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突如、リボーンが着替え始めた。その姿はゾウの被り物をしボクシンググローブをつけたパオパオ老師だ。そして威勢の良い声が耳を通り抜けた。


「パオパオ老師!!」
「ま…まさか…」

「俺を鍛え直してくれるというのはまことか!?」


現れたのはハーフボンゴレリングを指にはめた笹川了平。


「きょっ、京子ちゃんのお兄さんーー!?」


ツナは自身の頬に手を当て叫んだ。京子の兄までこんなことに巻き込むとは予想外のことだったのだ。


「待って下さいお兄さん!!状況わかってるんですか!?」

「敵を迎え撃つのだろ!?相当緊迫してるらしいな。昨日の出来事、10日後のことも指輪の話も聞いたぞ…」
「「え…」」


思わずツナと舞の声が重なる。失礼だが結構複雑な話のため了平が理解しているとは思わなかったのだ。やはり、やる時はやる男だ。そう思っていると…


「全部忘れたがな!!」
「たちまち意味ねーー!!」


その台詞にズコッとコケそうになった。


「なんでよりによって京子ちゃんのお兄さんなの〜!?京子ちゃん心配するよ!」
「こいつにはファミリーに欠かせない重要な役割があるからな」
「極限任せろ!!」


両手を空へと突き上げ、何の根拠も無いが迷いなく任せろと言う了平は確かに晴の守護者にピッタリのような気がした。前向きの姿勢が評価できるという意味だが。


「ところでパオパオ老師。今日は俺の為に幼馴染を呼んで頂いたとか」
「え…?幼馴染?」


リボーンがその幼馴染のことを「くされ縁」と言えば、首に下げているおしゃぶりが光り出した。これはアルコバレーノが近くにいることを暗示している。


「久しぶりだなコラ!!」


こんな特徴的な語尾をつけるのは一人しかいない。この声は…!と上を見上げれば、隼を頭に乗せ迷彩服を身に纏っている赤ん坊がいた。


「コロネロ!!」
「元気そうだなコラ」


コロネロは出会った早々にツナの顔に膝蹴りを入れた。些か暴力的ではあるが彼なりのスパルタ指導なのだ。舞は赤くなった頬を押さえているツナに駆け寄りながらコロネロに問うた。


「えっと、コロネロ君…?は何でここに?」
「リボーンの奴が泣きついてきたからな」
「泣いてねーぞ」


何でも今回は時間が足りないということで守護者候補を鍛えるため救援を頼んだらしい。そしてリングを持つ者それぞれに専属の家庭教師をつけることにしたと言う。コロネロは了平の家庭教師に来たらしい。


「話しにあったボクサー小僧はどいつだコラ!」
「俺だ!!」


コロネロは「どれ」とライフルの先で了平の身体を確かめるように触ると何かに気づいたように瞳を見開かせた。


「こいつ、本当にそんな弱いのか?コラ!」
「ああ。選ばれたファミリー七人の中じゃ最弱の部類だな」


それを聞くとコロネロは「プクク」と笑みを溢した。


「こいつは面白い奴を見つけたなコラ!もし10日間、俺のトレーニングについてこれれば他の六人なんてぶち抜くぜコラ!」


どうやら彼の御眼鏡にかなった様子。了平に自分とお揃いのバンダナを差し出し「そのかわり厳しいぜ。やるか?コラ」と本人のやる気を訊いた。


「望むところだ!!俺は負けん!!」
「よし、ついてこいコラ!!」
「おう!!」


こうして 二人も修行をする為にと気合い充分で駆けて行った。気合いだけが先走っているように見える二人にツナは少し心配を抱くが、心配すんな…とリボーンは言った。何でもコロネロは何千という生徒を見てきたらしい。そのコロネロを唸らせた了平は上手く行けば何倍も強くなれる可能性を秘めているとも吐露した。


「そんじゃ、俺もそろそろ鍛えに行くかな」
「え!?ディーノさんも家庭教師!?」
「ああ。さすがに今回の件では同盟の問題で俺は手を出さねーからな」


今、やってやれることはくれくらいしかねーんだ。とディーノは眉を下げながら言う。ツナは頼りにしていたディーノが家庭教師だと知り、あたふたと慌てるが「あ…もしかして獄寺君と山本のカテキョーですか?」と問うた。


「いいや…更なる問題児らしいぜ」
「それにーー…獄寺と山本は自分でぴったりの家庭教師を見つけるはずだ」



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