飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


あれから何分か過ぎたが、だいぶん緊張もほぐれたのだが、いかんせん暇だ。フェイタンが何を読んでいるのか気になってチラッと見たがやっぱり文字が読めず前を見て悩む。
テレビはあるがフェイタンは見ていないだろうし、つけて煩くすると怒られるかなとか思うとジッとしていることにしていた。

「暇だたら纒か練でもしてるね」

「何それ」

何かのゲームだろうか、フェイタンは本を読みながら言ったが私の返答にチラッと私を見てはぁーと溜息をついた。

「自分の身体が変わた自覚はあるか」

「死ななくなった!」

フェイタンはその理由がわかるのかと思うと少しばかり興奮して食い気味に聞いた。フェイタンは心底嫌そうな顔をして本をパタンッと閉じ、仕方ないねっと呟いた。

「楽しいお勉強の時間ね」

−怖い怖い怖い

フェイタンの楽しいは絶対楽しくないってと思いながらも拒否なんてできるはずがないので、何をするかも分からないがとりあえず従っておこう。何も言い返さない私を余所にフェイタンは紙とペンを用意して、そち座るねと対面側を指指したので、言われた通りに座った。

「リノンが何度死んでも生き返るのは念能力のおかげね」

と言ってサラサラと紙に文字を書いていくが何を書いているのかさっぱりだ。サイコロの5の様に位置した単語がなんと書かれているのか。。

「念の基礎はこの4大行ね」

「あ、あのっ、なんて書いてるのかさっぱり」

「お前文字も読めないか」

フェイタンは呆れたのか、書いていた紙をポイッと投げた。投げた紙は綺麗にゴミ箱に収まる。考えるよりやらせた方が早いかと呟いて私の額をピンっとデコピンした。

−ドッンッ
「カハッ」

弾かれた瞬間後ろに1メートル程飛んだ。
頭が吹っ飛んだんじゃないかと思うくらいの威力に思わず息が出来なくなったが、まだ私は生きているようだ。首の骨もかろうじで無事だった。

「指に少しだけ凝を施せば簡単にこれくらいは出来るね」

「待って待って何言ってるのか全然っわかんないよ」

フェイタンは心底面倒くさそうにそう言った後、また私にデコピンして来ようとするので慌てて立ち上がり距離を取る。

「ハァーワタシのオーラも見えないか」

「オーラ?」

何のことかわからないがフェイタンをよくジーッと見てみてもやはり何も見えない。そんな私の姿を見てフェイタンは黙り込んだ。考え事をしているのだろう。

「確かに少し変ね、一般人と変わらない生命エネルギだけね」

「一般人だから何も変ではないと思うけど」

「ならもう一度精孔を開けばいいね」

ダメだ全然話が噛み合わないと半端諦め気味にフェイタンの言葉を聞いているとフェイタンがゆっくり私に近づいてくる。何か身の危険を感じフェイタンが近づいてくるのに合わせて一歩後ろに下がるとソファにぶつかりソファに腰掛ける形になった。

「大丈夫ね、発は使えてるから問題ないよ、血が身体の中に巡てるのを意識するね」

フェイタンの言葉が聞こえたすぐ後、ドンっという衝撃と共に身体の中から汗にも似た蒸気のようなものが一瞬吹き出す。それは、直ぐに収まって体の周りに纏わりつく。

「なんね、面白くないよ」

何がなんだかよくわからないが、フェイタンが面白くないという事は、特に問題なく終わったという事だろうか。フェイタンは興味が無くなったのか私が腰かけていたソファの横に座り、また本を開いて読み始めた。だが、何をされたのか何ができるようになったのか、さっきのやりとりは一体なんだったのか私にはさっぱりわからない。


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