飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「そう言えば散々、ワタシの身体好きにしたよ。同じことされる覚悟はあるか?」

可愛い笑顔と裏腹にフェイタンから聞こえてきたセリフに恐怖を覚える。同じ事とか言ってるけど、絶対それ以上の事をされる自信がある。
ヤバイっと身の危険を感じて、フェイタンから離れるためにベッドから離れようと後ずさったら、思いっきり腕を引っ張られてベッドに倒れ込んだ。

「後、ワタシかてに居なくなた事まだ許してないね」

「あれは、不可抗力」

「弱いリノンが悪いよ」

鍛えてやるねっと続けて言ったフェイタンはさっきの可愛さは一体どこに行ったんだと思うくらい怖い顔をしていた。掴まれた腕があまりの握力に骨が折れそうで目を瞑って痛みに耐える。

―チュッ

不意にキスをされて目を開けるとさっきよりも鋭いフェイタンの目にドクドクと血が巡る。何してもかっこよく見えるのは惚れてしまっているからだろうか。

「そんな顔したら、止めれなくなるね」

フェイタンの目には私はどう映っているんだろうか。私と同じようにフェイタンも私に溺れて欲しい。全てフェイタンが私に与えてくれる全てを受け入れるから、私以外フェイタンを受け入れる事なんて出来ないんだから。だから、フェイタン私以外を好きになんてならないでね。

「ねぇ、フェイタン、もし、私かフェイタンどっちかが絶対に死ななきゃダメならフェイタンはどうする?」

「ワタシが死ぬね」

「え?一緒に殺してくれないの?」

予想外な答えだった。フェイタンの事だから私を殺すと言うか。二人とも死ねばいいと言うかどちらかだと思ってた。
それに私だけ生きたってなにも嬉しくないじゃない。それならいっそのこと殺してくれた方が良いと思うんだけど。

「ワタシ以外に殺されるの許さないよ。ワタシがリノンを殺したところでリノンは死なないね」

「まぁ、確かにそうだけど、例えば!私がフェイタンに殺されて普通に死ぬとしたら?」

「、、、、それでも嫌ね」

私の問いに少し顔を逸らしながら言ったフェイタンの顔は複雑そうだった。

「殺してやりたいと思うし傷つけたいと思うね、、、、でも、優しくしたいとも思うよ」

嬉しいようなむず痒いような。少し寂しいような気もする。好きとか愛とかって難しいな。
フェイタンは私の事を思って優しくしてくれてるのにもっと激情的に私を縛り付けてくれてもいいのになんて贅沢な悩みだわ。

「へへ、でも、これで誰が怪我しても治せるなんて、私凄く万能になったんじゃない?」

ちょっと心中複雑で話題を逸らそうと自分に備わった新しい力の事を言うと。

「その能力はもう二度と使うんじゃないね」

「え?なんで?凄い便利なのに」

「私以外ともああやってする気か?」

そう言われて能力を発動したであろう時の事を思い出した。
そう言えば、発動条件は、、せ、せっ、ゴフッン。

「生き返た瞬間にソイツ殺してやるね。使た意味無くなるよ」

確かに。。
と思いながら苦笑いするとフェイタンが呆れたように笑いながら、頭が良いのか悪いのかわからないねと呟いたのが聞こえた。





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