飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


フェイタンから受け取った缶に入っていたお酒は甘くて確かに美味しかった。私の好みをよく知ってるなっと思いながら二人が飲んでいるのを見ると二人とも飲むのが早い。私はまだ4分の1程残っているのにもかかわらず、二人が飲んでいる瓶はもうクロロが注いだ今の一杯で終わりの様で、フェイタンが2本目の瓶を持ってきた。

「何時から一緒に住んでるんだ?」

何時もはあまり気にならないが、クロロがいるせいか少し気になっていた沈黙を破るようにそう問いかけてきた。

「半年ほどね」

「長いな」

長いのかな。色々ありすぎて一気に過ぎて行った気がするのと生き返りに時間がかかって実質生活していた日数はそんなになかったせいか、まだ、そんなに経った気がしないのもあるだろうけど。

「リノン、蜘蛛に入る気はないか?」

「くも?」

前にどっかで聞いたことがあるような無いような。。くも、、蜘蛛?雲?ってなんだろうっと悩んでいる私を余所にフェイタンがダメねっと私に対してのクロロの質問に返答を返した。

「フェイに聞いてないだろ」

「ワタシがダメ言たらダメね」

「フェイタンがダメっていうならダメでしょ」

何を当たり前な事を言ってるんだっと言うようにクロロに言うと、はぁっとクロロがため息をついたのが聞こえた。過保護にも程があるだろっとフェイタンにクロロが言ったが、フェイタンは素知らぬ顔で過保護でもいいねっと言う。
ちょっと可愛い。

「でも、蜘蛛じゃないなら今回みたいに仕事には連れていけないよ」

「わかてるね」

「くもって盗賊の名前?」

私がクロロにそれを聞くとクロロは心底驚いたように私を見た後フェイタンの方を勢いよく見て、え?言ってなかったの?っとフェイタンに問いかけた。盗賊ってことは知ってたし、そんなに驚くことかな?

「リノンは異世界から来たよ、知らなくて当たり前ね」

「外に出れば耳にぐらいするだろ」

「一人で外に出たのは4日間だけね」

そんなに有名な盗賊なんだ。まぁ、そりゃそうだよね。皆強いもん。有名じゃない方がビックリだよね。皆みたいに強い人がいっぱいいる世界とか生きていける気がしないわ。そう考えていた私にクロロがフェイタンの所属している盗賊が団長を頭に団員を12本の脚に見立てた通称蜘蛛と呼ばれる幻影旅団という集団で、活動は窃盗と殺人、生きた人体の収集なんかもすると教えてくれた。

「ふーん」

「軽いな」

「盗賊っていうのは聞いてたし」

殺しもするのは知ってた。っというか、出会ってその日に拷問されて、数日で殺されたから身を持って実感しているし。それに、だからと言ってフェイタンがフェイタンでなくなるという事は無いし。そんなに驚くことではないかなと思う。
私自身も人を殺してしまっているわけだし。

「で、入らないか?」

「さっきフェイタンがダメって言ってたじゃない」

「フェイ、気が変わらないか?」

私に言ったところでダメだとやっとわかったのか、クロロはフェイタンに蜘蛛に居れれば仕事の時も一緒に居れるんだぞとか、マチやパクも気に入っていたし、他の連中もなんだかんだ認めてるしとあれやこれやとフェイタンを説得にかかるが、フェイタンは鬱陶しそうにクロロをあしらう。




prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -