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小さなヒットマン



朝、学校へ行く前の時間ピコンと携帯が音を立てて光った。舞は携帯を手に取り内容を確認する。


「あ」


思わず声を出してしまった。そして、携帯を見ながら口角を上げて微笑む。彼がやって来たんだ。沢田君も驚くだろうな…と頭の中で巡らせた。小さな、でもとても強くて、頼りになる彼を思い浮かべて。


「(早く会いたいな。リボーン)」



▽ ▲ ▽



今日の学校はある2つの噂で持ちきりだ。まず1つ目はツナが京子に告白をした事。それも下着一枚で。2つ目はツナが告白した事が気にくわないのか剣道部の持田先輩がツナに勝負を申し込んだ事だ。クラス全員がツナの事を、パンツ男のおでましだー!やら電撃告白!…と冷やかしている。彼は青い顔をしながら学校の終わりのチャイムと共に持田先輩が待っている道場へと連行された。


「持田センパイ。昨日、京子がうけた侮辱をはらすため勝負するんだって」
「え?」
「京子ちゃんと持田先輩ってそういう関係だったの?」
「ち、違うよ舞ちゃん。持田センパイとは委員会が同じだけなんだって」


京子が慌てて否定するが周りの女子は面白がって、男には男の世界があるのよーっと勝負を見ようと京子の背中を押した。


「(リボーンがついてるからきっと大丈夫だよね)」


そう思いながらも舞はゆっくりと京子達の後を追うように道場へと向かった。道場にはいつもの部活の人達だけではなく勝負を見るための野次馬達がわんさかいた。


「(…勝負あったみたいだな…)」


目に入って来た光景に舞はクスリと笑う。ツナは死ぬ気になりながら先輩を倒していた。先輩の髪の毛をすべて抜いて。勝負が決まったと共に湧き上がる歓声。ツナの周りには興奮したたくさんの生徒が集まりツナに感嘆の声をもらしていた。その中にはツナが想いを寄せる京子の姿も。


「ツナ君。昨日はこわくなって逃げ出してゴメンね…。あたし、よく友達に笑う場所わかってないって言われるの」


ツナの渾身の告白はどうやら京子には冗談だと思われていたようだ。ツナもその言葉には少なからずショックを受けていた。だがショックを受けたのも一瞬の事。


「ツナ君ってすごいんだね。ただ者じゃないって感じ!」


その言葉でツナの沈んだ心は一気に跳ね上がった。京子が目を輝かせながら自分を見ている。その姿にツナはトクンと胸を高鳴らせた。



▽ ▲ ▽



「久しぶりだね、リボーン。会いたかったよ!」
「俺も会いたかったぞ。舞」



道場がまだツナの事で盛り上がる中、舞はリボーンと接触していた。先ほどツナが死ぬ気になれたのもこのリボーンが死ぬ気弾を撃ったおかげだ。


「沢田君はどう?ボスになれるかな?」
「今の段階じゃ到底及ばないな。お前の報告は聞いていたがあのダメっぷりは相当なもんだぞ」


リボーンの辛辣な言葉に舞は苦笑いするしかなかった。


「でも彼がボンゴレ10代目だよ」
「ああ。そのために俺が来たんだぞ。徹底的にシゴいてやるからな」
「うん。あたしも頑張るねっ」
「そうだな。今まで通りにあのダメツナを支えてやれ」
「了解、リボーン」


この見た目は赤ちゃんのリボーン。この姿から彼がマフィアだなんて誰も想像できないだろう。だけど彼は凄腕のヒットマン。きっとツナを立派なボスへと導いてくれるだろう。



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