1
俺が高1になった年の、梅雨。
雨の日はもとから嫌いだった。
じめじめしてベタベタするし。
ただでさえ灰色の空で真っ暗なのに、
土臭い水まで降ってくるから。
まるでラジオの雑音のような雨の音と、
目が瞑れるような眩しい光
そして、透明なはずの水が真っ赤に染まっていったあの日。
その雨の日に俺のすべてを持っていかれたから、
俺は嫌い。
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