飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


クローレのアジトに着いた私は、人の気配が無い事に疑問を持ちながらも急いで敷地内を探した。
案外あっさりと地下への道を見つけたことに違和感を覚えながらも下に歩いて行くにつれて見知った気配を感じて下へと急いだ。

敷地内は薄暗かったにもかかわらず、地下に降りると眩しいくらいに明るかった。見知った気配のほかに2人の気配を感じ、場が戦闘中であることは直ぐにわかったが、その少し離れた場所によく知る人物が倒れているのがわかったが、何時のも気配を感じない。

「フィタン?、、、」

嘘だ。。嘘だ。。

「リノン!!」

横たわったフェイタンに気を盗られて、自分の背後に人が立っていた事すらわからなかった。クロロが叫んだ時には私は誰かに後ろからとらえられていた。

「お宝からやってきてくれるとは」

これは。誰がやった?此奴か?此奴がやったのか。
後ろから首に突き付けられた刃物がチラリと見えた。丁度いい。

―シャッ

男の持ったナイフを手で握り、削ぎ落ちた指から出た血で男を攻撃したはずだったが、男に攻撃が当たらず、
挙句には一瞬気が遠くなったところをクロロが抱きかかえて遠くに飛んだのがわかった。

「もっと冷静になれ、強化系コンビより頭は良いはずだろ」

冷静に?これで冷静でいられる訳がないだろ。
此奴を殺して私も死ぬ。簡単に殺したりしないわ。死ぬよりも辛い目に合わせてやらなきゃ気が治まらない。。

「下手に攻撃してもカウンターを食らうだけだ」

「じゃ、黙ってやられろって言うの!?」

「落ち着きな!」

わかってる。騒いだところで何も変わらないって。冷静に戦略立ててアイツを倒した方が良いって。
でもね、死んだっていいんだよもう。だって、だって、、、

「愛なんてくだらない。リシュアンだってあんな男に囚われて可愛そうに」

サントはリシュアンの頬を優しくなで、ゆっくりと彼の首を絞め始めたその時、サントの後ろからシアンが彼に剣を振り下ろした。
その剣はサントの肩から腰までを切り裂いたが、サントはそれでも笑っている。

「ようやくお出ましか、サルヴァトーレ。」

「リシュアンは殺させない」

そう言ったシアンはサントにもう一度剣を刺した。それでもサントは口から血を吐きながら笑っている。何故だかわからないが、このままあっさりと終わるわけがなさそうな予感がする。

だが、サントの身体はゆっくりと倒れて、床に倒れていく。

「サルヴァトーレは死んだんじゃなかったのか?」

「私の中にある異世界の扉にアイツがいたらしい」

「通りで探してもなかったわけだ」

なんだ。じゃ、クロロは異世界の扉とスワンクロックを使用して女神が手に入るってことまではわかっていたのか。っとつくづくこの男は頭が良すぎて困るっと思ってしまう。
私がそう思っているとクロロが立ち上がってシアンの方へ歩いて行く。

「悪いが、そのスワンクロックは頂いて行くぞ」

あぁ、そうだった。クロロの目的はこれで終わりだもんね。


私はこれからどうしたらいいんだろ。。
フェイタンが居なくなってしまったら私は。。。。



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