フェイタンが普段以上に優しい声で彼女に言うので少し違和感を感じてしまう。殺せと言うのだから親しいわけではないのだろうけど少しモヤモヤしてしまう。
家に入った私達は彼女に案内されて高さの低い机しかない部屋に案内された。

「そこに座って」

と言われて私達は彼女が座った反対側に座った。彼女は机にタロットカードと水槽の様なものと布、何も書いていないカードとを置き、誰を占いたいの?っと聞いてきた。フェイタンは先日私から抜いた髪を渡しながらリノンと言う女ねっと答えた。
私が隣にいるにも関わらずそのように言ったのはもしもの為だろうか。

彼女はそれを聞くと私の髪を布に巻き、カードをシャッフルしだした。

「終わるまで話し掛けないでね」

と彼女は私に言ってカードを机に並べていく、と同時に彼女はオーラを纏っていく。何度かカードを並べて開いてを繰り返し、何度目かカードを束ねるとで私の髪を包んでいた布ごと燃やしてカードの上に乗せて燃え尽きるのを待った。そしてそれが燃え尽きると一番上のカードの裏面に焼き目で6と数字が出てくる。

彼女はその数だけカードを表に向けて置いた。

表に向けられたカードには何か絵柄と文字が書かれているが読めない。そしてそのカードと何も書いていないカードを一緒水槽の中に入れた。

すると一度全てのカードが沈み、何も書いていなかったはずのカードだけが浮き上がってきて、それを彼女が手にとった。

「何だかんだ凄く物騒な事ばっかり書いているわね」

彼女はそのカードを見てそう言った。するとフェイタンが私の方を睨んでくる。そうだったとここに入る前にフェイタンに言われたことを少し忘れかけていた私は思い出した。

「見せてもらっても?」

私がそう言うと彼女は少し距離のある机に身を乗り出し私にカードを差し出した。

−シュッ----シャー

「ァガッ」

私は瞬時に立ち上がり首を切ろうと手を硬で強化して振り下ろしたが、完全に切りおろせなかったようで、首から大量の血しぶきを上げなら傷口を抑えてのたうちまわっている。


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