飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「2億?!何の本なの?」

リノンの言葉にシャルが驚きながらそう聞いた。

「んー、表現が独特というか、でも内容は人間臭いヒューマンドラマというか、一人の人生を描いた物だよ」

ただのそんな本にそんなお金が動くのかっとリノンがいた世界の価値観を疑う。でも、そんな本に何の意味があるのか、やはり本自体に何か仕掛けでもあるのかと考えた。

「んーー白鳥、、、」

「どうしたの?」

「所詮本だから有名って言っても古いから知ってる人もそこまで多くないし」

とまた考え込んでしまった。本当に団長と一緒で考えると一人で答えが出そうになるまで悩む癖があるなっと3人は思う。ただ団長と同じならあまり話しかけない方がいい情報が出る可能性が高い。

「もし、この小説を好きなら、スワンを白鳥に言い換えるのは可笑しいかなって」

「それに何か意味があるか」

「んー、それはわからないけど、英語でスワンは白鳥だけど、スワン家のスワンは人物の名前だから白鳥って解釈はしないかなって」

フェイタンの問いにリノンはそう言った後、綴りも違うしっと付け加えた。リノンの言っている英語とやらはわからないが、何処かの言葉の事なのだろうがリノンが言いたい事がだんだんわからなくなってくる。

「おおそよ分かった。原本は必要なさそうだな」

「あれ、団長一緒にいたの?」

どうやら先程からの話は団長も聞いていたようで、リノンが言いたい事を団長は理解したようだ。やっぱり何処かこの二人は似ている気がするっと3人は思いながら団長にこの後どうするか聞いた。

「恐らくだが、この本の事を書いた手帳の持ち主はその本の詳しい事は知らなかったんだろう」

「多分そうだと思う、何でスワン以外の言葉を読めたのかはわからないけど」

「それなら、本の中身も読めたとは思えないからな」

何か二人には考えがあるのだろうけど、電話でそれを聞いてついていけるとは思えないので3人はとりあえず今は聞くのを諦めた。そして、ホテルへ向かうのをやめて飛行機に乗るために方向を変更した。

「とりあえず戻ってこい」

「分かったわ」

パクの言葉を聞いた団長はそのまま電話を切ってしまったが、その事にフェイタンの機嫌はだだ下がりである。元々、自分がとった電話にもかかわらず、リノンともほとんど話せず、最後には団長によって切られてしまった。

「まぁ、早く帰れるようになったんだし」

「チッ、、早く帰るね」

フェイタンはそう言って更にスピードを速めて走った。脚の早いフェイタンに二人は必死についていく事になったのだ。



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