飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「いったぁ、硬すぎっ」

他の部分の防御をやめてありったけ硬で強化して蹴ったがそれでも私の足は痛かった。ノブナガは反動でだいぶん後ろまで下がったが、そこまで効いてない様だ。

「フェイタンも腑抜けだもんだぜ。こんな弱っちぃ女に入れあげるなんてよ」

「はぁ?」

思わず自分でもビックリする程低い声が出た。この男は今、フェイタンを侮辱したのだろうか?私の大切な人を腑抜けと言ったのか?私が弱いとフェイタンはそんな風に言われるのか。あぁ、何が敵じゃないだ。私にとって敵か仲間か、それはフェイタンにとって害か害じゃないか。だったら、フェイタンの事をそんな風にいう奴は敵だ。

私は鞭を周で覆いノブナガに振るう。ノブナガはまたそれを刀で弾こうとした所に私はそのまま突っ込んで行く。

―シャッ

軽く肩が切れたが気にしない。肩から出た血が私の意識よりも早くノブナガに攻撃していきその間に少し間合いをとる。一撃目は私と同じ肩に当たり二打目は脚と腕と腹部に5箇所攻撃したが腹部の攻撃は刀で交わされ、右脚と左脚は避けられたが2箇所に当たった。

「さっきの訂正して」

私は刺さった血の鞭の先を変形させて抜けない様に返しを作り、三打目を構える。ノブナガは引っ張って私を手繰り寄せようとしているのか刺さった血を掴むが無駄だ。血は液体掴まれた部分を手繰り寄せられた方向と逆に流せば引っ張られることはない。

「言わないなら仕方ないよね」

私は言って次の攻撃をしようとした。

「参った」

ノブナガはそう言って真剣な顔で刀を捨てて両手を挙げたが、怒りは治らない。勝ったとか負けたとかどうでもいい。フェイタンを侮辱したその口を縫い合わせて喋れなくしてやろうかと考える。

「そこまでだ」

「やめるねリノン」

クロロの終わりの言葉に私のすぐ後ろに立ったフェイタンは優しく私にそう言ったが、フェイタンが良くても私は良くない。自分にこんな激情があった事に驚くが、それでもこの怒りをどこにぶつけていいかどうすれば晴れるのかわからない。

「わりぃ、本気で言ったわけじゃねぇから」

「本気じゃなくても許せない」

ノブナガの今言ったことは本当だろう。きっと私を怒らせでもしたかったのだろう事くらいわかる。それでも腹が立って仕方ない。

「フッ、リノンでも怒ることあるか」

「あるよ!フェイタンの事悪く言う奴とか絶対許せない」

笑って言われた事に大きな声でそう言ったらシーンと静まり返ってパクがクスッと笑った声が聞こえた。その瞬間我に帰った。
公開告白をした様なセリフに恥ずかしくなっているとフェイタンが私の頭を撫でてきて余計に恥ずかしさは増す。
すっかり意気消沈だ。

「イチャイチャはやめてって言っただろ」

シャルがそう言いながらやれやれと言った感じに私達を見てくる。さっきまでの殺伐とした雰囲気とは違い。あのフェイタンがと言う声やリノンも相当惚れてるんだなっとか言う声が聞こえてくる。

「ホントに悪かった、強いなお前」

やっぱりノブナガは真剣に私に謝ってくれる。悪い人じゃないんだなと思う。少しウボーと似ているが、実直というか、律儀というか、礼儀正しいというか。すっかり毒気を抜かれた私は、これ以上怒っていたらまるっきり自分が悪者だっとノブナガの謝罪を受け入れる。

「私もすみません。怒りに任せて」

「いやいや、謝んなって、そうさせたのは俺だしな、それに敬語もいらねぇよ、さっきは普通に話してたんだしよ」

まぁ、確かに。さっきは怒りに任せて暴言を吐いたが、年上だろうしいいのかなっと考える。でもまぁ、クロロもそうだし此処の皆んなはタメ語の方が良いと言う人が多いので、ノブナガの言葉に甘えて普通に話させてもらおうと思う。


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