飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「でよぉ、此処に何があるんだ?」

トリナクリア島にある昔独立戦争の際、賊が使用していたとされる要塞に来ていた。あまり広くない道を総勢8人で歩くとかなりの圧迫感がある。先頭付近を歩いていたノブナガが先程からもう1時間ほど歩いているが行けども行けども細い道が続いているだけな事に飽きてきたのかそう切り出した。確かに此処に何があるのか。最初の仕事内容から考えるに恐らくはサルヴァトーレの財産とやらなのだろうかと思ってはいるが、それが何かわからずに探すというのも難しいものだ。

「念能力だ。」

「どういう事?念を奪いに来たって事?」

クロロの回答にマチが疑問を漏らす。クロロの念能力は人から念能力を奪う能力だが、この建物の中に生きた人間が隠れて暮らしているようには思えない。という事は念で出来た代物なのかとも思ったが、その場合なら念で出来た物と言う表現の方が正しい。

「レート―と白鳥の絵を盗ったとき裏に変わった落書きを見つけてな」

そう、それは前にリノンが話していた絵の事だ。まだ、彼女を信じ切れていなかったクロロはリノンに絵はもう売ってしまって無く、もう一度手に入れるのは不可能と言ったが、あのレート―と白鳥と言う絵は、レート―と言う女神と白鳥を描いている絵を指し、一人の画家の絵と言うわけではない。色々な画家がそれを題材に描いているだけだ。その中でもこの国出身の画家が描いた絵を彼女が天空競技場に行っている間に探した。

「スワンクロックへ愛を捧げるとき女神を身に宿す。」

「女神ってあの手帳にも書かれてたわね」

パクノダがそう言うとクロロは、恐らくはあの手帳の女神と同じものを指しているのだろうと言った後、ご丁寧に女神の力まで書かれていたよっと付け加えた。クロロ曰くは恐らくは回復系の能力であることそして、かなり万能の様で死者を甦らせることも可能なのではないかと推測している。だが、そんな能力であれば制約もかなりの物だろうと思うが、そもそも、念能力の譲渡なんてものがそんなに簡単に出来るものなのだろうか。

「まぁ、それが手に入ってついでにサルヴァトーレの財宝が手に入れば一石二鳥ってことか」

「そう言う事だ」

フィンクスの答えにクロロが頷く、ただ、愛を捧げるというのがまだ良くわからないがなっとだけ呟いて。

「あーー、んな事どうでもいいがよぉ、まだ着かねぇのかよ」

もうどれくらい歩いたかわからないが、ひたすら狭い道を淡々と歩いて行くことに飽きてきたウヴォーギンが大きな声でそう言うと、近くに歩いていたマチとフェイタン、シャルが煩いっとウヴォーギンを一喝した。だが、痺れを切らしてきたのはウヴォーギンだけではなく強化系組のノブナガとフィンクスも徐々にイライラしてきたようで殺気立ってくる。

「確かにこのまま歩いていても目的の場所もわからないんじゃねぇ」

「壁ぶっ壊して行った方が早いんじゃねぇか?」

マチが一体どこに向かっているかわからないがこのまま道なりに進んだとしても何も見つかりそうになさそうだっと言うようにこぼすとウヴォーギンがニィッと言い笑顔でクロロに問いかけた。

「一理あるか、全部壊すなよ。」

「わかってるって」

ウヴォーギンの答えに一同は本当かっと心の中で呟いたが、誰も言葉には出さなかった。




prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -