「貴様ら退学だーーーっ」
ツナと獄寺、そして舞の3人はやりすぎでついに校長室まで呼ばれ退学通知を言い渡された。落ち着きたまえ根津君…と校長が根津をなだめるが、これが落ち着いていられるか!私に暴力を振るったのですぞ!と怒りが収まることはない。
「連帯責任で沢田ともども即刻退学にすべきだ!!」
「(なんで俺までーーー!?)」
ツナ自身は何もしていないのに理不尽に退学と言われ信じられない気持ちだった。獄寺は黙って睨みっぱなしだし、舞は何も考えていないのかキョトンとまるで自分のことではないような顔をしていた。
「しかしですな。いきなり退学に決定するのは早計すぎるかと…」
「!では猶予をあたえればいいのですな」
校長の慈悲のおかげて即退学は免がれそうだが根津が含みのある言い方をしたのに舞の眉はピクリと動いた。
「たしか校長。15年前グラウンドに埋めたまま見つからないタイムカプセルの発掘を業者に委託する予定だとか」
「あ…ああ」
「それが何かね…?」
校長が不思議そうに返すが根津は悪者みたいな形相をしながらツナ達を見下すように口を開いた。
「それをこいつらにやらせましょう。今日中に15年前のタイムカプセルを掘り出せば今回の件は水に流してやる…たができなかければ即、退学だ!!!」
「そっ、そんなムチャクチャな〜〜ーっ」
ツナにとって理科のテストで26点を取ることや停学など学校を休めるからどうでもよかった。だが、退学は違う。愛しの京子に会えなくなってしまうのだ。
「退学やだよーーーっ」
ツナの必死の泣き声が廊下に響き渡った。
「なっ!10代目それほど退学したくなかったんスか!?」
「沢田君そんなに学校好きだったの!?」
そもそも退学になりそうなのも全てこの2人の行動によるものなのに、見当違いの考えを口にする彼等にツナはもう呆れて声も出なかった。
「こーなったらなんとしてもタイムカプセルを探しましょう」
「そうだねっ!探そ探そ!!」
「獄寺君…星野さん…」
「俺にいいアイディアがあるんです。まかせてください」
獄寺はニヤリと笑った。その表情を見たツナは、獄寺君っていつもメーワクばかりだけど…こーゆー時頼りになるかも、と期待の眼差しを向けた。だが。
「こいつで地面をぶっぱなせば早いっスよ。これ10代目の分」
「んなーーーっ!!」
すぐにツナは獄寺に期待したことに後悔した。獄寺は笑顔で大量のダイナマイトをツナに渡して来たのだ。
「あー!それ言い方法だねっ。獄寺、あたしにもちょうだいっ」
「ほらよ。チビ女、行くぞ」
「もう!またチビって言った!!」
じゃ、お先に…と笑顔でツナ以外の2人はダイナマイトを手に持ちグラウンドへと向かった。
「ちょっ、いらないよ。わーー余計なことしないでーーっ」
だめだよ2人共!!とツナはダイナマイトを持ちながらヘロヘロと膝をついて座り込んだ。そこに隣の教室からガハハハ…と笑い声が聞こえた。
「しかし根津先生も悪いお人だ。埋まってもないタイムカプセルを掘り出せなんて」
「ガハハハっ。悪いのは校長ですよ。15年前は例外的にカプセルを埋めなかったのを忘れてしまっておるのだから」
「(な、なんだってーーっ)」
ツナは根津の陰謀に口をあんぐり上げて驚いた。全てはツナ達を退学に追い込む算段だったのだ。
「あのクズ共はどうあがいても退学ということですよ。ま、グラウンドを真っ二つに割るようなことがあれば考え直してやってもいいがな」
「そんなーーーっ」
ツナの叫び声は大きな音によってかき消された。それは獄寺と舞による爆音だった。
「(あの2人、本当にやっちゃってるよ…!!)」
ツナはこの状況に絶望以外の気持ちは感じられなかった。
「ああ…もーーーだめだぁ…。タイムカプセルも埋まってないし絶対退学だよ…」
京子ちゃんとお別れだよ…とツナの目からは涙が溢れ身体に力が入らなかった。
「獄寺と舞はそう思ってないぞ。退学にならない方法があるはずだ」
「リボーン!!」
リボーンは急に現れたと思うと、ズカン…とツナの眉間に銃弾を撃ち放した。
「復活(リ・ボーン)!!死ぬ気でグラウンドまっぷたつーーっ」
ツナは死ぬ気になりながらグラウンドへ思い切り走った。肩にはリボーンの相棒であるレオンを乗せて。
「あ、沢田君っ」
「待ってました。10代目!!」
ついにやってきたツナの登場に舞達は顔を綻ばせた。
「地盤の弱点を!探す!!」
そういった途端に肩にいるレオンを手に乗せた。そして記憶形状カメレオンであるレオンは形を変えた。
「ダウジングゥ!!!」
シ…シブイ…!!と獄寺は咥えていたタバコをポロっと落とした。ツナはダウジングで目的の場所を探す。
「きたあ!地脈発見!!!ここを割るぅ!!」
ツナは思い切り拳を振り上げた。そこにリボーンによって4発追加で弾を撃たれた。
「俺も行きます!!」
「沢田君すごいっ!あたしもっ」
そこからのグラウンドの状況は悲惨なものだった。グラウンドはまっぷたつに割るわダイナマイトがあちこちで爆発するやらで。騒ぎを聞き立てて根津が怒鳴り声を散らしやって来た。
「沢田達だな!グラウンドで何をしているかーっ」
「即刻退学決定…」
根津の言葉は遮られた。獄寺が見せたテストのせいで。根津は驚きで声もでない。
「15年前のカプセルは出てこなかったがかわりに40年前のカプセルがてできたぜ。なんでエリートコースのお前のテストが平凡なうちの中学のタイムカプセルに入ってるんだ?しかとのこの点数」
「そ、それは……」
根津は学歴詐称をしていたのだ。そのため彼は教師を解任された。
「はーよかった。退学にならなくて」
「やだなぁ10代目。マジで心配してたんすか?」
ツナは退学の話がなくなりホッと安堵の声を漏らした。
「そんなことこの俺が命にかえてもさせませんよ!」
「そうそう!あたしもそんなことさせないって」
「獄寺くん…星野さん…」
ツナはなんだか嬉しい気持ちとなった。今回ばかりは大変な思いをしたけど2人の気持ちは素直に嬉しかったのだ。
「よかったな。たのもしい部下ができて」
「なっ、リボーン。だからって俺は部下とかいらないって!だいたい落ちこぼれ同士つるんでたら京子ちゃんがひくだろ?」
しかしそんな考えはすぐに覆された。あっそーだと獄寺がテストを見せてきたのだ。
「このガッコよテストってちょろいっスね」
そのテストには100点と書かれていた。獄寺は勉強ができたのだ。そんなテストを見てツナはショックを受けたのだった。
「え、あたし?あたしはテストは無理だよ〜。勉強とか嫌いなんだ」
そう言った舞のテストは可もなく不可もない60点だった。
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