飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「なら、その男を捕まえればいいか」

「ああー待って待って、それは後で、それよりもリシュアンって男を探す方が先」

フェイタンが直ぐに部屋を出そうになったのをシャルが見てすぐさま止めに入る。そして少し疑問に思った。あの本について調べる時も急いでいたのか自分の代わりにフェイタンに行かせた。まぁ、フェイタンとの喧嘩で回復に時間がかかる事をすっかり忘れていたのが悪いのだけど、

「急いでる理由は後で団長に聞いて」

私とフェイタンが疑問に思っている事を察したのかシャルはそう言って写真を机の上に置いた。恐らくリシュアンと呼ばれた男の写真なのだろう。私とフェイタンはその写真に写る髭を伸ばした肩くらいまでの白髪の男性を覚える様に見た。

「その写真が80歳の時で今年で97歳らしいんだけど」

「本当に生きてるの??」

年齢的にかなり高齢で、もう老衰で死んでいててもおかしくない。しかも、シャルが調べたこの写真だけを手掛かりにシラミ潰しに調べるのはかなり大変そうだ。逆にその点を考えると97歳というのは調べやすいかもしれないけど。

「まぁ、それも含めて調べないといけないけど」

シャルはそれを言った後、何か言いたそうな顔をしながら悩みだした。そしてチラッとフェイタンを見る。

「何ね」

「怒らないで欲しいんだけど、リノンと別行動で」

「「は?」」

シャルが言い終わる前にフェイタンと私はシャルを睨みながら言った。
大体、昨日まで離れていたのだって不本意だったのにやっと会えたと思ったらまた別行動なんて酷い話だ。

「フェイタンにはノブナガとクレーロが率いるマフィアを調べてきて欲しい」

フェイタンにシャルがそう言った後、リノンに危ない事させたくないなら置いていくしかないと思うけどっと言った。私は足手まといという事だ。私も付いて行きたい、そこまで弱くないと思いながらも昨日自分のせいでフェイタンが怪我を負ってしまった事を思い出して何も言えない。

「わかたね」

フェイタンも仕方なく納得したようでそう答えた。そこで思い出す。結局昨日はクロロの妨害でしてもらえなかったせいで、明後日には私はまた、能力を、使えなくなる。フェイタンものそ事を考えていたのか私の方を見てくる。

「まぁ、実行は明後日だから、リノンの能力についてはその間にどうにかしといて」

シャルは察したのかそう言ってきた。もうおおよそ私の誓約に気づいているという事だろう。でも、悪い気はしない。

「あっ、でもその後」

「大丈夫よ、動けない事もちゃんと考えてるわ」

私の危惧した事がわかったのかパクはそう答えて、疑ったような事をした後で私を信用出来ないかもしれないけれどっと言ったが、さっきの事は仕方ない事だ。私だって疑う。

「明後日までは特に何もないから」

シャルはそう言って私達の方を複雑そうに見てそう言った。


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