なんて適当な人!

「分裂した片割れって…どこと、なんですか?」
「ああ、その話ししてたんだっけえ…やっぱそれなーいしょ!」
「そこまで言われたら気になるんですけど!?」

悩殺巨乳を無意識にか寄せて、唇の前で人差し指を1本立てたセナさんに呆れた視線を向けていると「それよりもお、」と言葉を続けた。

「コトメちゃんはもっと強くなる必要があるねえ〜…そのまんまじゃあいつ殺されてもおかしくないからあ」
「む……セナさんは私の実力知らないじゃないですか!見てもないのにそんなこと言わないでくださいよっ!」

ケタケタと笑いながら足をぱたつかせるセナさんに思わず眉を寄せると、まるで小馬鹿にされてるような態度に掛け布団を握りしめた。あーなんかキバがイラついてたのが分かる気がする…!今なら分かった気がする!

「自分の中に青龍がいるって分かったのつい最近じゃない〜?」
「え?…どうして……」
「身体が随分だるいでしょお?さっき目を開けられなかったりしたのも少なからずそれが影響してる。覚醒してからもう1つ別のチャクラがあることに身体がまだついていってないってことかなあ〜ってねえ。まあもちろん、怪我を負ったからっていうのもあるけどお…」
「そ…それと実力となんの関係があるんですか!」
「身体がついていってないってことは体力がないってことでもあるしい、体力がないってことはバテるのが早いイコール力が足りないってことだと思うけどお?」
「……何も言えません」
「青龍はただでさえ気性も荒いんだから大変よお〜」
「気性が荒い?会った時はそんなに…怖かったけど」
「ま、その内分かるって〜」
「痛い!!」

バシッと背中を叩かれて顔を歪めると、にこにこ顔を浮かべたまままたケタケタと笑うセナさんになんか扱い辛い…と溜息を零した。や、私より年上なのに扱い辛いって言うとアレなんだけど…

「あ、今扱い辛いって思ったでしょお!もお、木の葉の若いのは皆そうなんだよお〜、私が年上って分かってるう〜?」

愚痴愚痴と文句を垂れ出すセナさんに、やっぱりそうなんだと苦笑いを零した。‥もう1回敖光さんと会いたいんだけど、どうやったら会えるのかな。セナさんに聞いても、なあ……シカマルじゃないけど面倒くさそう…








「…まあ、俺の勝手な憶測なんスけど…」
「……いや、強ちそれは無いとは言えんな…ハヤに一度聞いてみてもよさそうだ。ハヤが分からなくともホウライが何か知ってるかもしれん」
「ハヤさんの口寄せっスか」
「ああ。だがその前にもう一度癒無眼についての資料を見直す必要もある、聞くのはその後だな…シカマル、一先ず今日はもう家に戻っていいからしっかり休んでろ。もし記憶が戻ったら何があったか話しに来い」
「…了解っス」
「いの!入っていいぞ!」

俺の話を一通り聞いた5代目は椅子から立ち上がると、扉を開けて廊下で待ちくたびれているいのを中へ呼んだ。そのまま5代目は颯爽と部屋から出て行ってしまい、除け者にされた感があるのかいのは頬を膨らませつつ俺へと視線を向けた。なんだこれめんどくせーんだけど…

「…でー?私はどうしたらいいわけ?戻っていいの?」
「あー、いいんじゃね?もう終わったし」
「アンタはもう大丈夫なの?」
「俺は別になんともねーよ。それよりコトメの方が心配…」
「…コトメ?コトメなんかあったの!?」
「あー…いや別に大したことねーと思うけど」
「なんかさっき嫌にバタバタしてると思ったらそういうことだったのね…分かってると思うけど、ちゃんとコトメの様子見に行って来るのよ!」
「言われなくてもそうするっての…」
「山中さーん、もう終わったー?」
「あ!今行きますー!!」

扉の向こうからいのを見つけた1人の看護師らしき人物が声をかけると、俺にもう一度「絶対ちゃんと行きなさいよ!」と声掛けしながら廊下へ足を踏み出したいのを見送った。つーか…あれだよな…一応俺告白されてんだよな…とりあえずちゃんと俺の思ってることは話して……なるようになんだろ、あいつだっていつまでも子供じゃねーんだし…。頭をがしがしと掻きながら、とりあえずロビーに向かうことにして情報部から出ると、唸りながら今後の展開を頭の中で予想しつつ溜息を吐いた。

2014.09.05

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