06


「結局三回」

「ノヤちゃんだってもっとって言ったじゃん」


後部座席で裸で横たわってる俺と運転手席で窓を開けてタバコをふかしている駒田さん

この人の性欲はいったいどうなってるんだ。俺が一方的に3回イかされたんだけど。この人は一回。

一応ウェットティッシュで体を拭かれ、駒田さんのジャケットが腰にかかっている

狭い車内の中、事を行うと窮屈でこの上なかった
何度足を窓にぶつけたことか

体が軋んでしまうくらい折り曲げられ腰が悲鳴を上げている


「……ほんとノヤちゃんってエロい体になったよねー。」

「誰のせいだと」

「俺。」


…わざと言わせたな、今。

ため息をつきながら服を被る

つか案の定キスマベッタリじゃねーか。

駒田さんのキスマークは時々痛い
いくつかは瘡蓋が出来ることもあるくらい強く囓る
おかげでなかなか取れない

…首筋に付けてたら殴ろう


「あ、ゴムとローション切れてるわそういや」

「………あぁ。」


さっきので最後だったのね。
さっきもローションは使われず、始終唾液で解されました。

驚きなのは駒田さんが律儀に俺にたいしてゴムをしてくれてることだ。

男は妊娠しないのに。


「ちょっと、薬局に行こうぜ」


着替え終わった俺を見て車から出る駒田さん
別にいいのになぁ、とは思うが渋々ついていった


「……ここさ…。」

「んー?」

「映画館あるところだよね」

「そうだな」


うわ最悪、と思う。

もし秋斗にバッタリ会いでもしたら、俺どうすればいいんだ
彼女と一緒にいるところを一日に二度も見るなんて、耐えられない

俺を試してるのかな
いい加減現実を受け止めろって?


「俺あっちいる」

「おー」


そういうのを買うとき一緒にいたくないので俺は別の場所に移動する
前もコンビニでゴム買う時からかわれたから。


数分すると、駒田さんがビニール袋をさげてやってきた


「んじゃ戻るか」

「ん」


俺が心配していたばったり鉢合わせもとくになく、エレベーターに乗り込む


けれど、俺はドアが閉まる前に見てしまった。


………秋斗が、彼女と手を繋いで歩いていたのを。


ドアが閉まるのがやけに遅く感じるなか、秋斗の笑顔が脳裏に残った


…あーあ、
最悪。


どうして 。


待っていたのは