飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「どこ行ったんだろ」

あの後私は100階まで到達して今日の戦闘はやめた。100階に登ると部屋が貰えると聞いていたので根を詰めて頑張ろうと思ったが、意外にというか、難なくここまで来てしまった。だが、クロロはもう日も傾いているにも関わらず戻って来ない。よく考えれば連絡先も知らないのでどうしたものかと、与えられた部屋で悩んでいた。

―コンコンッ

ノックが鳴った瞬間クロロかと思ったが、相手の気配が読めない上に何も話さない。私はゆっくりと絶をして、窓の方にゆっくりと近づく。

「リノンちゃーん」

部屋の扉向こうに誰かいると思っていたがいつの間にか自分の後ろから声が聞こえて振り返ろうと思ったが、首に腕を回されて相手の顔は見えない。

「あれの場所知ってんだろ?」

「何の、事?」

チラッと見えた青い髪の恐らく男は私にそう聞いたが身に覚えがないと彼にそう言った。首に回された腕の力が強くなり、足が地面から少し浮く。かなり力が強いのと、背後を捕らえられた体制が悪い。

「まぁ、良いよ連れて帰って吐かせれば良いだけだし」

その言葉にゾワゾワとした嫌な感覚に陥る。吐かせる?私を拷問にでもかけようっていうの?絶対嫌、私にそれをして良いのはフェイタンだけっと私は、思いっきり足を振り上げて彼の足の間を蹴った。

「つーーーーーーこの尼っ!!」

私はバランスを崩しながらも男から離れて男を見た。その男は1階であった銀髪の男によく似ていた。だが彼とは違い顔の半分が焼け爛れている。

「誰か知らないけど人違いじゃないの?」

「彼処にいて生き残ったのはテメェだけだろぉ」

全くもって話が通じないと思いながら男の攻撃をかわす。気配がわからなかったのでかなりの使い手かと思ったが、速度は目でしっかりと追えるし、威力もそこまで強くない。何とかなりそうだと避けながら思った。

「チッ」

男が舌打ちした瞬間自分の右からいきなり気配がして、腕でガードすると衝撃が走った。男の足だけが空間から伸びてきて黒い空間に戻っていった。それが見えた瞬間次は後ろから気配を感じる。

「カハッ」

背中に衝撃が走り蹴られたことがわかる。地面に足がついた瞬間、地面を蹴って飛び上がると着地した場所からまた、足が黒い空間から出てきているのがわかる。

「へっ」

男が余裕の笑みを浮かべていてヤバイと思った時。服をグイッと引っ張られた感覚がして壁に身体が打ち付けられた。一瞬何が起きたか分からず。壁に多少食い込んだ身体は重くすぐには立ち上がれない。

「ワタシの物よ、かてに手を出して簡単に死ねる思わない事ね」

あぁ、よく知った声だっと思いながらフェイタンの邪魔をしないようにあまり動かないようにする。しかし、フェイタンを見て同様した。

―血が、、

フェイタンの足元には血が飛び散っていて何処か怪我をしているのがわかる。それも今もまだポタポタと滴っているそれを見るとかすり傷の様な小さい傷ではないのが明白だ。

「そんな傷を負ってよく言うよね」

「ハッさきの一撃で殺せなかた事を後悔するね」

そう言ったフェイタンは男に攻撃を仕掛ける。私の時とは違い速さで相手を圧倒しジワジワと男に傷を付けていく、男の不意をついた攻撃もフェイタンは簡単に避け、その合間を縫って繰り出す攻撃は鮮やかなものだ。
ものの2分足らずで男はバランスを崩して、地面に足をついた。

が、その瞬間男はニヤッと笑って

「また来るよリノンちゃーん」

と言う言葉だけ残して黒い空間に消えていった。


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