飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「あ゛ぁぁ、、、、いっーーたっぃ」

「うぉっ、どうした?!」

何時ものように痛みで目が覚め、叫んだ私の隣にはフェイタンではなくフィンクスが居たようで、そう言えば私の護衛にフィンクスがついてくれていたんだと思い出した。思わず上げてしまった声に少し恥ずかしさを覚えたが、フィンクスは心底驚いたように心配してくれているので、いつも通りだから気にしないでとだけ答えて私は自分の身体を確認した。
何時もなら服も引きちぎられたままや何も纏っていなかったりするが、今日は綺麗に服を着せられた状態である。

「おめぇも大変だな」

「え?何が?」

フィンクスが何に対してそんな事を言っているのかわからず、質問で返せばその能力とかフェイタンの事とかよっと返ってきたが、今までこの能力のせいで苦労したことがないし、むしろこの能力のおかげで今の私たちの関係があるという事を考えると感謝したいくらいだ。

「あれから何日たったの?」

「3日。フェイとノブナガは今日の朝に終わったらしいから夜には帰ってくるはずだぜ」

思ったよりも簡単に事が進んでいてこの調子で行けばあと数日で終わりそうだなっと思った。しかし、よく考えるとクロロの目的が良くわからない。あの手帳に書かれていたサルヴァトーレ・ジュリアーノの財産が欲しければ、クローレに全員で襲撃すれば早い気もする。まぁ、外れだった場合、骨折り損だが、何かしらの手掛かりを得ることは可能だろう。なのにそれをせずに情報収集とスワンクロックを取りに行く。第一、スワンクロックっと言うものは一体どんな代物なのだろうか。ただ、白鳥と関係するものっと言う考えはあのクロロの事だろうしそんなことはないだろう。

「ね、フィンクスはスワンクロックって何か知ってる?」

「あ?有名な宝なのにしらねーのかよ、裏では念でできてるって噂もあるが、どんな能力かってのは謎だな」

フィンクスは50年ほど前に発見された時に綺麗な見た目と昔では珍しくネジで動かさずとも光に当てると羽が動くその代物は大々的に公表されて値が吊り上ったらしいが、ほんの1年前までハンター協会が保管しており、誰も手が出せなかったそうだ。それが何故か1年前に何者かによって盗まれたらしい。

「ハンター協会って?」

「俺ぁ、シャルと違って説明苦手なんだよ、簡単にいやぁ色んな分野のプロの集まりみてぇなもんだ」

要するに強い人とかもいっぱい居るってことなのかな、誰も手を出せなかったという事はそういう事なのだろうけど、いろんな分野って事は戦闘だけではないという事なのだろうか。っと少し気にはなったがこれ以上フィンクスに聞いても仕方がないし、今度シャルに聞いてみようと思い、とりあえず生き返った所で血まみれな服と体をどうにかしたくなり、私はシャワーを浴びることにした。

「シャワー浴びてくる」

「あぁ、早く行って来いよ。夕方にはフェイとノブナガ以外は集合だって言ってたからな」

私はフィンクスにわかったと答えてシャワーを浴びにフェイタンが使っていた部屋に向かった。
そう言えば、手帳に載っていたあのへんな暗号がイタリアでこの今いるこの国が私の居た世界のイタリアと共通しているとしたら、独立戦争の件もこの国で起こった独立戦争の事を指していると考えた方がいい。クロロはきっとそんな事くらい直ぐ気づいて調べているだろうけど。

「サント・フレーレスっていうのがクローレの頭ならサルヴァトーレと友人か何かだったのかな」

サルヴァトーレの財産をサント・フレーレスの愛妻に渡したという事は家族ぐるみでの付き合いだったとか?でも手帳の持ち主はなんでそんな事を知っていたのだろうかと疑問に思いながらシャワールームの前で服を脱ごうとすると。。。。

「誰??」

背後に気配を感じ、振り返ったが誰もいない。

「友人なんかじゃないよ。彼は僕が殺したんだから」

そう聞こえた瞬間に私の目の前にチラッと闘技場で会った銀髪の男の顔が見えたが、それと同時に自分の身体が動かせなくなりブラックアウトしていく。

「。。。。ごめんね」

私が最後に見たのは悲しそうに微笑んだ顔だった。


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