飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


ミンボ共和国から少し南に位置した天空競技場はかなりの高さのある建物で私の知っているコロッセオとは全然違った。

「フェイタン達には少し用事を頼んでるから、明日には合流できるよ」

クロロは裸コートではなく、髪を下ろして額に包帯を巻き、服はカッターシャツに黒のズボンと普通の格好である。そうしてたらカッコいいのにっと思わず思ってしまった。

「どうするの?」

「折角来たんだし、ちょっと参加してみない?」

クロロのその言葉にその為にここに来たんだなっと察した。ただ、いい機会だと思う。ウボーとは戦ったが、一般的な強さが一体どれくらいなのか私は知らない。自分がどの程度戦えるのかも知りたいと思う。

「クロロは?どうするの?」

「俺はいいよ、前に来た事があるし」

仕方なく私は一人で受付までの列に並ぶ事にした。周りにはゴツゴツとした男ばっかりで、女性の姿は見当たらない。そんな所に私が混じっているのが気になるのか、周りの人達は、チラチラとこちらを見てくる。不愉快きわまりない。

「ここは嬢ちゃんの来る様な所じゃないぜ」

後ろにいる男性がニヤニヤ笑いながらそう言ってくるが無視だ。余計な争いは好きじゃない、関わらないのが一番だ。2時間くらい暇を持て余しながらと並んでいるとやっと自分の番がやってきた。受付は可愛い女の人だ。

「天空競技場へようこそ、こちらに必要事項をお書きください」

そう言われて渡された登録用紙に自分の名前と生年月日、闘技場経験なし格闘経験なしと書いた後少し悩む。格闘スキルって何だろう。と悩んでいるとクロロがいつのまにか隣に来て

「適当に書いとけばいいさ、武闘家でもなんでも、大した意味はないから」

私は言われた通りに書いて受付のお姉さんに渡した。そしたら、すぐに闘いますか?っと聞かれたのでお願いしますというと番号札を渡されて一階の闘技場で順番が来るのを待てと言われてクロロと共に向かった。
クロロは参加しないので一階は楽勝だろうから少し散歩してくると何処かに行ってしまったので、他の人の戦闘をぼーっと見ていた。

「お姉さんも参加されるんですか?」

声をかけてきたのは銀髪の長い髪の男の人だった。自分の事を棚に上げて言うならばむさ苦しい男ばかりのこの空間には似合わないすらっとした優しそうな男の人だった。

「僕はシアン、君は?」

人懐っこそうな笑顔で声をかけてくるが、この雰囲気の中どこか馴れ馴れしい感じにあまり気乗りしなく、何も返さないと残念っといいながら私の隣に立っている。

「2251番2525番の方Bのリングへ」

自分の番号を見て2251番である。私は、その男の横を通り過ぎてリングに向かった。リングに上がると対戦相手の大柄な男が既にいた。体格はウボー並みに大きいく筋肉もあるが、圧が全然ない。

「悪いな、手加減は出来ねもんでな」

「わかりました。私も本気で行きますので」

謝ってきた男に対して、最大限私も丁寧に答えてあげる。とは言ったものの血が出なければ本気は出せないが、フェイタン以外に傷つけられるのは避けたいので、極力相手の動きを見て隙をつこうと考える。
レフリーの掛け声と同時に男は私の方に駆けてきたが、

―おっそっ

フェイタンの動きを基準に考えていた私はあまりの遅さに絶句した。そして、走ってきた男を寸前で避けてお腹に蹴りを入れると男は飛んでいき、他の戦闘していたリングに落ちた。

「勝者2251番、50階へ」

他の人はもっと下の階を言われていたけどっと思いながら、派手に勝てばすぐ上に行けるのかなっと私は札を受け取って、リングを降りた。



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