飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「おいおぃ、知らねぇ気配がすんぞ」

「大丈夫だ、俺が呼んだ」

フェイタンが私を抱きしめた状態で本を読み始めて、無言になって15分ほど経った時、知らない声と共にクロロの声が聞こえて来た。気配はそれ以外にも沢山感じる。

「あぁ、リノンも来てたのかい」

「あっ、マチ!久しぶり!」

私はフェイタンに抱きしめられているので駆け寄れないのでマチに手を振った。マチの他にもフィンクスも居るが、他の5人は知らない人だ。

「全員揃ったな」

「本当に全員揃うなんて珍しいね」

クロロの言葉にシャルがそう言った。フェイタンの仕事仲間はこれで全員の様だ。本当に個性豊かなメンバーだなっと全員を見て思う。この前知ったパクやマチはごく普通に見えたが、フランケンシュタインの様な人に全身包帯でグルグル巻きの人もいて本当にサーカス団みたいっとちょっと思ってしまった。

「団長、あの女も参加か?」

「今回はリノン抜きでは難しいだろうしな」

「強いのか?」

チョンマゲの男がこの中に私が居るのが不服なのかクロロに聞く。弱いわけではないがこの中で言えばさほど強いとは言えないだろう。私の場合捨て身の攻撃しか出来ないのも難点だ。この前の様に血を流す前に殺されればひとたまりもない。

「リノンは強えぞ、俺が保証する」

私の考えとは裏腹にウボーがそう言った。確かにあの時ウボーと戦ったが、あの時は運が良かったのだっと思っている。殺そうとおもえばあの時ウボーは殺せただろう。私はウボーに負けてるのにウボーが何故そんな風に言うのかわからない。ただ、やっぱりチョンマゲは納得していないのか渋い顔をしてる。

「戦えば納得するのか?ノブナガ」

「ハ?ワタシは許可してないね」

クロロがチョンマゲことノブナガに言った言葉に私より先にフェイタンがそう言った。これで私が自主的に戦えばきっとフェイタンの怒りは治らないだろうし、戦わなければノブナガの気は治らないだろうしどうしたものかと成り行きを見守ろうと思う。

「だが、ノブナガだけじゃなく他にも納得できない奴はいるだろ?」

クロロはそしたら側に置いておくのは難しいと思うぞっと付け加えて言った。まぁ、最もだ。強い人達が揃うこの集団の中弱い者がいればただのお荷物だろう。

「どうするリノン?」

えっ?私に聞くの?っと焦る。私はフェイタンの側に居られるなら戦うくらい構わないが、それによってフェイタンを怒らせるのは本意じゃない。

「私は側に居たいよフェイタン」

私がそう言うとフェイタンは少し悩み、嫌そうに眉にしわを寄せながらも、多分嫌なのを我慢してくれようとしているのがわかる。

「チッ出来る限り怪我しないようにするね」

「おぃ、舐められたもんだな」

まぁ、そう捉えられる言い方だよね。でも、それは私が強いとかじゃなくてフェイタンなりの心配なんだよっと思いながらノブナガを見る。かなりのオーラ量の上、ピリピリとした隙のない間合い。

「私そんなに強くないので心配してくれてるんです、だから、お手柔らかにお願いします」

私は出来るだけ下手に答える。別に相手に対して殺意があるわけでもない。だからきっと血の鞭の能力は半減してしまう。何ならフェイタンから貰った鞭の方が威力は高いかもしれないと私は、脚のフォルダから鞭を取り出した。

「此処はそんな甘い場所じゃねぇんだよ嬢ちゃん」

だよね。わかってるよそんな事それでも側に居たいんだもん仕方ないじゃない。何もかもない今の私の唯一の居場所だから、何が何でも誰にも奪わせない。
そう思い。私は攻撃を仕掛けた。
流石に少し速度の遅い鞭はノブナガの剣で弾かれる。今日が初めての実戦での使用というか、ちゃんと振ったのが初めてだ。

血の鞭とは違って自由自在とも言えないが、重さはあるのか多少はノブナガの刀が後ろに押されている感覚はあるが、これでは簡単に弾かれてしまう。

「そんなもんかよ」

ノブナガはそう言って駆けてくる。間合いに入って来られると危ない。血と違ってこの鞭は振るえる範囲が決まっている。私は近づかれる前に鞭を振るって飛び上がる。ノブナガの方に向かった鞭はまたもや弾かれ、ノブナガが近づいた瞬間、鞭を振るうと同時に鞭の枝を手放し、ノブナガの横から蹴りを入れて着地する。


prev next

bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -