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入ファミリー試験


朝の爽やかな陽の光を浴びて木々はその緑色をキラキラと反射させる。校門を抜けると学校へ向かう生徒達が大勢い挨拶が飛び交っていた。その中にツナ達はいた。


「よおツナ」
「山本!おはよ!」
「なんだ寝不足か?クマできてんぞ」
「え…あ…。ちょっとね」
「ま、勉強で寝不足でねーんならいーんだけどな」
「え?」
「おちこぼれ仲間がへっちまうだろ?」


ツナ達はアハハハと大声をあげて笑い合った。あの山本自殺未遂事件から2人の仲は深まっている。しかしその2人を暗いオーラを纏って睨んでいる少年と眠そうに目をこする少女が屋上にいた。


「(ちくしょー。野球野郎!!10代目に馴れ馴れしくしやがって!!)」


睨んでいた人物とは獄寺。獄寺は敬愛するツナに山本が近づくのが気に食わなかったのだ。険しい顔つきでタバコをふかしながらタバコの箱をグシャっと握り潰し、横で眠りかかっている少女に視線を移した。


「って、おまえは寝るな!チビ女っ!!」
「…ん、だって眠いんだもん。寝てたのに朝から電話してきた獄寺のせいだよ」
「おめぇは10代目に変な虫が纏まりついても良いってのかよ!」
「変な虫って…武君じゃん」


舞は重力に従うように落ちてくる瞼を必死に開けようと奮闘していた。しかし眠さは最高潮で気を抜いてしまえばすぐに落ちてしまう状況だ。

獄寺に朝の早い時間に“10代目のために早く来い”と言われて急いで来てみれば呼ばれた原因は山本の事でもっと重大な事を想像していた舞は気が削がれてしまい途端に眠気が襲って来たのだ。


「リボーンさん。本当にあいつをファミリーに入れるつもりですか?」
「つもりじゃなくてもう入ってるぞ。オレが決めた」
「な!」


屋上にいたのは獄寺達ではなくリボーンもツナ達を眺めていた。獄寺は舞はもう役に立たないと悟りリボーンに直談判して山本のファミリーの入会を阻止しようとしたがあっさりリボーンに否定されショックが隠せず落胆の色を見せた。


「考え直してくださいリボーンさん!!オレはあんな無礼な奴を入れるのは反対です!」
「スピーッ」
「うがっ」


リボーンにそう言われたがそれでも納得できないと反論を述べるとリボーンは目を開けたまま眠りについてしまい獄寺の言葉を軽くスルーした。

聞きいれてもらえただろーか……?と不安が残ったが強制的に話し合いは終わり獄寺は煮え切らない気持ちで屋上を後にした。勿論、寝てしまっている舞を放置したままで。



▽ ▲ ▽



放課後、何故か山本と舞は獄寺に呼び出されていた。しかし呼び出した本人は何も言わずにただ山本を睨みつけその山本は困ったように眉を下げ頬を掻いた。


「おいおい獄寺…呼び出しといてだんまりにらめっこはねーんじゃねーの?」
「ほんとだよ!人の事置き去りにしといてっ」


舞は舞で獄寺に屋上で放置された事にご立腹であった。獄寺が起こしてくれなかったせいで授業に遅れ担当教師から罰として課題をプレゼントされてしまったのだ。しかし、獄寺は頬を膨らませて怒っている舞は眼中に入れず気に食わない山本の事だけを考えていた。


「(いけすかねぇ野郎だ…。こんなやわそうな奴が10代目を守れるわけがない)」
「おまえ牛乳飲むといいぜ。イライラはカルシウム不足だ」
「あ!あと魚の骨もカルシウムが豊富らしいよ。脱!カルシウム不足!!」


山本、そして舞の天然発言により獄寺は限界を感じダイナマイトを放り投げよとしたとき、新たな声が3人の耳に入ってきた。


「おーい!!」


ツナが舞達3人の元へとやってきた。全速力で走ってきたのかゼーゼーと息を乱している。


「なにそいつ。ツナの弟?」
「へ?」
「ちゃおっス」


ツナの腰にロープをくくりつけスケートボードに乗っているリボーンは山本を見上げいつものように愛らしい挨拶をした。



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